出産レポ
予定日の2019年11月26日に40週目の検診があった。特に陣痛の予兆もなく、毎日ダラダラしていた。とにかくお腹が大きく苦しいので、早く産みたい一心だった。
朝7時半の検診のため早めに病院に向かう。私のファミリードクターもOBも全員同じ病院なので産むのも必然的にその病院でした。朝からUltrasound(超音波)をやっていたら、どうも羊水が半分くらいなくなっている??とのこと。ちょうど担当のOBの先生が出勤してオフィスいたので、研修生を連れてやってきた。(大きい病院のこれが嫌。私は研修生数人の見世物かい…)
ちなみに、私の担当医の先生は肝っ玉母ちゃんみたいでめっちゃハッキリしている。「羊水が半分もないって。もしかして、破水した気ずいてなかったの?!!!」思わず「え?そんなことあるか!?」と自分でも疑った。「いずれにせよ、何かあったら大変だから今日か明日産もう!」この一声で全てが始まった…。
まず先生が旦那に「今から家に帰ってホスピタルバックを持ってきて!いい?今日か明日には産むよ!」旦那は「え?今から?」と急な展開にテンパる。先生「あんたが家に行ってこっちに戻ってくる間には産まれないから、安心して。早く行ってきな!それと忘れずに、さい帯血バンクのキットも持ってきて!」とのこと。私達はcord blood banking(さい帯血バンク)にサインをしたのでキットをもらった。とりあえず、子宮口は2㎝くらいしか開いていないので、風船を入れることになった。(地獄だった。。。)それと同時に誘発剤も投入。風船を入れて数時間。陣痛みたいなのも始まり、痛くて痛くて風船でこんなに痛かったら、出産はどうなるのだろうと怯えた。あんなに「私は自然分娩で頑張ろう!」と思っていた私の気合はどこに、、、担当医の先生に会うたびに「痛いので無痛を打ってくれ!!!!!」と頼む私。先生には「まだまだ全然無理」そして、それに対して何度も旦那に「痛いからどうにかしろ!」と八つ当たりをしたのだけ覚えている。
恐らくお昼過ぎて14時過ぎトイレに行きたくなったので、やっとの思いでトイレへ。「ボトンッ!」何かがトイレに落ちた!!!!子供が落ちたと思い旦那を呼ぶ。*トイレは部屋についてました。
「子供が落ちた。便器に落ちた」と叫ぶ私に、旦那が顔面蒼白になりながらやってきた。どうしよう…と思ったが産声がしない。便器を除く私と旦那「風船が落ちてる。。。」心の底からどっと疲れた。担当医の先生は「風船はそのまま捨てていいから、しばらく散歩でもしながら待ってて。個室の出産する部屋に今は空きがない」と言われしばらく放置された。時折くる痛みに耐えながらも院内を歩いた。それでもお昼ご飯は食べれた。でも食事を見るたびに「あぁ、このビーンズを食べたら出産の時に子供と出てくるのかな。研修生にもみられるのかな。嫌だな」と変なことばかり考えていた。
夕方過ぎて18時頃「個室が空いたので移動していい」と言われ、部屋を移動した。そしてついに無痛の注射を打つことに!「あぁ…やっとだ。ありがとう。神様、仏様、天狗様」
旦那にも注射を打つ先生にもナースにも「注射器は見ない方がいい」とだけ言われた。後から聞いたらどうも鉛筆サイズの注射だったらしい。無痛の注射を打ってしばらくして、効き目がなくなってきたなぁ。と感じたら自分で点滴のようなところのボタンを押すと麻酔の液体が足されるという素晴らしいシステムだった(医学の発展を感じた)しばらくして、誘発剤を足したり破水をさせてもなかなか変化がない私。何度も先生が研修生を連れて(←これ本当に嫌だった…)チェックするも子宮口も6㎝-7㎝から進まず…。夜中になった。
深夜3時頃、お腹の赤ちゃんの心拍が何度も下がったりしているので担当医の先生も「帝王切開になるかもしれないという心構えをした方がいいかも」言ってきた。子供の心拍が何度も下がったりしていて、ストレスになっている可能性があるとのことだった。ここまでやったのに…とショックだったけど、自分1人の体じゃないので、そこはもう「わかりました」と言うしかなかった。私の前に3人ほど帝王切開の人がいて並んでいるので、しばらく待つことになった。それでも書類にサインしたり、忙しくあまり覚えていない。
朝8時頃そのまま手術室へ。何が起こっているかもわからず、裸にされ手足を縛られ(多分)縛り付けられた気がする(多分)周りには8-10人くらいの色々な専門医の先生が私の周りに待機していた気がする。
まずは麻酔の担当医の先生から説明を受け麻酔が体内に入っていく。麻酔をしてから何度か冷たいアイスパックで冷たいと感じるかどうか確認された。その頃には意識が朦朧としいて、頭は半分くらいあっちの世界だった気がする。にも関わらず、なぜかそこから30-40分くらいは全裸で放置された。
裸で縛り付けられて意識朦朧。体の筋肉が緩んでいるのでとにかく、オナラが止まらなかった。「プ~ッププ」「プ~」と何度も色々な音程のオナラが手術室に鳴り響く。意識も朦朧としていておかしいので、自分なのか他の人なのか、よくわからなくなった。とりあえず気まずいので「Sorry」を連呼する私。今思えばなぜあんなに謝ったのだろう…きっと先生達も慣れているだろうし。しかも、誰もなにも言わず、笑いもせずめっちゃ気まずかった。
しばらくして、やっと帝王切開専門の先生が来た。手術中の感覚は何もなかった。途中で旦那も入ってきたが、旦那はあまりの出血と私が刺身のようにさばかれている姿に、座っていても足がガタガタだったらしい。旦那が入ってきて5分、娘が凄く大きな声で産まれた。とにかく大きな声だった。今も娘の声量は大きく、声が通る。
そして心の中で「本当に人間の子供が入っていたんだ」と謎な感情が芽生えた。そこから意識があまり無く…やたら臓器を引っ張られる感覚と痛みがあったので、横から「可愛い女の子だよ」「ほら、見て。こんなに元気」の周りの言葉をよそに「うん、わかった。でも、お願いだから先生!もっと薬を足してください。プリーズ!」とまるでヤ〇中のように麻酔科医の先生に薬を足すようにお願いしていた。無事に娘が産まれた感動よりも、とにかく薬を足して欲しくて記憶が混乱していた気がする。
でも出産してからずっと私の胸の上でお乳を探す我が子がとにかく本当に可愛かった。もう1年以上前だという事実が嘘のよう。時が経つのは本当に早い。本当に出産は何があるかわからない。そして先生に「次産むなら次も帝王切開になると思う」とだけのちに言われた。