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【旅が背負う荷物の重さは】

要であり急。移動時間は片道2時間強、滞在時間5時間弱の日帰り帰省。先日、高速バスを使って本州から四国へ戻った。
リュックを一つ担いで行った。故郷に着いてからタクシーは使わず、移動はリュックを背負ってほとんど徒歩。自分の足で町を歩いた。

故郷での必要緊急の用事を済ませ、夜のバスに揺られて本州へ戻り、そこからいつもの電車に揺られ、家に戻ってリュックを下ろした。

湯船に浸かると、旅の疲労が噴き出してくると共に、心からほっとした。さっき私を家で迎えてくれた妻と娘の笑顔、声を思い出しながら。

旅が背負う荷物の重さ。
それは、いまここにある普段の暮らしを別の場所に持ち込もうとすることの重さなのかも知れない。

たった数時間であっても、旅には重さがある。その重さから解放されて、普段の暮らしに戻ってきた、この安堵感。
負荷があるからこそ、解放された時の喜びが増す。もしもっと荷が軽かったら、これほどの安心は得られなかったかも知れない。

私は、普段の暮らしの場所にいることに、これ程までに安心する人間なのだと知った。

ということは逆に、この暮らしを別の場所に持ち込むことは、どれほど背負う荷物を重くしても不可能なのかも知れない、だからこそ、どちらもかけがえのない場所なのだと気付いた。

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#わたしが私として生きるためのエッセイ 47
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