見出し画像

父親が子育てに与える影響などを研究してみることにしました。

父親が子育てに与える影響とは?

「パパの子育てから、家族に笑顔を」をモットーに、子育て応援ブランド「papakoso(パパコソ)」を立ち上げ、主に父親の子育てを入り口に、夫婦での子育ての共有や、家族の笑顔につながる商品を企画・開発しています。

「パパ&ママ140人と考えた理想のパパバッグ」やパパ専用抱っこひも「papa-dakko」はキッズデザイン賞を受賞し、そのことがきっかけで日本子育て学会とご縁ができ、2019年頃から⼦どもの発達や⽀援に関する基本的な知識や、⼦育てあるいは⼦育てに悩む方のサポートをするための基本的な知識を学んだりしています。

父親向けの抱っこひもなどを企画していることもあり、最近は父親向けのイベントや抱っこ講座の依頼を受けることもしばしば。
より正しい知識をもとに情報を発信しなければと、学会の先生に相談をしているうちに、せっかく学会に参加しているんだからと父親の子育てに関する研究をスタートすることになりました。

この歳になってあらためて新しいことを学ぶ機会をいただき、ワクワクです。

多様化する家族の在り方

男女共同参画が進む中、2020年には共働き世帯は1240万世帯となり、専業主婦世帯(571万世帯)の2倍以上と増え続けています。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方はもはや過去のものとなり、「母親がやるべきこと」「父親がやるべきこと」など過去の常識の中で今の時代に合わないものも増えてきていると思います。

とは言え、例えば保育園に預けた子どもが急に体調不良になった時、やはり圧倒的にママが迎えに行くことが多いとか。
男性の家事育児について、感覚的なものや思想的なものは大きく広がっていると思いますが、まだまだ実態はそぐわないというか、現実とのギャップはまだ大きいように感じます。

非伝統的家庭とは

父親に関する研究では、発達心理学の博士であるマイケル・ラム編著の「非伝統的家庭の子育て―伝統的家庭との比較研究」というものがあります。

この本の冒頭で「理想的な家庭」には家族の面倒みや家事を専業とする母親と一家の稼ぎ手である父親がいる、とあり、このような家庭がこれまでのスタンダード、いわゆる「伝統的家庭」とされていました。
つまり、これに当てはまらない家庭が「非伝統的家庭」であり、例えば共働きだったり、男性が家事を主に担う主夫のケースなど。
今は共働きが過半数以上を占めるのであれば、過去の非伝統的がスタンダードとなっているわけで、時代は変化しているなぁと思うわけです。

もちろん、当時は「主夫」は稀な存在で、男性が働きに出ていない場合は、例えばヒモだったり、働けるけど働かないような、なんとなくすごくネガティブなパターンが想定され、父親研究の対象となるサンプルにはなり得なかったんだろうと思います。

でも今なら。
当時は少なかった「父親の子育て」も、今では研究するのに十分なサンプル数があるはずです。

父親だって抱っこします。

先日、papakosoのパパ用抱っこひもやパパバッグを抱っこの専門家の皆様に紹介する機会がありました。
抱っこの専門家の皆様は全員女性でしたが、講習会の後いただいたメッセージには、男性視点の抱っこにもいろいろと気付きがあったようです。
例えば、産後間もない頃は特に、心身ともに負担の多いママではなくパパが抱っこすることは理にかなっているとか、男性が抱っこする場合は女性が抱っこする場合と比べて、道具に求める機能や、注意する点も異なるなどなど。
もちろん、私たちにもたくさんの気付きがありました。

子どもがいる家庭において、今では父親も多く抱っこするはずですが、男性が使うことを前提にメンズサイズでデザインしている抱っこひもは、私が知る限りは相変わらず当社が唯一のようですし、抱っこの専門家の中に男性がいないのもちょっとした発見でした。

母親の抱っこと父親の抱っこの違いとは?

これまでは、母親の抱っこは情緒を安定させ、父親の抱っこは社会性を高める、というように言われることもありましたが、これは母親と父親の違いというよりは、抱っこするシチュエーションによってそういう結果になっていたのではと思います。

母親は授乳時に優しく抱っこする場合が多くて、父親は高い高いなど遊びの中で抱っこすることが多いなど。
経験から、父親でも優しく抱っこする機会が多ければ子どもの情緒を安定させることができるのでは?と思うし、母親でもくすぐり遊びなどを通じたスキンシップで子どもの社会性を高めることができるんじゃないかと思います。

出産前におなかの中ですでに愛着関係を育む母親と、出産後に子どもと接する父親には、子どもとの関係において大きな違いがあるとは思っています。

何をやってもママにはかなわないことが多いです。
でも、父親が母性をもって子育てをすることで母親の負担を大きく減らすことはできたり、子どもとの愛着関係を育んでいけるんだろうと思ったりします。
そんなことも含めていろいろな研究をしてみたいです。

アンケートなども行うと思うので、ご協力いただけるととても助かります!

研究結果のフィードバッグ

研究結果は自社の製品開発にも生かせると思います。
世の中で負担に感じていること、不便に感じていること、家族が求めていることなどをヒントに社会に役立つ製品も開発していきますのでご期待ください。
単に便利なものではなく、子育ての負担を軽減しつつ、スキンシップが増えたり親子の絆が深まるようなプロダクトを作っていきたいです。

今後はnoteでもちょくちょく過去の父親研究やこれから進める研究の進捗などを共有できればと思います。

いいなと思ったら応援しよう!