反比例
SLEは落ち着いている。医者は首を傾げた。
痛みが、取れないのだ。
もう、2年近くもそう。一向に痛みが取れない。
神経系の検査もした。髄液検査もした。
異常はなかった。
筋肉痛。全身が鉛のように重たい。
頭がフワフワする。思考がまとまらない。
骨のあちこちが痛い。頭がガンガンする。
よくなっているはずなのに、よくないのだ。
医者はたびたび圧痛点を押し、線維筋痛症ではないかという。
だが、明確に診断を下すわけではない。
わかってる、難しい病気だって。
診断が付きづらい病気だって。
でも辛いんだよ?痛いんだよ?
サインバルタもトラムセットも使えなくて。
リリカも少量じゃないと目眩が酷くなって。
治療がうまくできないこともわかってる。
せめて正確にこの症状に名前がつくのであれば。
こんな身体では働けない。
すぐに疲れてしまうし、痛みでサッと動くことができない。
怠けてるだけ、と心の奥底ではみんな思っているのだろう。
悔しくて、悲しくて。
誰にもわかってもらえないなら、せめてわたしだけはわたしのことをわかってあげたい。
もうがんばらなくてもいい。
こんなに痛みに耐えているのだから。
だから今日もわたしは、がんばらない。