【企業分析】4423アルテリア・ネットワークス/メガキャリア3社との違い
※ 本内容は2022/5/20時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです
【2024/2/24追記】2023/10/18に同社は上場廃止済
2022年3月期決算も終えて、個人的に気になった会社を調べています。本日はその中で、アルテリアネットワークスを紹介します。2018年に上場した企業向けの通信サービスを提供する企業です。
通信という成長領域でかつストックビジネスによる安定収益という点が魅力的な会社で、個人投資家に人気の同社ですが、自前の光ファイバー網を有している点が強みであることはわかるけど、メガキャリ3社との違いはなんだ、3社と競争して勝てるのか?と疑問に持つ人は多いでしょう。今回はそのあたりを調べたいと思います。
一番気になるポイントは競合(メガキャリア)に関するリスク
アルテリアの強みは「日本に光ファイバー網を張り巡らせる4社のうちの1社」である点です。
光ファイバー網を構築するのには多額に資金が必要になり(同社は丸紅資本でそれを作り上げたわけですが)、それが参入障壁となり新規参入を許さない点が同社の収益性の高さにあります。
一方で、その4社のうちの残りの3社はメガキャリア(NTT,KDDI,ソフトバンク)です。この3社と戦って勝てるのか?この3社とどのようなところで違いを作ってビジネスを行っているのか、という点が非常に気になるポイントです。
なお、当然ながら有価証券報告書には、事業等のリスクの一番上にこの点が記載されています。
メガキャリアとの違いは「戦う場所」
メガキャリアとの違いを理解するにはこちらの動画が一番よいと思います。
【2024/2/24追記】stockvoice YouTube でのアルテリア・ネットワークスの動画は削除済(上場廃止に伴い削除されたと思われます)
以下は動画からいくつかスライドを抜粋します。
メガキャリアとの違いは、アルテリアは主要都市、BtoB、ICTの部分にフォーカスして事業を行っている点、だそうです。
メガキャリアは一種社会インフラを担う部分が大きく、日本の隅々まで光ファイバー網を張り巡らせその維持更新でも多額の投資が必要になるところ、アルテリアはボリュームゾーンである主要都市に限った投資を行ってきた、そのあたりの投資効率に優位性があるということでしょうか。BtoBにフォーカスという点はわかりやすかったです。メガキャリアが企業向けだけではなく個人向けにも幅広くビジネスを展開するところ、アルテリアは収益性の高い企業向けに絞ったビジネスを展開しているようです。その分、顧客である企業の状況に合わせたカスタマイズを行ったり機動性を高く顧客満足度を上げて解約を防ぎ、安定収益につなげているということでしょう。
調べていくと、アルテリアは戦う場所を限定して、うまくメガキャリと渡り合っているという印象を受けました。圧倒的なマーケットリーダーではないものの、ニッチな部分で利益を取っているということでしょうか。事実、マンション向けインターネットの部分では業界No.1で知名度高くその地位は確率しています。
このポジショニングの4象限の図はこのstockvoiceの動画以外で見つけることができなかったのですが、わかりやすいのになぜ他の資料にのせないのでしょうか。
キャッシュフローはどうか、設備投資にお金かからない?
もう1つ気になる点があり、それは光ファイバー網の更新維持に多額のお金がかかるのではないか、という疑問です。同社は多くの通信設備を抱えていますので、この疑問にはすぐに浮かびましたが、キャッシュフロー的には潤沢な営業CFに支えられ、投資を行っても十分なフリー・キャッシュフローが発生していましたので、特段の問題はないでしょう。
のれん、無形資産の大きさも気になる
バランスシートののれん・無形資産の内容は有価証券報告書の注記と沿革を見れば確認できます。最近のIPO事例であったこともあり、ファンドのLBO絡みののれん・無形資産かと思ってましたが、自社の光ファイバー網の上で事業展開を行ううえで買収を繰り返したことによって発生したのれんでした。
まとめ
冒頭の株探の情報のとおり、高配当銘柄といえる状況まで株価が下がってきています。ビジネスモデル的にも問題なさそうな状況ではありますが、同じ高配当銘柄を買うならメガキャリア3社のどれかでいいんでね?と思う部分もあり、悩ましいところです。
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