ファシリテーターの4要素

今回の授業は、ファシリテーターに大切な4つの要素について学んだ。

1.環境整備
 リモートでは、参加者自身が授業を受ける場所を用意するため、Wi-Fiの影響や、周りの人による影響が大きく環境が壊れやすい。そこで、まず行うべきことは”集中阻害要因をなくす”ことだ。
  ・集中阻害要因をなくす=感覚とコンディションのマネジメント
   感覚=聴覚、視覚、体感
   コンディション=参加者の疲れ、眠気、空腹、トイレ
           (参加者の状況に応じて計画を変えるのもよい。)
 次に、”スイッチのON,OFF”を作ることだ。たびたび、話し合いの時間が終わっても静かになるのに時間がかかったり、いつ終わったのか気づかない参加者がいたりするようなことがみられる。この問題に対処するのが”スイッチのON,OFF”である。
  ・スイッチのON,OFF=何をきっかけにして始めるのか、終わるのか。
   全員で手をたたく、ブザーを鳴らすなど、音が効果的だ。
 最後は、”全体構成をデザインする”である。そして、デザインする上で重要なのは”順番とつながり”である。
  ・基本の構成
     1.導入・・・アイスブレイク、ルール説明
      2.メイン
      3.まとめ

2.問いかけ
 より良い問いかけ=相手が頭を使う、相手の価値観が出る、深く考えられる核心的な問い。
 1.置き石理論
  置き石理論とは、核心的な問いを投げるためのアプローチ方法である。急に核心的な問い(例えば「あなたの将来の夢は何ですか」など)を言われても参加者の心の準備が整っていないため答えることができない。しかし、
「日常を教えてください」→「子供のころの夢は」→「人生の分岐点はどこ」→「何のために生きるのか」
というように、徐々に参加者の核心に近づいていくことができれば、参加者も答えやすくなるのだ。
 2.概念について問い
  当たり前だと思っている言葉を改めて問い直すことは深い思考に結び付く。「〇〇はこういうものだ」という考えを多くの人とすり合わせていく。
 3.WHY
  素朴な疑問としての問い。無意識な部分に目を向けることができる。
 4.批判的視点の問い
  使う場面や言い方に注意が必要。冒頭からの「でも」は好ましくない。
  「もう一度説明してもらってもいいですか」というような声掛けに変えるとやわらかくなる。

3.立ち振る舞い
 "どんな場にしたいのか”で立ち振る舞いは変わる。”場”は大きく分けて三つある。
①受容環境=心理的安全性を保つための場
➁活性化環境=活発な議論や自己表現の場
③集中環境=自己内省や共感の場

①受容環境
 否定されない、拒絶されない、本音が言える。
 ・伝える・・・その場に答えがないこと、などを最初に伝える
 ・自己開示・・・ファシリテーターが心を開いた分だけ参加者も開く。ファシリテーターは完璧じゃなくていい。「緊張しています」「わくわくしています」など。
➁活性化環境
 参加者全員を活性化
 ・問いかける・・・どうすれば参加者が脳を最大限に使えるかを考えて問いを投げる。
 ・整える・・・参加者の答えを分かりやすく整理。要約、言い換えなど。
 ・手放す・・・十分に場が活性化したら、終わりまで主導権を手放す。
③集中環境
 難しい問いはストレスがかかる。参加者が問いに集中室図けられる環境を作ることが大切。
 ・問いかける・・・かみ砕いた問いや、おき石となる問いを投げかける。話の軸がずれやすいので、注意して修正を入れる。
 ・待つ・・・参加者の答えが出るまでの沈黙は考えていることが多い。気まずくても少し我慢。
受容環境が、すべての基盤であることを理解する。受容環境の上に活性化環境、集中環境が成り立っている。

4.シミュレーション
 5W1Hのシミュレーションを徹底する。
 最高のシミュレーションと最悪のシミュレーションをする。
 ワークショップの失敗の理由はシミュレーション不足

感想
置き石理論を初めて学んだ人たちは感動したのではないかと思う。ワークショップの実践だけでなく、普段の会話の中でも導入しやすいため扱いやすい武器になると思ったからだ。置き石理論の進め方はいろいろな方法がある。今→過去→将来という流れもあるし、対象を、自分から組織に向けていく流れもある。絶妙な距離を保つことが大切なのだ。コミュニケーション能力を上げたいと思っている人にほど、この理論を使うのをお勧めしたい。

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