【高い理想。硬い内臓。】 2 フジサキヒロカズ|音楽をつくるひと 2021年5月28日 22:00 そのひとは、やわらかいひとではないようだ。硬直しているように見えてしまうその信念。偏っているように見えてしまうその行動。そのひとは、硬直し、偏って生きることを望んでいるのだろうか。そのひとに、硬く偏って生きたいのですかと問えば、いや、実はそうではないのだと泣きながら答えるかも知れない。かたいひとは、じつはやわらかいひとになりたい。「人は変われる」は真。「人はそう容易くは変われない」も真。このふたつの真実は、かたいひとが出会う苦しみと喜び。かたいひとは、やわらかいひとになりたい。しかし、やわらかいひととて、変われる/変われない、このふたつの真実があるのは同じこと。太陽が落ちたあと、外の明かりだけを頼りに歌った即興の新曲「かたいひと」。弾き歌いをしながら、部屋の闇と外の闇が繋がって、境目が消えたその中に、私の存在が溶けていくような優しさを感じていた。暗闇は好きだ。暗闇礼讃。解像度の低さ、粗さ。暗闇の中で撮ったこの映像の解像度は著しく低い。ぼやけているそれは、人の曖昧さを連想させる。曖昧さは、人の信念と行動の、硬さと柔らかさのあいだにあって、苦しみと喜びの両方の輪郭をぼやかすことができる。曖昧さは、眉間に寄った厳しい皺を和らげることができる。曖昧さは、硬い内臓のこわばりを解きほぐすことができる。だからこの曖昧さは、曖昧なままで存在しても良いのかも知れないと思う。一年前に書いた「即興音日記#127 かたいひと」を聴き返しながら。https://youtu.be/vSajaYc0trM ◉お知らせアルバム『音楽と非音楽のあいだ=日常』を3月に配信リリース&CDリリースしました。私が書いた11曲を収録、37分。全曲無料で聴いていただけます。ご自身の音楽環境によってプラットフォームを自由に選んでいただけますが、YouTube Music が聴き勝手が良いようです。もしよろしければ、お耳をお貸しください。https://linkco.re/YZB33Asz #自分の曲をおさらいする #即興音日記 #fujisakihirokazu #エッセイ #フジサキヒロカズ #アルバムリリース #音楽と非音楽のあいだ #日常 #エッセイ #日常 #アルバムリリース #fujisakihirokazu #フジサキヒロカズ #即興音日記 #音楽と非音楽のあいだ #自分の曲をおさらいする 2 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? サポート