理想の自分になれず、なりたくなかった存在になってしまった

結局終局、俺は人より多めに間違えて失敗してやらかしてしまう、そんな格好悪い人間だった

本当は有能で優良な奴だと思われたかったのに、無能で劣悪な奴だと、何よりこの自分自身が思ってしまう
過去を否定したくないと思っているのに、簡単に否定してしまう
誰かと自分を比べてもしょうがないのに、何回でも比べ続けてしまう

こう書き並べると、なんだかありがちな、俗も俗、大俗な姿なのも本当に辛い

こんな人間には、こんな人間にだけは、なりたくなかったのに………

俺は今まで、間違えて失敗してやらかす度に落ち込んでは屁理屈をこねくり回したり責任転嫁したり何かに縋ったり大嘘を吐いたりなんやらかんやらあーだこーだ言いもってなんとかかんとか平常心に持っていこうとしていたが、もう限界だとわかってしまった

とにもかくにも、もうなれなかった

二度となれないとはっきり自覚してしまった

自分で自分の理想を殺してしまった

気が付けば殺していた

こうすれば理想の自分に近付けるだろうと思ってやった結果が、これ

どうしようもなくミスを連発していて、けして正解を選ぶことができなかった

そもそも、何もわかっていなくて、正解どころか思考すらろくにできていなかった


俺はこの先これから将来ずっと、この『理想の自分になれず、なりたくなかった存在になってしまった』という事実を背負って生きていくと思うと、心が辛くて悲しい

だから…………………







中途半未満端(ちゅうとはんみまんたん)として、イキるしかないだろうが





理想の自分にはなれなかった

今の自分はかつて俺がこうはなりたくないと思っていた存在

ならば一旦、その理想を、その存在を、殴りつける

「理想なんかを抱いたせいで、こんな存在にはなりたくないと定めたせいで、苦しいじゃねえかバカタレが」と

そうしてようやく、何もわからなかった俺が初めて"理解をする"ことになる

「中途半未満端な感情を永遠に抱えることになったじゃねえか」と

理解したから、ここでやっと自分の回答が出せる

中途半未満端こそが、俺が唯一持続できるものであり「これだけは続けています」と見せびらかすもの

俺のアイデンティティーたりえるもの

本当はそんな誰も見向きしない恥ずかしいものが俺のアイデンティティーだなんて認めたくなかったけれど、ここまで追い込まれて苦しめられたら情けなく認めるしかない

中途半未満端こそが、俺だ

当然、こんなことを言って吹っ切れなんてしない

吹っ切れる姿こそが、俺の理想だったから

だから二度と俺は吹っ切れることができない

イキることしか、できない

いつかの意を切り、奇異な息ゴミ吐き散らかす


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