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来年のワークショップは音楽

ブルーハーツやサニーデイサービスのバンドメンバーが今でも通うというCD・レコード屋の老舗、岡山市のキングビスケット・レコード。

私も21歳の時から通ってますので…キングビスケットさんでCD・レコードを購入させていただいてもう27年になります。実は昨日も行ってました。

キングビスケットさんは1940〜1970年代のジャズ、ソウル、ロック、ブルースしか置いていないという、徹頭徹尾、ルーツミュージックのお店です。

時代は変わり、時代は流れ。

世の中はヒップホップ、ハウス、EDM、もしくはアイドルの音楽しか見かけなくなりました。しかし、そんな時代の変化を物ともせず、1984年の創業当時からまったく変わることなく古き良きアメリカンミュージックしか販売しないというスタイル。頑固なその姿勢はすごいです。ここに行くと日常の喧騒を忘れさせてくれる魅力があります。

日本にサザンオールスターズという名前のグループがいますが、あのサザンとはアメリカ南部音楽のことです。アメリカ南部のソウルミュージックをサザンソウルと言ったり、南部のロックをサザンロックと言ったりしますがサザンとはつまりアメリカ合衆国の南部音楽を指しています。

矢沢永吉やブルーハーツのメンバーが愛してやまないローリングストーンズ。そのローリングストーンズはイギリスのグループですが、彼らもまたアメリカ南部音楽を愛した人たちでした。ローリングストーンズというバンド名も元はと言えば黒人ミュージシャンのマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)のLIKE A ROLLING STONEという曲名からつけられた名前です。muddy watersとは泥水の意味。これはアメリカ南部のことを指しています。

そのアメリカ南部にBooker T & THE MGsというグループがいました。無名のグループでしたが、そのメンバーが1960年代にイギリスにツアーに行った時、ビートルズのメンバーが空港までリムジンで迎えにきたという逸話が残っています。ビートルズもまた南部音楽を愛した人たちでした。

あまり、もう知られなくなりましたが。

アメリカ合衆国の南部音楽というのは。
とてつもない魅力を持っています。
ビートルズも。ローリングストーンズも。
矢沢永吉も。ブルーハーツも。
みんなこの南部音楽を愛して育ちました。

来年から、koko書房では、ポピュラー音楽の歴史の授業というのを行いたいと思います。

今、流れてる様々な音楽。

それらはいつ生まれて、どういう経緯で発展したか。その歴史をまるっきり最初から振り返ってみたいと思います。

話は1492年のコロンブスのアメリカ大陸発見にさかのぼります。アフリカから奴隷として黒人がアメリカ大陸に連れてこられたところからが話のスタートになります。そこから一体、何が、どんな風になって、ロックやジャズやレゲエやヒップホップになっていったか。

その歴史の流れを今一度紐解いてみたいと思います。

そして、それらポピュラー音楽の誕生と発展の歴史を知った時。

一体どれほど、アメリカ南部音楽が凄まじい影響力を持ったかが、きっとわかってもらえると思います。

例えばロックを最初に生み出したのはエルヴィス・プレスリーでした。プレスリーはアメリカ合衆国メンフィスの出身。つまり南部でした。

そのアメリカ南部から出てきたのが、あのジェームス・ブラウンという黒人でした。通称、JBと呼ばれます。500年前に奴隷としてアフリカから連れて来られた黒人はたちは元々は太鼓を持って生活をしていました。しかし、太鼓は白人に奪われてしまいましたので、アメリカの黒人音楽というのは太鼓無し、パーカッション無しの「歌もの」からその歴史をスタートさせています。これがいわゆるブルースやゴスペルなのですが、JBの登場から一変しました。

JBは大人数のリズム隊を構えて、激しいリズムビートを打ち鳴らしました。アメリカ合衆国の黒人たちが500年振りにパーカッションを思い出した瞬間でした。これがファンクと呼ばれました。

やがてニューヨークの貧民街の黒人少年たちがJBの音楽に乗って踊り始めます。それまでの黒人音楽は歌モノだったけどジェームス・ブラウンが歴史を変えました。踊れる黒人音楽が南部から生まれ、それが大都会ニューヨークへ。このリズムダンスがやがてヒップホップへとつながっていきます。

アメリカ南部にたくさんいた黒人たちは戦後の自動車産業の発展によって、北部の工業都市デトロイトへと移住するようになります。南部音楽は北部のデトロイトへと流入して行きました。北部の黒人音楽はもっと都会的になりオシャレにもなりました。この北部から出てきたのがスティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンでした。

とにかくポピュラー音楽って、アメリカ南部音楽がすべての始まりであり、その魅力のほとんどもここに詰まっていると言っても過言ではありません。

来年はそういわけで音楽の授業をやります。しかし、授業だけでなく、校外学習・修学旅行もやりたいと思います。

修学旅行の行き先は…他でもない、岡山市磨屋町のキングビスケット・レコードとしたいなと考えています。

#koko書房

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