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リフレインする曲を愛して ♯51

何度も噛むと味が出てくるような曲よりも、一発で分かりやすいファストフードのような曲が好まれる。
そんな時代に反して、よりストレートに、より文学に追及していきたい。

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道がつづら折りになって、いよいよ天城峠に近づいたと思う頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、すさまじい早さで麓から私を追って来た。

伊豆の踊り子の冒頭が大好きで、この文章から今回リリースする『No Where Side』の歌詞のヒントを得ました。

伊豆の踊子 (新潮文庫)
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従わず踊り続けたものたちだけが

汚れながらも可能性を貫いている。

白く隙間が澱むように

凄まじい速さで私は追いかける。

感覚のない昼間を壊しても

もうそこには何もない。

間に合うはずない何千回は

黒い影みたく走り去っていく。

2023.2.24(金)
OSMO 3rd Single
『No Where Side』リリース



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