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モンゴル旅行記1

7/11~18の1週間、モンゴルへ行ってきた。
前にも書いたけど、私は中学生の頃からずっと遊牧に憧れていた。本当にずっと、行きたいと思っていた。今回参加させていただいた企画も高校生の時にHPを見つけてからずっと行きたいと思っていたもので、長年あたためていた夢をついに叶えることができた。6年分の期待が積み上がっていたけれど、実際はそれを遥かに超えていた。何で私の目には耳には肌には、録画機能が無いんだろうって心の底から思った。全部保存しておきたかった。

という訳で、これは完全に自分用の備忘録です。見たもの、感じたこと、考えたことを出来るだけ詳細に残しておきたい。あまりにもいい旅だったのでガチトーンで「帰りたくないなあ...」と呟いていたら、現地の方が「いつまでも居ていいし、移住する覚悟ができたら馬とゲルは用意してあげるよ」と言ってくれたんだけど、たとえ身一つで飛び込んでいっても受け入れてくれそうな場所があるって、凄くない?それだけで、この蒸し暑くて人が多くてつまらないコンクリートジャングルでも正気を保って頑張っていける気がする。
(冬の寒さがまじでやばいから、1回冬も体験しにおいでって言われたので、卒業前の2月にでも行こうかな)

1日目

午後発の便で成田を出て、乗り換えの為に仁川へ。企画者の伊藤さんはスーツケースではなく風呂敷で現れたんだけど、預けるときに物議を醸していて笑ってしまった。
そして夜発の便でウランバートル、チンギスハン国際空港へ。モンゴルではとりあえずチンギスハンって付けがちらしい。確かにお酒の名前になってたり調味料のパッケージに書いてあったり、そこら中に名前と巨大な銅像があった。

滞在中お世話になるキャンプの方々、通訳の方々と合流し、西へ。
都市部を一瞬で抜け、ひたすら道路を爆走。国土があまりに広大な為、都市部以外は道路に街灯はなく、真っ暗な中を車のライトだけで進んでいく。一応コンクリートで舗装された広めの道から草原の中のオフロードに行っても車のスピードは落ちず、何回か体が宙に浮いて頭頂部をしたたかに打ち付けたが、そんなことも楽しくって仕方なかった。草原の道は車が通ることで自然と形成されていくもので、通り過ぎて溝が深くなりすぎると少しずつ横へ広がっていくらしい。

夜中の1時くらいにキャンプ地へ到着。何とも表現しがたい草原の匂い。星も凄くって、ついにきたーーーーーと興奮しっぱなし。旅行客用とはいえ初のゲルでの就寝に、ワクワクしてなかなか眠れなかった。室内にも虫が沢山入っちゃってるのでずっと羽音のようなものがしていたが、そりゃ草原のど真ん中なんだからいるだろって感じで不思議と全く気にならなかった。日本だと1匹の蚊にもピリピリしているのになあ

ゲルの中。結構広い。天井も高い。あんまり寒くなかったので滞在中一度もストーブは焚かなかったんだけど、せっかくだから1晩くらい焚けばよかった。

2日目

朝、ゲルの天窓から差し込む陽の光で6時頃に目が覚めた。既に最高だった。

昨晩到着が真夜中だったせいで自分がどんなところにいるのかよくわかっていなかったけれど、ゲルの外に出てみるとそこには地理資料集で見た通りの草原が広がっていた。ひたすらに草と空。草原の匂い。遠くに見える馬や羊。強烈な日差し。ありえん滞空時間の長いバッタが飛び回る音。巣穴から巣穴へ移動する野ネズミ。ただ立って呼吸するだけで、めちゃくちゃ気持ちよかった。

朝ごはんの後はみんなで競馬を見学。
何と偶然にも私たちがモンゴルに到着した7/11はモンゴルの革命記念日で、そこからナーダムというお祭りが数日間開催され、1週間ほど会社や市場も全てお休みになる。日本でいうGW的な感じか。
そしてそのナーダムの種目の一つである競馬のコースがちょうどキャンプの近くということで、見学できることになった。米粒のようなサイズの馬が徐々に近づいてきて土煙を巻き上げながら走っていく様子は、そこそこ距離があったので正直その速さや凄さはよく分からなかったが、数日後にFacebookの記事でみてようやく実感した。てかこの距離走ってこの着差ってやばすぎる...

競馬を見た後は早速乗馬。モンゴル馬は背丈が低めで、夏の30度にも冬のマイナス30度にも耐えられるタフさを持っている。滞在中はずっと同じ馬と鞍を使った。私が乗らせてもらった馬はものすごく大人しかったけど、最終的に「姫路のヤンキー」の異名をつけられた暴れ馬や、全く動こうとしない馬もいて、個性豊かだった。
現地の少年に手綱を持ってもらい、2時間くらいひたすら進む。乗ってる時にすることは全くないので揺られながら景色を眺めていた。あまりにも遠くまで草原なので、遠近感がわからなくなった。草の色が暗くなっている場所があったから違う種類の草が生えているのかと思ったら、雲によってできた影だった。
ラストはただゆっくり歩くだけではなくちょっと駆け足をしてくれたんだけど、馬の揺れに合わせてお尻が鞍にボンボンぶつかってしまい、めちゃくちゃ痛かった。ただ座ってるだけなのに太ももも膝も痛くて、降りた後はみんな生まれたての子鹿みたいになってた。

お昼ごはんの前に、乳製品作りを見学した。
牛乳を沸騰させて一晩おいて分離し、乳脂肪分は生クリームに、残ったものヨーグルトにする。とった乳脂肪分を加熱して更に脂を分離すると、最終的に金色の脂が取れる。これはシャルトスと呼ばれていて、超健康に良くて貴重らしい。シャルトスを取った後に残ったものはレーズンと砂糖を加えてジャム的な感じにして食べる。小麦を炒ったものにシャルトスを加えて固めたものはチンギスハンも食べていたと言われる保存食で、一本満足バー的な味がした。
これからこれが出来て、残ったこれであれが出来る、みたいなのが複雑すぎて既に結構忘れてしまったが(どっかでチーズが出てきたはずなんだけどな)、とにかく牛乳から物凄くいろんなものを作っていることが分かってびっくりした。

お昼は、ナーダムということで伝統料理のお祭り料理、ホーショールを食べた。羊肉を小麦粉で包んだもので、とんでもなく美味しかった。ただの肉バージョンだけではなく内臓が入れられたものも出してもらえた。内臓は基本的に苦手なので食べられるか不安だったが、問題なくいただけた。草の匂いがした。

午後の乗馬は3、4時間くらい。めちゃくちゃ遠くまで行った気がする。誰もGoogleマップなんて見てないのでどれくらい正確かわからないけど、通訳さんは50kmくらい走ったって言ってた。(10kmって言ってる人もいたので真偽は不明)
トコトコ駆けてるときは風の音しかしなくて、世界に馬と自分だけみたいな感じがした。高速で過ぎていく周りの景色があまりに美しくて、自分がここにいる実感が湧かなかった。
馬に乗るときは危険なので携帯やカメラは持てず、写真は乗馬に熟練した現地の人たちが撮ってくれたものしかない。馬に乗って出かけた先で見た景色が素晴らしくて、あの光景を残すことができないのが本当に惜しかった。どんな揺れにも耐えられる強烈なバンドでくくりつけたGoproが必要だと思った。

落馬したり帽子落とした人がいたり(基本的に馬から降りられないので落し物は物凄く大変)ちょっとしたハプニングがあったが、最後にはそろそろ一人で大丈夫、ということで独り立ちさせてもらえた。一人で馬に乗る気持ちよさは、今まで経験したことのあるどんな喜びとも違っていた。放牧されていた馬が付いてきたのがめちゃくちゃ可愛かったな。

夕焼け。

モンゴルの人口は約300万人(横浜市より少ない)で、そのうち約半数がウランバートルに居住し、現在でも遊牧生活を送っているのは50万人ほどらしい。家畜は人口の20倍、約6000万頭いるのに、中国が買い上げてしまうため、なんと都市部では肉や乳製品の値段が高騰し、不足しているとか。都会近くで生活している遊牧民の家畜は盗まれてしまうことも多々あるらしい。食品だけでなくその他資源に関しても中国の影響が大きく、なかなか上手く発展することが出来ずにいるような印象を受けた。私は今までひたすら遊牧に惹かれていたけれど、遊牧民の生活と都市部での生活が至近距離に存在しているモンゴルの国家構造は物凄く興味深いと思うようになった。滞在中ずっと通訳をしてくれていたのは今年大学を卒業したばかりの同年代女性だったので、他にも彼女が問題意識を感じている色々な社会問題について話してくれ、逆に日本についてこちらが答えに詰まってしまうような質問をされたりなど、めちゃくちゃ刺激的だった。

夕飯後は民族衣装を着させてもらった。かわいかった!

長くなってきたので3日目からは次へ(3,4日目が1番盛り沢山だったので是非読んで欲しい)

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