【小説】仔猫ぶーちょの生活-5 キャットタワーと冒険狂時代

実は、ケージを買う一二週間前にキャットタワーも買っていた。木製のキャットタワーの組み立てはケージと同じくらい大変だった。部品もねじの数も多く、おまけに一つ一つの部品が重い。組み立てるのに二日くらいかかった。

キャットタワーのてっぺんには丸い板があり、遊び用の白いボンボンがついていた。その下に隠れ家の箱二つ、透明なプラスチックボール二つ、それに足場用の丸い板が二つついた豪華なやつだった。

しかし、生後ひと月たらずのぶーちょは、キャットタワーで遊ぶには運動能力が足りなかった。一番下に置いてある丸い爪とぎに入ってみるのが精一杯だった。

ところが、ある日いつの間にか丸い透明なボールに入って寝ていた。足場を使って登ったのかどうかわからない。次の日にはてっぺんの白いボンボンで夢中になって遊んでいた。

どうしても飼い主たちが作業を邪魔されたくないとき、よくケージのてっぺんの外側に置かれていたが、ある時、いつの間にかケージの中に入っていた。これも、どうやって入ったのか、しばらく謎だった。どうやら、ケージの外側の細い横棒にぶら下がり、サーカスの演者のように中に入り口から飛び込んでいたらしい。

仔猫の成長はとても速い。昨日できなかったことが、今日はできるようになっている。それを繰り返して大人の猫になる。

ぶーちょはうちに来て三カ月ほどたつ。だから、推定月齢四か月弱の仔猫だ。でもすでに、家の中はすべて制覇したようだ。狭いマンションの端から端へ走り回り、キッチンの下のゴキブリホイホイをかきだし、キャットタワーをよじ登り、押入れの最上段に隠れる。棚にある花瓶を落とし、かきだした造花を食いちぎり、暴虐の限りを尽くしている。

仔猫ギャング真っ最中である。


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