「彷徨える河」 (2015)
いつも利用しているアマゾンより奥が深い本当のアマゾン。人はアマゾンに何かを求めたいらしく、ヘルツォークの「アギーレ」や「フィッツカラルド」でもクラウス・キンスキーが何かを求めるのにとりつかれてしまいました。
ハリウッドの会社ではなく南米の国コロンビアの映画「彷徨える河」で文明人が求めているのは病気を治してくれる薬。ポスターに写っている先住民の存在感がすごいので、てっきりドキュメンタリーだと思っていたら、白黒映像がとてもきれいなフィクションでした。
何十年かの時を隔てて書かれた二つの旅行記に基づいていて、映画の中でも二つの時代の話が交互に描かれています。それをつなぐのが先住民の呪術師で、若者と老人として登場します(各々を演じている人が強烈)。ジャングルの中で叡智を育んだ彼は、文明の利器を捨てて自然に身を任せろと指導してくれます。
私の心に残ったのは「死ぬのは義務だ」という言葉で、しみじみ考えさせられる歳になってしまいました。(邦題は特別上映会で「大河の抱擁」だったのが一般公開時に「彷徨える河」になったようです。)
2017年1月19日