踏み切れなかった理由
彼の家に初めて入ったのは、夏のあつーい日。
私にとっての良い神社がたまたま、彼の家の近くだった。
私には、とても遠く感じるエリアで、未知でもある場所。苦手意識と、とにかく、遠いな〜っと思っていた。まだ、知らぬ彼でもあったから余計だった。
スーパー銭湯のような温泉に行く約束だったので、着替えを一式持って出かけた。私がいつもご飯をご馳走してくれる彼にお礼に作ったスペアリブを持っていたので、彼がお家で食べようと。
その日に限って、お財布を忘れたのです。途中で気づき彼にラインをした。お財布取りに帰るのでもどります。ICカードの残高から片道くらいは入っていたので、「そのまま来れるならきなよ」っと。神様が仕掛けたのかも。
最初に目に入ったのは、彼の前妻の子の作品「絵」が玄関に飾ってあったのです。今までみることのなかった風景と気持ち。
お寺のお参り後、お蕎麦を食べたのに、お家でスペアリブを食べ始める。
人と付き合い始めるって違和感。自分と違う違和感なのか。
これまでの彼と比べる違和感なのか。
今でも、その風景が鮮明に思い浮かぶ。
白いタッパーに、これから定位置になるテーブルの椅子。
窓が大きく光が差し込むリビングダイニング
横向きに体を傾けて座る目の前の彼。