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赤い鳥のガレット・デ・ロワを食べた話
ガレット・デ・ロワとは?
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ガレット・デ・ロワ(galette des rois)
1/6の公現祭にフランス全土で食べられる、お祝いの伝統菓子。
定番は紙製の王冠を乗せた、フェーヴがひとつ入った円形のパイ。
パイを切り分けて配り、フェーヴ入りが当たった人は王冠を被り、1日王様になれる。王様になった人はその1年、幸福が続くという。
公現祭とは、キリストの生誕を知った3人の賢者が東方から祝いに駆けつけ、「キリストが公に現れたことが知られた」日。
galette:円く薄いもの … フランスの郷土料理である料理や菓子の名称
rois:王たち …「ロワ・マージュ(rois mages)」= 東方の三賢者
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フェーヴ(fève)
陶器製の小さな人形。コインや指輪が使われることもある。
パイの中にはアーモンドを入れ、フェーヴはアーモンド入りを引き当てたあとに渡す方式も多い。
パイそのものにもアーモンドクリーム(フランジパーヌ)が使われる。
fèveとはフランス語で「空豆」のこと。
空豆は胎児の形に似ていることから、古来より命の象徴とされた。
これを食べてきたのです。どこでって?
COCOA Shop AKAI TORI
大阪・谷町六丁目駅からすぐのココア専門店。
聖書を入れるポケットのついたチャーチチェアが7つ並ぶ、止まり木のようなカウンターが素敵なお店です。
実は2019年にこちらのガレット・デ・ロワで、
フェーヴが当たったのです!
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フェーヴ代わりのアーモンドがまっぷたつ!
おみくじ感覚で注文したのですがまさかほんとに当たるとは。
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色とりどりのフェーヴの中から、オレンジ色のリンゴをお持ち帰り。
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お土産にチョコレート羊羹なるものもいただき。
このリンゴを持ち帰って1年間、そこはかとなくラッキーでした!
…というか、
たとえば雲行きが悪くなってきたときに「リンゴちゃん助けて!」と心の中で唱えていると、家に帰り着くギリギリまで雨が降らず、着いた瞬間どしゃぶり。とか。
そういうささやかなラッキーがあるたびに「ありがとうリンゴちゃん!」と感謝してみたり。とか。
こうした諸々を1年間、ふざけて「リンゴ教」と呼んでいました。
そういうことをしていると、「ちょっと不安だな」という局面にきても「私にはリンゴちゃんのご加護がある!」とポジティブに飛び込めたのです。
ジンクスやお守りってこういうことなんだな、あんまりどっぷり浸かっちゃ危ないけど、ほんの少し前向きになるための心の支えってあるんだなと実感しました。
きっかけは何だっていいんです。空豆ひとつぶぶんの勇気が出れば。
気になる2020年のフェーヴは……??
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当たりませんでした!
(´・▽・`)
しかし「今年はガレット・デ・ロワを注文したすべての方にフェーヴをプレゼント!」とのことで、アーモンドなしでも陶製フェーヴがもらえました。
濃厚アーモンドクリームのさくさくパイが食べられたので満足。
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ドリンクはホットココアの飲み比べ。
左手前からサントナ、ベトナム、ペルー産カカオを使用。
カカオ本来の酸味が強く、甘くない!むしろワインに似た印象。
真ん中のベトナムが一番酸っぱく、左のサントナが濃厚で一般的な「ココア」イメージに近く、右のペルーが淡く優しいかんじでした。
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お付き合いいただいた家人Aさんは冷たいショコラオランジュを。
目の前でオレンジを削ってふりかけてくれるのが楽しい。
オレンジジュースを入れてあるのかな?爽やかで美味しかったです。
氷の代わりに凍らせたココア?チョコレート?も入っていて、シャリシャリの食感が楽しい!と思った瞬間にはサッと溶ける。
不思議な飲み物でした〜
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2019年のリンゴ、2020年の汽船、
そしてAさんの「ポリー叔母さん」
(リオタールの「チョコレートを運ぶ娘」にも似ている…?)
AKAI TORI は1972年から半世紀近い歴史を持つお店。
心斎橋に店舗があった頃、2回だけうかがったことがあります。
児童文学雑誌「赤い鳥」にちなんだ店名のように、おもちゃ箱さながらの楽しい空間でしたが、谷町の大人な雰囲気も大好きです。
きっとまたうかがいます。
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あと、厄年(本厄)なので門戸厄神へお参りしました。
「そえごま」に願い事をふたつ書いて焼いてもらいます。みっつ許されるなら商売繁盛と書きたかったけれど、世界が平和ならなんとかなるだろう。
平和であれ。
2020年はいただいた魔除け札を作業部屋の入り口に飾りつつ、ときどきフェーヴを撫でながら祈ります。グローバル。
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