カードゲーム開発者の人生を変えた「完璧な1枚」との出会い
ちょうど1年前。
とあるカードゲーム開発者の前に、
とてつもなくデカくて分厚い壁が立ち塞がった。
見上げれば首が痛くなるような。
全体重で押してもビクともしないような。
そんな壁を目の前にして、思わず、こんな言葉が零れ落ちた。
「う~ん、仕事辞めよ」
これは、とあるカードゲーム開発者が、
Youtuberを目指すまでの軌跡である。
好きこそ物の上手なれ
よく「好きこそ物の上手なれ」と言うが、あれは大マジだと思う。
大学時代、時間だけ無限にある最悪のタイミングで、僕はカードゲームにハマってしまった。
皆がきゃぴきゃぴと華やかな青春を謳歌する中、カードショップで小学生と「ガイギンガ強すぎるw」とぎゃあぎゃあ騒ぐ僕。
そんな僕は、卒業単位ギリギリまで授業を削ってカードをする、模範的なカードゲーマーであり、
レールから外れた落ちこぼれ大学生でもあった。
大型大会の前は、躊躇なく授業を切り捨て、
大学の研究室には、資料よりも高くカードの束を積み、
「卒論でカードゲームの研究をしたい」と真面目な顔で教授に相談し、台パンをさせたこともある。
ただひたすらに、カードゲームが大好きだった。
「将来は学校の先生もいいな〜」と夢見た時期もあったが、気づいたらどこかに消えていた。
まだ見ぬ教え子よりも、目先のドローが重要だった。
ただ、そんなカードゲーム大好き少年も就職からは逃げられない。
無い頭をフル回転させた結果、
「カード業界で働いてみたい!」と思った。
なんて単純な思考。
さすがは模範的カードゲーマーだ。
カード業界で働きたいと思ったものの、
何をすればいいか、全くわからない。
そこで「まずは経験だ!」と意気込み、
カード開発のインターンに参加したり、
対戦動画を撮ったり、
カードショップでバイトしたり、
試行錯誤の末、在学中にお世話になったカード系の中小企業に就職した。
決め手は
「うちならカード作れるよ?」
という社長の一声。
迷わず飛びついた。
模範的カードゲーマーは、ループ証明とこういう時の判断だけは早いのだ。
こうして、僕は憧れのカードゲーム業界の一員となった。
その会社で、しばらくカード開発に携わった。
ゲームのルールを考えるところからスタートし、能力の調整や発案、
実際にお店に出向いて市場調査なども行った。
こうして経験を積んでいき……
「もっとでけえところでカード作りたいなぁ~」
と、生意気にも大手企業に転職。
大学時代や前職の知識が活き、
転職後1年で開発チームのリーダーを任せてもらえた。
まさに「好きこそ物の上手なれ」だと思った。
「カードが好きだから、何だってできる」
勇者の剣を持っている気分だった。
あの壁が立ち塞がるまでは……。
DARK MATERIAL COMPLEX
ちょうど1年前のことだ。
デュエルマスターズから「とあるカード」が発表された。
「DARK MATERIAL COMPLEX」
通称「コンプ」
今をときめく、現代デュエマ最強カード。
ユニークさと強さを併せ持った、この完璧な1枚と出会い、
ただ、ひたすらに
「負けた」
そう思った。
カードゲーム開発者として、経験も知識も積んだ。
何だってできる。そう思っていた。
そんな自信は、この1枚を前にして脆くも崩れ去った。
【次号】カードゲーム開発者の人生を変えた「完璧な1枚」との出会い②
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