ニスを塗るということ③
ハニスは気まぐれ屋さん。
誰も彼の行動を予知できない。
ある日彼はこう言った。
”ヒニスをそのまま食べてみたい”
周囲は困惑している。
それもその筈。
ヒニスを何の処置もせずに食すなど、
常識・普通は… ・皆がそうしてる等の表現に日々怯え、それがあたかも正義であるかのように過ごしてるフニスには到底理解する事ができないのだ。
今、彼らは数の力でハニスに無言の圧力を与える。
何も言わない。
只々、”なんか変なんじゃないの”みたいな空気を醸し出し、違う流れを淘汰し、自分達がヒエラルキーの頂点に鎮座していたいのだ。
思えば、この行為は人類創生の時代から行われている。
ネアンデルタール人繁栄の時代に突如現れたミュータント。ホモサピエンスをご存知だろうか。
当初異端扱いだったホモサピエンスは瞬く間にその規模を増やし、遂にはネアンデルタール人を淘汰してしまった。
今、彼らはハニスを笑うだろう。
それはコミュニケーションを装った狡猾な嘲笑。
だがハニスは知っている。
今はこんな状況でも、歴史が語っている。
次の時代に適合できる者のみ生き残る事ができるのだ。
ハニスはヒニスをそのまま焼いた。
その顔は笑顔だったと思う。
フニスはへニスをヒニスに垂らす。
ヒニス:ジュウウウ
へニスのいい香り。そう、それはまるでホニス。
進化と淘汰を繰り返し、僕らは歩みを止める事は無い。