
記号と構造 (哲学 占星術 相場チャート)
哲学は一体何から読めばいいのか。
フッサールという思想家の存在をまず知ってみよう。フッサールはちゃぶ台をひっくり返すようなことを言い始めた。「世界は一つではない」と。
そのフッサールが登場した20世紀初頭。
それ以後の思想界の流れを見ると、西洋哲学に対してクレームを入れるような人たちが多く出現している。そのクレーム内容に注目すれば、間接的に西洋哲学の全体像がわかるはずだ。これが私のおすすめする哲学への入門の仕方です。この話を先日のワークショップでさせていただきました。
そして。
哲学界は1960年代にレヴィ・ストロースという怪物を迎えることになります。レヴィ・ストロースは南米アマゾンのジャングルの中で未開民族と暮らしを共にした民族学者でした。
レヴィ・ストロースは文字も数字も持たない未開民族の論理でもって哲学界に論争を仕掛けてきました。(レヴィ・ストロースはフランス人)
そして。
哲学界は初めて気づくのです。
我々がやってた過去数千年の哲学の考察というのは…あくまで西洋ヨーロッパの中だけのものであったのだ、と。
想定もしていなかった、文字を持たない、数字を持たない、時間の概念すらもない「無文字社会」からやってきた敵。それがレヴィ・ストロースでした。
このレヴィ・ストロースとの論争は、もうお話にならないぐらいのワンサイドゲームとなりました。西洋哲学は彼との論争でボロ負けを喫してしまったのです。哲学界が一つのピリオドを打った瞬間でした。逆に言えば、ここで初めて哲学界はグローバル化したのです。ある意味、ここが本当のスタートでもあると思います。
このレヴィ・ストロースの存在を私が知ったのは29歳ぐらいだったと思います。心底、驚きました。それ以来、このレヴィ・ストロースに端を発した構造主義、構造哲学というものにのめり込みました。
話は変わって。
そんな私は34歳の時に相場チャートというものに出会いました。投資の世界。そこで見た株やドルの値動き。それを表す相場チャート。
普通なら、大統領の発言でドルが下がったとか、経済政策で株価の動向が変わったとかいう勉強をするのでしょう。しかし、私はそうはなりませんでした。
この世界は「記号」と「構造」しかない。
意味もなければ時間もない。
レヴィ・ストロースの思考法が身に染み付いていた私は相場チャートを記号の組み合わせの場所としか見なかったのです。
そして。
ロガーロさんという人が書いてるブログに出会いました。そのブログにはMACD、ADX、DMI、RSIなど相場の値動きをグラフ記号だけで分析する方法が記されていたのでした。
「自分が追うのはこの人しかいない!」
それ以来、相場チャートの勉強を記号的構造でもって研究する日々が続いてきました。
そのロガーロさんがkoko書房に来てくださってちょうど一年になります。ロガーロさんのおかげで私は占星術も見始めたのに、師匠はもう占星術はやってないそうです。
そして、その占星術も。
記号の組み合わせから意味を読み解くという、構造的にはまるで同じものであるのではないかと思うのです。
記号と構造
これからもこのテーマを念頭にあらゆることを考えていきたいと思います。
#koko書房
#三豊市
#古本屋
#レヴィストロース