運ゲーに勝ってる

やはり俺はこの世で一番運が良い

なぜなら頭を使わずとも生きているからだ

人間、誰しも、なんやかんや考えて生きていると思うが、俺は全く、これっぽっちも思考をしたことがない

あるいは、思考をしたくない

めんどいから

だるいから

だから本能だけで生きてる

生きられている

恵まれているから

支えられていて、甘やかされているから

とどのつまり、世界一運が良いから

では、どのように運が良いのか

例えば、なんか怯えてたことがあったとする

○○をしなかったせいで怒られ、その後また○○をするかしないかの岐路に立ったとき、「俺は○○しとかんとまた怒られるよな……」と怯える

普通に病む

風呂入れんくなるぐらいには病む
やろうと思ってたこと全部やりたくなくなるぐらいには病む

こんな状況になったとき、この世で一番運が良い男である俺は、じきに助かる

○○をするかしないかの岐路自体が何事かによってぶっ壊れるのだ

○○をしなくていい状況になる、と言った方がわかりやすいか

物でも者でも、救世主が現れる

○○しなくていいよと伝えてくれる、救済主が

俺が○○しなくても、生きられるようにしてくれる

こういうの、普通の人間にはない

基本的にしんどい思いしながら自力で解決するか、解決できなくてボロボロになる

誰もきっと助けてくれない

助けてくれたとしても、それはそれまでに自分が死ぬほど頑張って辛い思いをしたから、まあ当然の報いと判断できる

が、俺はなんの苦しみもなく助かる

普通の人間なら死んでいたところで、俺は生きることができる

普通ではない、尋常ではない、幸運の幸福の持ち主だから

運だけで生きている

運だけに生かされている

頑張るということを、したくないと思い、実際しない男が、今日も生きてる

だから不幸な人間達には、さっさと幸せになってほしい

俺が迷惑をかけて不幸にさせる分以上に、幸せになってくれ

残念ながら――この表現は俺が思っていることではなく他人が思っていることであるが――、俺は他人に迷惑をかけて不幸にすることしかできない

最凶の悪たる存在だから、誰かを助けることが絶対できない

だから助かってくれ

それが最凶の悪の願い

迷惑かけてもいいよって言ってくれる、救世主になってくれ