【小説】仔猫ぶーちょの生活-4トイレはどこでしてる?
乳児猫にとっては、排泄は大問題だ。排泄できなければ命が危ない。以前の育児の経験で覚えた、ティシューペーパーでポンポンと叩く方式で、おしっこはした。でも、うんちは? 肛門を軽くたたいて刺激しても、うんちはしない。でも、キャリーバッグの奥を掃除すると、堅いころころのが出てきたので、安心した。
次はトイレに行く訓練だ。
このころまだケージはなく、キャリーバッグ生活だったので、専用のトイレはなかった。部屋中をあちこち走り回っている途中で急にそわそわしだすと、浴室に置いてあるリッターボックス(猫用トイレ)まで急いで連れて行った。
おしっこはこれでうまくいった。うんちはそこでする時もあったが、しないときもあった。どちらにしても始終ぶーちょの行動を見張っていなければならなかった。これは大変だと思っていると、いつの間にか自分でリッターボックスまで走っていくようになった。
リッターボックスの入り口は高い。ぶーちょの背丈より高い。それをよじ登っていく恰好に感動した。
そのうち体が大きくなり、リッターボックスを軽々と飛び越えられるようになった。そしてリッターボックス完備のケージが届くと、浴室まで走っていくこともなくなった。
トイレの訓練に関しては、ぶーちょは優等生だった。先住猫の縞尾のは、生後三か月過ぎても、新聞紙を引き裂いて作った幼児用トイレを使いたがった。縞尾は大人になりたくなかったのかもしれない。