2020/9/21 9月定例議会① 『子どもの貧困』
1.子どもの貧困について
困窮家庭の子どもで、このようなことを本人から聞きました。友達から臭いと言われて、初めてみんなが毎日お風呂に入っていることを知った。その子は1週間~2週間に1回シャワー浴びていたそうです。冬場お湯が出ない時もあり、そのような時は意を決して、水のシャワーを浴びたそうです。ガスは7年くらい止まっているそうです。毎日のご飯はホットプレートで焼いたもの、カップ麺、菓子パン、ごはんがあってもおかずがないことも多い。カップ麺はいつもあるわけではない。野菜はほとんど食べていない。親、兄弟とも一緒にご飯を食べてない。家には取り立てが何度も来る。小中学校時代はいじめの対象になっていたそうです。
この子の家では震災で収入が半分以下になったままです。その他にも複合的に問題が重なっています。
一般質問の質問事項は二つ。
①子どもの貧困の現状を把握するため、経済状況が標準的な家庭の子どもに比べ何を奪われているのかを調べる「はく奪指標」の導入や「子どもの生活に関する実態調査」を行い、支援策の検討を行うこと。
②実態を元にした「子どもの貧困対計画」の策定を行うこと。
子どもの貧困は、田舎も都会も同じくらいの割合存在すると言われています。自分の肌感覚ですが、気仙沼市では1000世帯に20~30世帯。重度から軽度まで含め。市全体で26000世帯なので、少なくとも500~600世帯。たぶんもっと多い気がする。何を持って貧困かは様々な意見があるかとは思いますが。
質問の結果、来年度「はく奪指標」も踏まえ、貧困文脈だけでなく多面的な「子どもの生活実態調査」を実施することが決まりました。また、調査の結果をもとに支援策の検討や計画策定の必要性について検討を行うとのことでした。
「子どもを大切にしなければならない」「貧困の連鎖は食い止めなければならない」このような理念に反対する者はいない。だからといってまちとして子どもの貧困に力を入れているか、理解があるかは別だと思います。正直、この問題に力を入れないのであれば、市として子ども子育てに力をいれていると言ってほしくはない。
以下、実際の質問内容になります。
内閣府は2019年「子どもの貧困対策に関する大綱」を改定し、基本的方針として「親の妊娠・出産期から子共の社会的自立までの切れ目のない支援」「支援が届かない、又は届きにくい子ども・家庭に配慮」「 地方公共団体による取組の充実」などを掲げ、関係施策の実施状況や対策の効果などを検証・評価するための指標を、25項目から39項目に増設しました。
国が定める「子どもの貧困対策の推進に関する法律」では、第一条の目的において「子どもの現在及び将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、全ての子どもが心身ともに健やかに育成され、及びその教育の機会均等が保障され、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため」とあります。しかし、残念ながらそうはなっていない現実があります。そしてコロナ禍においては、より一層悪化が予測されます。
子どもの貧困は、大人が最も優先して力を注がなければならない事項の一つと考えられます。以下の点について伺います。
(1)日本の相対的貧困率は13.9%(2015年)、ひとり親の相対的貧困率は50.8%(2016年)との調査結果が出ています。しかし、相対的貧困率などだけでは、子どもを取り巻く貧困の実態は見えてこない面が多くあります。本市における子どもの貧困の現状を把握するため、早急に「はく奪指標」の導入や「子どもの生活に関する実態調査」を行い、支援策の検討を行う必要があると思いますが、市の考えを伺います。
(2)現在、宮城県では「宮城県次世代育成支援対策地域協議会,宮城県子ども・子育て会議」の中で、次期「宮城県子どもの貧困対策計画」の検討が行われています。内閣府の定める「子どもの貧困対策に関する大綱」では、自治体における「子どもの貧困対策計画」の策定は努力義務とされていますが、実態調査をもとに本市においても、計画策定の考えはないか伺います。