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2008 愛情と復讐の多層型ミステリー(流星の絆)
はじめに
今回紹介する作品は『流星の絆』(2008)というドラマです。最初は「へー、ニノが出るんだ。」という意識でしたが、見ていくにつれてどんどん心惹かれたドラマでした。そして、現在も『フェルマーの料理』『アンナチュラル』など今でも名作ドラマを作っている金曜ドラマの一つでもあります。
1.特徴的なキャラクター設定
本作で最も驚くべき設定と言えるのは「主人公が詐欺師」だったことです。
ニノ演じる有明功一はこっそり詐欺師をして生活をしている設定でした。これだけだと印象が死ぬほど悪いですが、回を重ねていくにつれて人を騙すことを稼業とした理由、そしてその結末に、だんだんと愛着を覚えるようになりました。そりゃあ、親を○害された挙句、社員なのに自殺した社長の補償をさせられたら、性格歪むよ……。でも、最終回あたりで『俺だけが出頭する』と責任を取って弟妹を守ろうとしているあたりがカッコいいので好きになりました。
ただ、意外と好感度が一番高いキャラは主人公かと言われれば、違います。それは、要潤さん演じる「戸神行成」さんでした。その理由は、同情スタートだったため好感度がたいして低くなかったこと、そして最後の最後でお坊ちゃんという側面を脱ぎ捨てて一人の男前の男性という側面を見せてもらったからです。つまり「かわいそう…」と思っていたのに、「何この人カッコよすぎませんか?」と涙を流すようなキャラクターに変身したところがとことんよかったです。最後に、今まで交際していた主人公功一の妹、静奈に今まで騙されていたことを打ち明けられたときに「それでも女性として愛している」と言い切れるなんて、カッコよすぎる、確かにこれは経営者の器だ、と感動を覚えました。一時は「もしかしたら、この人ハヤシライスのパクリを……」と疑っていたことが恥ずかしいくらいでした。
主役も脇役もどちらも星のように輝くドラマ、それが『流星の絆』の魅力の一つでした。
2.多層構造のミステリー
正直、見てほしいので短く語ります。このミステリー作品はとにかく謎が生まれて解き明かされる流れを1年間で3回は繰り返す内容になっています。そして、その繰り返しの中で真実が解き明かされるため行き当たりばったり感もなく、個人的にはこの冬見てほしいドラマNo.1だと思いました。
たとえば、「なぜ両親は殺されたのか」「なぜ両親の料理と同じ味の料理を別人が出せているのか」「そして、両親を殺害したのは誰なのか」の3つが主な謎になっています。それについてはぜひ内容を視聴して確認してみてください。疑わしい人物が何人か存在するので、見ていて毎回躍動感が止まらない面白い出来になっていますよ。
しかも、意外な展開と伏線もしっかりしているので、別の意味で驚かされることが多かったので、ミステリー展開もかなり充実していました。
まとめ
『流星の絆』は文字通り「感動ミステリードラマ」と形容されるにふさわしい名作ドラマでした。キャラクターが魅力的なだけでなく、内容のミステリーの充実感もあるので、まとめて見るのではなくドラマの放送に合わせた週1回で見るのが一番良い気がします。1週間に1回、1話だけ見て、翌週のお楽しみに取っておくと、ほどよい緊張感と楽しみで1週間を過ごせるのでおススメです。
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