ヴォイテク
ビールとタバコをこよなく愛したクマ、ヴォイテク。
彼は自分をクマだと知っていたのでしょうか。それともいつかはヒトになれると信じていたのでしょうか。
ヴォイテクは、動物園に入りたくなかったでしょう。
それはあまりにもヴォイテクのプライドを傷付けたでしょうから。
時々訪ねてくる戦友とどのような会話をしたかったのでしょうか。
実際に叶わないとわかっていても、一緒にタバコを燻らすことくらいはしたかったでしょうに。
死に向かっていく動物園と、死に向かっていく介護施設がオーバーラップします。確実に死に向かっているのですが、それはどうしようもないことなのですが、
でも、ヴォイテクはヴォイテクとして死にたかったと思います。
私は私として死んでいきたいのです。