初春の利尻島に旅行に行った
はじめに
2024年の2月のこと。3月後半に2週間程度の北海道旅行を計画していた自分は利尻島に滞在することを念頭において旅程を練っていたが、雪のある時期の利尻島観光について僅かにしか情報がなかったためここに記そうと思う。
2024年9月
出発前
交通手段の確保
まず利尻島への交通手段の説明から。利尻は島であるからには道路や鉄路はつながっておらず、飛行機か船を使うのがマストである。
私が訪れた3月の場合、空路では利尻空港-丘珠空港線が1日一往復、海路では利尻(鴛泊)-稚内が1日2往復あり、うちどれかを使うのが一般的なルートだろう(おそらくこの時期はクルーズ船の寄港はない)。
ちょうど旅行の計画をしていた時にJALのセールの話が耳に入ったのでHACの丘珠-利尻線を8000円程度で入手。それに合わせて丘珠空港はまでどうやっていくかだが、同年の1月に新規就航したトキエアを使うことにした。新潟-丘珠線が7000円弱で予約できた。通常期の羽田-新千歳線くらいの値段で新潟-利尻までの航空券を確保することができた。
ホテルの確保
利尻観光のオンシーズンは例年六月かららしく、ほとんどのホテルは冬〜春の期間は休業しており予約ができない状態であった。そんな中、予算の範囲内で唯一見つかった、利尻町営のホテル利尻に宿泊することとなった。
出発後
利尻島にたどり着くまで
新潟空港に行くまでの手段は割愛。信越観光もしたかったので新潟で一泊し、翌朝のトキエアのフライトで札幌の丘珠空港へ。
そこからHACの利尻線に乗り継ぎ、利尻空港に着いた。
利尻空港についたらホテル利尻の送迎の方がいたので声をかけてワンボックスでホテルに送ってもらった。本当に助かる。
利尻到着後
既に午後の3時ごろだったと思うので、夕飯を食べに。その日は沓形の町の食堂でご飯をいただくことにした。歩いてすぐのところにセイコーマートがあったのでそこのホットシェフもまた良い。
ホテル利尻には町営の浴場が併設されていて、それがとても良かった。原泉そのままのぬるめの浴槽と加熱された浴槽が用意されていて、黄土色に濁ったお湯(決して泥水ではなく、水に含まれる鉄の色)が大地を感じさせる。かなりおすすめ。
少なくとも私が滞在していた期間は屋上に入ることができた。気持ちが良い。サムネイルは屋上から撮影した写真。
二日目
本来であれば、その日はバスを使って島を回る予定だったがそれは変更。なぜなら雪が深く利尻富士から吹きおろす風が突き刺すように寒い。初春ならいくら利尻でもある程度行動はできるだろと思っていたがそれは間違いだった。(これを伝えたくてこの記事を書いている)
とりあえず宿の周りを散策しようと思って、沓形岬公園に行ってみることにした。夏はキャンプ場があってキャンプができるらしい。沓形岬に行ったはいいものの、とにかく天気が変わるのが早い。晴れていたと思っていたら北に真っ黒い雲が見え、数分経てばあたりは吹雪はじめ雪に慣れてない私は「もしかして宿から百数メートルのここで私は遭難するのか?!?!」と思った。まぁ遭難はしないにしてもホワイトアウトってこんな感じで起きるのかなと思った。
その後は晴れてきたのでミルピスという利尻島でしか販売されていない乳酸菌飲料があるというのでそれを飲みに行くとした。
鴛泊方面へ向かうバスに揺られて数分でミルピスが販売されるお店の近くの停留所に到着した。バスには自分含めて二人しか乗っていなかった。通学時間帯にはそれなりに人は乗っているのだろうけれども、これだけ沓形地区の交通は寂しいものなのかと思った。それでも一日4便ずつ山手線スタイルで運行が続けられているだけありがたいことだと思う。旅行客はバスを使って〜〜!!!
ミルピスを販売するお店にバスで向かった。お店とはちょっと離れている新湊集落のバス停で降ろしてもらった。新湊はサツドラや郵便局があり、島内では5番目程度の規模の集落だろうか。
ミルピスを販売するお店に入ろうとしたが、まだオフシーズンだし外は雪だからか鍵は閉まっており、入ろうとしている私に気がつきミルピスを製造しているであろうおばあちゃんが開けてくれた。上の写真がミルピス、苦めのカルピスって感じ。なんでこの土地で乳酸菌飲料を作り始めたのか、そもそも種菌はなんなのか、気になることはいっぱいあったが、教師や医師が足りないという社会問題を私に提起され怖くなちゃった。
逆回りのバスが来るまで一時間程度時間があったため新湊集落を探索した。
そんなこんなで逆回りのバスに乗り沓形へまた向かった。ちなみにそのバスには往路のバスにも乗っていた方がまた乗っていた。
沓形ではまつや食堂でラーメンを食べた。おいしい。おそらくメインの客層は漁師さんだろう。
午後は仙法師地区にある利尻町立博物館に向かうことにした。
午後のバスに揺られ、冬の日本海を眺めながら20分くらい。仙法師地区に着いた。はちゃめちゃに寒い。沓形とは比べ物にならないほど寒い。東京産まれの私が今まで経験したことのない寒さだった。突き刺すように寒い。刃物のように体に刺さる。
ちなみに仙法師地区のバスは道道ではなく海沿いのより家が密集している道を走る。この情報がなくてどこで待てばいいのかなかなか実際に乗るまではわからないで不安だったが、とりあえずバス停があるところにバスは来るとだけ覚えていればなんとかなる。集落の中であればそれなりに短い周期でバス停がある。
博物館にやってきた。博物館には暖房がなくとても寒い。(外よりは暖かい)だけど人は優しい。
島の歴史、特にニシン漁についての展示が多かった。おもしろい。
その後は次のバスで沓形の街に戻った。
夕食は確かセコマのホットシェフだっただろうか。もうオフシーズンでもやっている食堂は行き尽くしてしまったり定休日だったりラーメン博物館にもあるあのお店は臨時休業だったりで、セコマくらいしかあったかいご飯が食べれる場所がなかった。
三日目
この日の午前の船で鴛泊から稚内へ向かった。さびしい。ほんとに寂しかった。ここ数年間、夢にまで見た高緯度地域の離島への渡航だったため、もっともっと滞在したかったが予算の兼ね合いで二泊三日となってしまったのが悔やまれる。利尻島特有の匂い(火山島だからなのか海の真上にあるからなのかわからないが確かにある)が恋しい。
ホテルの送迎の方が鴛泊港まで送ってくださった。一人のために申し訳ない。
フェリーターミナルは最近に立て替えられたようでとても綺麗。この時期だったからだろうか、お土産屋はやっていなかった。稚内のフェリーターミナルのお土産屋はやっていたのでそこで買うと良い。
フェリーは思いのほか外国の方の利用が多かったように感じた。日本人旅行客はあまり見当たらず、外国人旅行客か島民かビジネスマンだったと記憶している。お見送りの人がかなり多かった。沓形で外国の方はほとんど見なかったのに、鴛泊に滞在していたのかと考えた。
利尻-稚内航路だが、これがかーーーーなり揺れる。いつも揺れるらしい。つらい。
途中で樺太が見えたり。
かなり楽しい船旅だった。
稚内ではサフィールホテルに宿泊した。港から歩いてすぐそうだったから予約したのであったが、実際は1キロ弱離れており、道の状況も悪くベタついた雪が多かったため、キャリーケースで旅行する方々は気をつけてほしい。タクシーを使えばよかったと後悔しながら歩いた。ほんとに。その価値はあるくらいに辛い道だった。
おわりに
初春の利尻に滞在したという情報は少なく、どのような環境なのかわからなくて苦労したことも多かったので、ここに書き残した。これを参考に冬の利尻を楽しんでいただけるとうれしい。
ブログを書くということが初めてのため、文章の拙いところもあると思うがお許しください。そして何よりここまで読んでくれてありがとう。また、旅の画像が見つかり次第更新していく予定。