国家資格キャリアコンサルタント【育休中に一発合格した私が教える、ひとりでできる論述対策】
論述対策にかけた期間は約1ヶ月半、書いた論述は33回、勉強会参加はゼロ。育休中でも一発合格。
資格を目指したきっかけ、妊娠中の養成講座受講、育休中の一発合格まで。わたしの国家資格キャリアコンサルタントの合格ストーリーは、こちら。
✳︎下記は特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会の論述試験について書いています。(2018年末に受験)
1.論述は机上のカウンセリング
カウンセリングの正解がひとつでないのと同じで、論述試験も正解ばかりを求めないことが大事です。
わたしは育休中で外出が困難だったので、独学のような勉強方法になりましたが、個人的には論述対策に1番良いのは、カウンセリングの練習を重ねることだと思っています。対面のカウンセリングを文字に起こしたものが論述だからです。
2.勉強した時期と時間の確保
論述対策は、学科試験の過去問が90%以上取れるようになってから始めたので、試験の1ヶ月半前くらいから始めました。
本来であれば、論述対策講座に通いたかったのですが、子どもがまだ歩けもしない0歳児だったので外出が難しく、自分で勉強するしかありませんでした。そして、子育て中にどう勉強時間を作り出すかも課題でした。そして編み出したのはこのやり方。
夜、子どもが寝たら、過去問の学科試験をひとつ解き、その後40分で1本論述問題を解く。翌日、抱っこ紐の中で子どもが寝ている間に、前日書いた論述を自分で添削。
✳︎ポイント①40分、時間がきたら終わり。毎回本番並みの緊張感を持って解きます。練習で40分以内に書けなかったら、本番で50分以内に書ききることは難しいです。分からなくてもどうにか書ききる!これが大事です。
✳︎ポイント②解いた当日には添削はしません。集中力を高めるためにも「40分で書く!解いたらおしまい!」これは厳守していました。翌日の方が新たな視点で添削や見立てができます。
0歳児を子育てしながらなので、体力的にも毎日は勉強できません。子育てにしわ寄せがくるような勉強方法は避け、できない日、しんどい日はスパッと諦めました。
大変そうと思われるかもしれませんが、わたしにとって育休中の国家資格取得という目標は、ある種の精神安定剤でした。
知り合いのいない土地で、起きている時間のほとんどを0歳児と過ごすことは、想像以上に大変でした。その中で、時間をつくって自分のために勉強することは、大きな気分転換であり、癒しでした。
また、わたしが子育てをしながら勉強していることを知っている養成講習仲間からたくさんエールをもらい、それも大きなモチベーションになりました。講習仲間には、本当に感謝しています。
3.書いた論述33回
題材は、養成講習受講時に解いたもの、テキストの最後に載っていた数問、そして過去問です。
①答えのある題材
まずは答えのあるものから、解きます。解き終わったら答えを見て、数日後もう一度解きます。
一度答えを見てしまうと、その通りに書きたくなり、答えを思い出せないと思考が固まってしまいます。
答えはあくまでもひとつの見立てとして捉え、他の見立てができないか探しましょう。
答えを丸写しして書き方を覚えるやり方はオススメしません。クライエントをパターン化することに繋がり、キャリアコンサルタントの本分から外れてしまうからです。
〈キャリアコンサルタントの行動原則〉2.相談者の「自分らしさ」の追求と、問題解決の支援を行う
②答えのない題材
わたしは、答えのない題材(過去問)を解く方が勉強になりました。
解く→自分で添削する→もう一度解く→自分で添削する→前回書いた論述と見比べてみる(…繰り返し)
①と同じで、一度書いた論述をもう一度解く場合、必ず前回とは違う見立てをすることを心がけます。前回と同じ見立てしかできない場合は、勉強不足です。テキストや養成講習の資料から、他の見立てができないか探します。
この作業をすることで、自分の中の引き出しが増え、自分の苦手なクライエントや苦手な展開も見えてくるので対策が練りやすいです。
2回目以降の添削では、前に自分が書いたものも読み直します。ほとんどのケースで、前に書いたものに前回見つからなかった改善点が見つかります。添削したものをさらに添削することで、知識が深まります。
自分の書いた論述が不安な場合は、誰かに見てもらうようにしましょう。わたしは自信がないものは、講習仲間に見てもらってアドバイスをもらうようにしました。
〈キャリアコンサルタントの行動原則〉5.客観的な評価を行い、適切な指導を受けることによって活動の質を高める
4.自己添削【1】キャリア理論で考える
クライエントの状況をキャリア理論的に考えてみます。
クライエントが人生におけるどんな「転機」にいるのか、どんな「阻害要因」によって悩みを抱いているのか、そしてどんな情報やアセスメントが好ましいか、テキストや養成講習の資料を元に、探してみます。
この作業をすることで、知識が広がることはもちろん、学科試験対策にも繋がります。
5.自己添削【2】ストーリーを確認
必ずチェックしたいのは、ストーリー性。「CC視点の問題点」「提案」「働きかけ」この3つがストーリーとして成立しているかということ。
①「見立てた問題点」が「提案」で解決できるのか。
②「提案」した理由やその詳細が「働きかけ」で説明されているか。
③「見立てた問題」と「提案・働きかけ」がQ&Aのようにマッチングされているか。
6.自己添削【3】傾聴の姿勢と言葉遣い
「傾聴の姿勢が感じられるか」当たり前ですが、これが一番大事です。
CCの決め付けで話が進んでいないか、クライエントに方策を一方的に言い渡すような書き方になっていないか、第三者が読んでも傾聴していると読み取れる内容になっているか。しっかり見直しましょう。
①カウンセリングの基本、「関係構築を築きながらすすめる」ことが分かる言葉が入っているか。
②方策の提案をする場合、クライエントに「理由や効果」をきちんと説明し「クライエントの了解を得てすすめる」ことを記しているか。
③クライエントについて書く際は「言い切り」ではなく、「可能性がある」「思われる」など慎重に表現し、CCの見立てが「決めつけでない」ことを読み手に分かるように書けているか。
〈キャリアコンサルタントの行動原則〉4.自己の経験や自説にこだわることなく、相談者の視点に立って活動する
7.書き方のコツ
たくさん注意すべきことはありますが、これだけは!の3つをお教えします。
①「CC視点の問題点」は、自分の得意な方策を思い描きながら書く。
「問題点」は様々な見立てができますが、それぞれを「方策までイメージし、自分が書きやすいもの」を選ぶことが大事です。
例:「〇〇による自己理解不足→アセスメント、ジョブカードの作成…など」「〇〇による中長期的なキャリア視点の欠如→ライフプランの作成、社内のキャリア情報を得る…など」
見立てをした時、それをどのように「働きかけ」ていくのか(ストーリーを展開させるのか)まで考え、キーワード(上記太字部分)を余白に書いておきます。キーワードが思い浮かばない「CC視点の問題点」は書かない!これがポイントです。
「CC視点の問題点」を書いた時点で、あらかた論述を書ききることができるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
論述試験は時間との勝負です。一度書いたものを消して書き直すことほど辛いことはありません。だからこそ「CC視点の問題点」が重要なのです。
②文字はぎゅうぎゅうに書かない。
書き直すことは避けたいのですが、正直やはり見直した時に、「あーっ!これ入れ忘れた!ここ書き直したい!」ということが起こります。
その時に全てを消して書き直すのを避けるため、文字は小さくぎゅうぎゅうに書くのではなく、心持ち少し大きめの字で書くことをおすすめします。
なお、誤字脱字はしっかりチェックしましょう。もし漢字に不安があるなら、平仮名で書くようにしましょう。
③書き始めと結びはいくつかパターン化する
「働きかけ」については、書き始めと結びをいくつか自分なりの決め台詞として作っておきます。
それをベースに、クライエントに合わせてアレンジするようにしておくと安心です。あえてこちらに例は書きませんが、ポイントは「関係構築」です。
書き始めと結びがある程度決まっていて、①でストーリーがおおよそ決まっていれば、鉛筆が止まることはほぼありません。
8.最後に
「論述試験の勉強は試験対策のために行う」というより、試験に合格しても継続して行うべきだと感じています。
特に、わたしは今の仕事では全く人事に関わる仕事はしておらず、カウンセリングを行う機会もありません。
そのような環境の中で、国家資格キャリアコンサルタントの能力や知識を失わないためにも、自分で学び続けることが大事だと思っています。
こちらに書いた勉強法は、合格後も気軽に自己研磨するツールとして使って頂ければ嬉しいです。
〈キャリアコンサルタントの行動原則〉1.キャリアコンサルタルティングの本質を理解し、自己研磨を行い、活動する
行動原則の出典:キャリアコンサルタント行動憲章
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