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マキャヴェリを必ず読む人たち
1996年に「在ペルー日本大使公邸占拠事件」というのがありました。
ペルーにある日本大使館をテロリストたちが押し入り占拠。4ヶ月も人質をとって立て篭もったという事件でした。大きく報道されました。
あの時。
人質を放せ!というのにテロリストたちは最初は「イヤだ」と言って聞く耳を持ちませんでした。ところが、突如としてアメリカ人の人質だけがさっさと解放されたのです。
アメリカ軍の特殊部隊デルタフォースが来るらしい。
この噂が流れたと言われています。デルタフォースとは元々はグリーンベレーと呼ばれていました。どんな過酷な状況にあっても必ず敵を殺すミッションを果たすという超人的な戦闘能力を持つ軍人たち。それがデルタフォースです。シルベスタ・スタローンの「ランボー」という映画もあれは元グリーンベレーの兵隊という設定でした。むちゃくちゃ強い。
デルタフォースに入隊するには一体どのような人が入れるのか?
その試験内容というのを読んだことがあります。
読んでるだけで汗が出てきそうな、過酷に過酷を重ねる厳しい肉体的テスト。そこを高い点数でクリアした人間のみが最終テストに向かうのだそうです。そして、最終テストがまたすごい。
もう肉体的にも精神的にもかなり疲れている彼らに、最後は歩いての行軍を命じられるそうです。その距離は…ちょっと忘れましたが100kmぐらいはあったような。食料もほとんど持たずに重たい武器武装したまま行けと命じられ、時間内に辿り着かなかった奴は不合格。
その時間も教えてはくれないのだそうです。
時間切れにならないように歩き続け。食べもせず飲みもせず、ひたすらに最終地に向かう。もう燃やす脂肪がなくなって筋肉が燃焼し始める。
精も根も尽き果てて、時間内に辿り着いたわずかな人数。
しかし。
そこで最後の最後。本当の最終試験が行われるのだそうです。極限の精神状態の彼らに一冊の本が手渡されます。その本とは。
マキャベリの「君主論」なんだそうです。
肉体的疲労の限界の彼らはこのマキャベリの本を読み、司令官の質問に答えないといけない。それが最終テスト。そこできちんとした回答をしゃべれたものが合格。…なんだそうです。
この話を読んで。
言えることは一つです。
数百年前のマキャベリの書いた本は。
現代でも必須なのだと。
そういう無敵じみた本というのがこの世には存在します。
しかし、日本ではこのマキャベリもまた「読むやつは酷いやつ」みたいなレッテルがあります。
時代を超えていく書物。
そういうものに目を通していきたいものです。
マキャベリももちろん今後の読書会の候補。
#koko書房