オリジナルホラー短編小説「笑う鏡」
クンクン…
『薬の匂い…??』
「んんッ……ん〜…」と目を覚ます。
寝ぼけ眼が見慣れない天井を捉えた。
「え……………??」
『ここ……どこ???』
身体を起こしふと着衣を見ると、、
「え………なに……っ………これ…っ………?入院服……??」
「と…とりま状況を知ろう……」と広い病室中の部屋を片っ端から見ていき、最後にお風呂場に入る。
至って通常のお風呂場。
だが私はその時とても不思議な感覚に陥った。
洗面台の鏡に..…何というか………吸い寄せられるように鏡を見てしまった。
いや…何か……見なきゃいけない気がして……見たんだ。
鏡を見た途端、
私は顔が青ざめていき、
冷や汗が身体中から出るのが分かった。
「え…っ………………誰??」と鏡に映った自分に問いかける。
「ニヤァッ」
と鏡の中の私が不気味に笑った瞬間――
"私"と"その周り"がぐにゃあ〜という効果音が付きそうなほど歪になっていく、、
鏡の中の"私"は
嘲笑(ちょうしょう)していた。
「あはははは…はあ〜あはははっっ―」
腹を抱えて転がる程ずっと―――
1人でディナーを楽しんでいた私は、隣の席に居た女性が興味深い話を相手に話してる事に気付き、聞き耳を立ててしまっていた。
私は、
「めちゃくちゃ面白いけど……こっわ…笑」
と静かに呟いた。