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「Sheep ~ song of teenage love soldier ~」 が可愛すぎるという話

中学校に通っていた3年間、ずっとずっと大好きだった男の子がいた。2回も同じクラスになれたのに、隣の席になれたこともあったのに、会話できた数は片手で数えられるほど、遠くから見ているだけで幸せいっぱいだった。

そんな控えめな青春真っ盛りな時期に、10年経った今でも一番好きだと誇れるある曲に出会った。それは―――Sheep ~song of teenage love soldier~

今日は、その、この国で、この世界で、この宇宙で、これまでも、今も、これからもずっと一番好きなこの曲について本気出して惚気てみる。

Ⅰ Sheepってどんな曲?

「Sheep ~ song of teenage love soldier ~」略してSheepは、2004年11月にポルノグラフィティが発売した「黄昏ロマンス」のカップリング曲。Vo.岡野昭仁が作詞作曲を手掛けている。ラテン調やロック調の曲のイメージが強いポルノだけど、この曲はとても明るくポップで可愛い。歌詞も、男の子が片想いをしている女の子に告白を決意するというTHE 甘酸っぱい青春なテーマ。

Ⅱ魅力➀ 曲名

「~song of teenage love soldier~(10代の恋の戦士の歌)」の意味は分かるけど、歌詞の中には「Sheep」は一回も出てこない。

実はSheepは臆病者、気が弱い人という意味もある。そう、主人公の男の子のこと。また一つ賢くなった。そういうシャレた表現も素敵。

Ⅲ魅力② 歌詞

昭仁さんの作る歌詞はストレートで素直な表現が多く、スッと聴く人の頭に入ってきては共感を呼ぶ。

「これで何度になる?言えない言葉は『君が好き』というメジャーな響き」
「真夜中にしたためたラブレターのように言えたなら 今頃は世界のキングにもなってるさ」
「目の前に高くそびえ立つ壁は 臆病という名の防波堤」

誰かのことを好きになった人は共感できるのではないだろうか。でも、そんな泣き言を言っていた彼も決心をし、

「『俺も男だ 戦場に行くんだ』大袈裟に奮い立たせよう」
「恋の戦士 今ここに立ってる もう二度と引かねぇぞ 潔く散ってしまえ 敗北しるのもいいだろう」

突然男になる。強い意志と勇敢さが感じられる。全力で応援したくなってしまう。そして最後には、

「『君が好き』我ながらよく言えた台詞だった 『私も』と笑ってる君を今抱きしめたい 『Keep on loven' you I love you from my heart』」

また男の子に戻って喜びをかみしめているのがまた可愛い。最後の歌詞も中高で習う英文法なのもまた思春期を感じる。

たった約4分半で、純度100%の甘酸っぱい恋愛を体感し、初恋や思春期の頃の気持ちを思い出し、聴き終わることには甘酸っぱさや幸せで胸がいっぱいになっている。昭仁さん、あなたは凄い曲を作ったよ。

Ⅳ魅力③ 声と楽器

歌詞だけではなく、メロディもキュートに作られている。

ピアノや電子音主体の明るくポップな音が並び、ギターもクリーンでライトに弾かれる。高音域な音が多いから、沢山動いているベースが目立つのがとても好き。

間奏のギターソロでは、男の子の告白までの道のりが頭に浮かぶ。MVがないのに、聴く人に想像させる音を作れるそのセンスに脱帽。

声もまたいい。昭仁さんの声はどんな曲にも合う。ゴリゴリのロックもかっこよく歌い上げるし、妖艶な曲にもしっかり色気を醸し出す。Sheepでも思春期の男の子が歌っているかのような純粋さ、あどけなさを感じた。昭仁さん何歳なんだ?と思うくらい。

魅力④ 青春の恋愛の再現度の高さ

歌詞と音で、純度100%の青春時代の甘酸っぱい恋愛を再現しているのだけど、これって難しいことだと思う。

当時、この曲を聴いて共感した自分は中学2年生のバリバリ現役の青春オウカーだったけど、ポルノの2人は30歳。一般的な思春期は十数年前に終えている。青春の思考が時代を超えて普遍的で、独特なものなのかもしれないけれど、十数年前の記憶を蘇らせて曲にして、現役中学生の共感を呼ぶなんて、凄いセンスを持っていると思う。

Ⅵまとめ

何度聴いても、何年間聴き続けても、飽きることは無く、むしろ自分もこの曲みたいに純粋な好きという気持ちを人に抱きたいと思わせてくれる。だから、思春期を越えても、ずっと大切に聴き続けていきたいと思う。

「可愛い」が沢山詰まった曲だから、「可愛い」に憧れていた当時の自分はとても惹かれたんだと思う。どうしてこの曲が有名にならないのか不思議でしょうがない。

ついでに、中学校3年間の青春は、何事もなく綺麗な思い出として終わった。Sheepを聴くとあの頃の甘い気持ちを思い出せるから、むしろこのようなカタチで終わってよかったと思っている。


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