「レムデシビル」の国際共同臨床試験に日本も3月には参加
新型コロナ治療薬で国際共同治験に参加 3種類が候補
日経さんの記事を主軸としてみていきたいと思います。
新型コロナウイルスによる肺炎(COVID-19)の治療薬3種類を中心に患者治験を行います。
・「レムデシビル」
・「アビガン」
・「カレトラ」(ロピナビルとリトナビル)
米国立衛生研究所(NIH)主導のエボラ出血熱の未承認薬「レムデシビル」の国際共同臨床試験(治験)に早ければ日本も3月にも参加します。
※「レムデシビル」と「カレトラ(ロピナビルとリトナビル)」については2月上旬に米国とタイでの臨床成果と懸念される点について以前noteに纏めたものがあります。宜しかったら参照下さいませ。
備蓄するインフルエンザ薬なども投与しているが、候補薬の全てで早急に効果を確認するには症例数が少ない。副作用があるため、投与する時期や対象者などの判断基準も求められる。
・米国のレムデシビルの投与の決定は患者の臨床状態の悪化に基づいて行われたと書かれており、そのレポートには無作為化比較対照試験の必要性が載っていました。
無作為化比較対照試験(randomized controlled trial: RCT)とは
予防・治療の効果を科学的に評価するための介入研究。
対象者を無作為に介入群(検診など、決められた方法での予防・治療を実施)と対照群(従来通りまたは何もしない)とに割り付け、その後の健康現象(罹患率・死亡率)を両群間で比較するもの。
ランダム割付比較試験とも呼ばれる。
日本語の用語は統一されていないので、Randomized Controlled Trialという英語を略したRCTという用語が使われることが多い。
国際共同臨床試験がどのような手段で行われるかよく知らないのですが、レポートの通りだとしたら、対照群も必要不可欠ですね。どこまで治験が進んでいるかにもよるのでしょうが、現時点ではどこまで治験は進んでいるのでしょう?
政府が参加するのはエボラ出血熱の治療薬「レムデシビル」の国際共同治験だ。NIHが世界50カ所で対象者400人程度を想定しているものに早ければ3月から加わる見込みだ。日本では並行して、観察研究*としての投与も始める。
【観察研究と介入研究について】*
【観察研究と介入研究について】昭和大学さんのHPより抜粋
臨床研究は大別すると
「観察研究」(Observational Study)と
「介入研究(臨床試験)」(Intervention Study)があります。
・「観察研究」は、研究者の積極的な介入を伴わず、対象者の日常的な行動を調査する研究です。
・「介入研究」は、研究者が対象集団を2つ以上のグループに分け、それぞれ異なる治療法や予防法等に関して、介入を行う研究です。
医薬品あるいは医療機器の製造承認を得るための「治験」は介入研究(臨床試験)の1つです。
(レムデシビル)
中国でも臨床試験が進んでいる。
中国の武漢ウイルス学研究所は細胞実験で、新型ウイルスの増殖を抑える効果を確認したという。
世界保健機関(WHO)も「現時点で本当に治療効果があるとみられる唯一の薬」と期待を寄せる。
○「国立医療研究センター中心の研究班が、治療薬候補の検証を進めます」
レムデシビル(抗エボラウイルス薬)とともに注目するのが、抗インフルエンザ薬「アビガン」と抗エイズウイルス(HIV)薬「カレトラ」だ。国内でも患者への投与を始めた。
「アビガン」とは
・抗インフルエンザ薬(有効成分:「ファビピラビル」)
・富士フィルム富山化学
(特許ライセンス契約を中国大手製薬会社 浙江海正薬業股份有限公司と締結/6/22)
・動物実験では催奇形
(妊婦さんや妊娠の疑いのある女性は投与禁忌。産婦・授乳婦は授乳中止)
・アビガンはすでに備蓄がある。政府は新型インフルエンザの流行を想定し約200万人分を蓄えており、患者が増えた場合に対応しやすい強みがあります。
カレトラについて
カレトラはHIV治療で長く使われており、安全性は高い。だが中国上海公衆衛生臨床センターがまとめた最新の臨床データでは、新型肺炎の患者に投与しても、回復を早める効果が確認できなかった。
その他の治療薬について
高マラリヤ薬と、血清(COVID-19から回復した患者の血中の抗体を投与)療法で効果を確認したという報告があります。(中国)
どちらも日本では現状では使用できないようです。
中国の2件の成果を日本で試すには支障あり
抗マラリア薬は1974年に副作用の問題で製造中止になった。
血清療法は血液から異物を完全に除去することや量産が難しい。
血清療法が専門の聖路加国際病院救急部の一二三亨副医長は「既存の抗ウイルス薬などと比べ、治療法として試す優先順位は低い」と指摘する。
新薬についての留意点
基本的に新薬は、臨床試験を経て効果や安全性を確かめてからしか多くの人には使えない。
現状では試験的に限られた患者に使っているだけだ。
国内の患者数は限られ、多くの候補薬は試せない。
症例数を増やして開発速度を高めるためにも国際共同治験が必要だ。
未認証薬投与に関して専門家の分かれる意見
千里金蘭大学の白木公康副学長は「命を救うため肺炎を確認したらすぐに薬剤投与を判断すべきだ」と強調する。
だが大阪市立総合医療センターの白野倫徳医長は「多くの患者で安全性や効果を確認し論文として発表されるまで、軽症者に未承認薬を投与するのは考えにくい」と話すなど、専門家の意見も分かれる。
課題
50代以上の患者や、慢性の肺疾患などの持病を持つ人など重症化しやすい患者の傾向は分かっているが、詳細は不明だ。
患者ごとの重症化リスクを精緻に評価する技術が求められる。
耐性ウイルスの出現にも警戒が必要だ。白木副学長は「2~3剤組み合わせて使うことも検討すべきだ」と指摘する。
治験が進むことにより、SARS-CoV-2、COVID-19の効果的な根治方法や特徴が次第に鮮明に見えてくる事を期待します。
*****************************************************************************
以前ACE2の記事を複数書きましたが、ネット上を流れたCOVID-19の特徴とACE2受容体に関して整合性妥当性を考えたとき、とある仮説が浮かんできます。素人考えなので、果たしてnoteに書いて公開して良いものなのか、迷ってしまいます。
こういった時皆様はどうされるのでしょう?