常識人間を捨てられますか?
大阪に旅行に行った時、どうしても立ち寄りたかった場所があった。
万博記念公園内にある太陽の塔だ。
大阪モノレールの中から見た時にも大きいと感じたが、間近で見ると更に異形さに圧倒されてしまった。
これを岡本太郎が作ったのか。
狂気と毒だ・・・。
岡本太郎に興味を持ったキッカケは、涼みに入った本屋の店頭に積まれていた本からだった。
【自分の中に毒を持て】
ずいぶんキャッチーな題名の本だな。
作者の岡本太郎って『芸術は爆発だ!』の人だよな。
その時はそんな程度の印象しかなく、村上春樹の小説のついでに買った記憶がある。
その時のぼくは積読本が沢山あり、この本も漏れることなく積読行きとなり手に取って読み始めたのは半年後くらいだったと思う。
暖房の効いた部屋でコーヒーを飲みながらページを繰っていたからだ。
自分の大間違い
冒頭から引き込まれる。
「安全な道をとるか、危険な道をとるか、だ」
みんな安全な間違いない道をとってしまう。
それが保身だから、モラルだから。
岡本太郎は常に危険な道を選択してきた。
個性は出し方
出る杭は打たれ、小学生時代を耐えて過ごしていた岡本太郎の心の中には、情熱があり、『出る』ことが生きがいだったのだ。
それはつまり、闘いつづけること。
学生時代は控えめで目立つこともなく、周りの同調圧力に合わせながら過ごしていた自分にとって強烈なビンタを喰らったような感覚だった。
この本は、自分にとって自己啓発本であり、恋愛小説であり、教育本でもあります。
自分に自信をなくしてしまった時、仕事がうまくいかない時、妻や子どもとの関係に悩んだ時、自分に情熱と狂気と勇気を与えてくれる本です。
他人と同じように生きていいの?
太陽の塔に問いかけられている。