【企業分析】7716ナカニシ/歯科用機器グローバルトップ級企業
※ 本内容は2021/9/4時点の記事をWordPressからnoteに移行したものです
本日はナカニシを紹介します。歯科用機器というニッチ領域でのグローバルトップ企業です。ニッチトップらしく、会社規模は小さいものの、メーカーの割に利益率が高く、業績も安定しており、こういう会社を安い時にたくさん仕込んでおきたい、と思わせる会社です。
ナカニシの過去業績推移
2021/12期は売上高416億円、営業利益130億円(営業利益率31%)を見込んでいます。メーカーとしては利益率が非常に高いです。後述の通り、ハンドピースで世界シェア25%を持っており、価格支配力をもっているのでしょう。
キャッシュフローの推移も素敵です。フリーキャッシュフロー毎期安定的に発生しており、現金はどんどん積み上がっていきます。投資CFが大きな年もあるのですが、詳細を有報で確認すると2019/12の投資CF43億円のうち、定期預金の増加が約10億円、投資有価証券取得が約20億円であり、設備投資は約10億円でしたので、実際の投資CFはもっと少ないと考えられます。少ない投資で多額の営業CFを生み出しているは素晴らしいです。積み上がった現金の使い道は気になるところです。
最近1年のナカニシの日経電子版での記事まとめ
ナカニシのビジネス環境に対する考察
まず、市場に関して、社長が言うように高齢化を背景に、インプラント市場は伸びていくということは直観的にわかります。世界が成長し、経済的に豊かになるにつれ、歯などの見た目を気にしお金をかける人も多くなるでしょう。歯が人間からなくなることはないので、歯科用機器がなくなることもないでしょう。
次に気になるのが、競合他社の動向です。Googleで「ハンドピース」「メーカー」と入れるといくつか競合と思しきメーカーがわかります(ほとんどが海外メーカーです)。私がユーザーではないのでナカニシの製品と競合他社の製品の違いは正直わかりません。すでに25%のシェアを持っており、業界のリーダー的なポジションであることはわかるんのですが、圧倒的ポジションでもありませんので、製品に違いがない場合は価格競争にもなりかねません。一方で、ナカニシは工場増設により生産能力を拡大させますが、増産によりコスト低減も期待できますので、多少の価格競争であればコスト低減での利益率は維持できるようにも感じました。
ナカニシはすでに市場で一定のポジションを築いており、営業CFが潤沢にあります。調べている限り、顧客である歯科医のニーズがどういうところにあるのかははっきりわかりませんでしたが、顧客のニーズを満たすための商品開発をするだけのキャッシュは十分にあります。このキャッシュ創出能力がナカニシの強みかもしれません。
ナカニシの株価の水準は?
最近業績予想の修正によりEPSを切り上げてきましたが株価はそれほどあがっておらず、PERが下がってきています。
私の手元でざっくり理論株価を計算しましたが、まあまあ適正水準といったところでしょうか。