『広告マン × 中小企業診断士 × 地方公務員』の起業
起業支援に取り組む中小企業診断士の集まり『スタラボ』
今月の座談会は『広告マン × 中小企業診断士 × 地方公務員』の3つのキャリアで活躍される 仲田俊一さまにご登壇いただきました。
テーマは「中小企業診断士として、独立して6年!はじめての受注から安定するまで」です。
今回は、ご自身の中小企業診断士としての開業(起業)がテーマ。
仲田さんと話すと感じる「いつも仕事が楽しそう」という理由が、ちょっとわかった気がしました。
仕事への哲学や想いも詰まった1時間。これから独立を考える診断士の方々にとって、特に興味深い内容だったと思います。
仲田 俊一 様
中小企業診断士
広告マンとしての、マーケティングとプロモーションの経験
中小企業診断士としての、経営コンサルタントとしての経験
地方公務員としての、自治体職員としての経験
3つの経験を生かして、中小企業と地方自治体のマーケティング支援する経営コンサルタントとして活動。
以下、仲田さんの座談会の概要です。
(掲載許可をいただいています)
診断士として開業
大学院を修了してから、当時、流行り始めた「インターネットでビジネスをしたい」と思って就職。そこから、Web関係のビジネスを始めた。
その後にベンチャー企業に転職。最初は20人ぐらいの会社が、関連会社も含めて200人ぐらいの会社に成長した。自身も取締役副社長に就任し「30代でここまで一気に駆け抜けてきたんだ」と感慨深かった。
ところが、自分も知らないところで突然、企業は破産。自身もお客さんへの対応に追われたり、従業員からの突き上げを受けたり・・このときは本当につらかった。
それから、個人事業主としてWeb事業を開始。
幸運なことに、これまでのお客さんにホームページなどのWebのサービスを提供できたのがよかった。
この経験で「もっと経営のことを知らなければ」と思い、空いた時間を使って、中小企業診断士の勉強を始める。
診断士の資格をとってから独立・開業という流れが多いが、自分の場合は、独立後に診断士の資格を取得。ちょっと珍しいケースだと思う。
『稼ぎ』と『時間』の関係
独立してから「何の仕事にどれだけの時間をかけたか」をエクセルで時間管理している。この管理をすることで『稼ぎ』に対して『どれだけの時間をかけているか』が確認できる。
おかげさまで売上は伸びているが、『時間』と『稼ぎ」のバランスで見ると課題もある。シティプロモーションやマーケティング支援に『時間』をかけているものの、稼ぎのウェイトが小さい。本来ならば、自分の時間を使った仕事でもう少し稼ぎたいところ。
それでも、独立当初はWeb関連のビジネスで稼いでいたが、商工会議所の専門家派遣など、マーケティング関係のコンサル業務が増えてきたのはうれしいこと。
心がけていること
診断士として独立して心がけているのは
・「休日」をつくること。
・「何をやって、何をやらないか」を決めること。
実は休日はすごく大事。独立して働いていると、仕事に区切りがつけにくくなる。自分の身体のことを考えてしっかり休む。きちんと休むことが、結果的に長く働けることになると思う。
Googleカレンダーにあらかじめ休日を入れておくのがオススメ。
あとは「やらないことを決めること」。
すべてに手を出すことはできないので、自分の場合はシティプロモーションやマーケティングなど、好きなことを仕事にしている。
「やらないこと」を決めると、周りから「この人は何のプロなのか」がはっきり見えるようになる。このあたりは小規模事業者と同じ。
独立して良かったこと
1つ目は『毎日がストレスゼロ」。
自分が好きなことを仕事にしているので、嫌なことがあまりない。サラリーマンと違って、お客さんも、一緒に働く人たちも自分で選んで仕事ができる。独立して働いていると、ストレスは限りなくゼロに近い。
2つ目は『やりがいが大きい』
お客さんからたくさんの「ありがとう」の言葉をもらえる仕事。
「先生のおかげで」、「先生に会えてよかった」と声をかけてもらえると本当にうれしくなる。
3つ目は『キャッシュポイントが多い』
診断士の仕事は、お金に換えられるポイントが多い。コンサル業務だけでなく、さまざまなセミナー講師や執筆もある。どんなところからも稼げる可能性があるのはおもしろい。
今はインスタを使って、中小企業診断士試験の関連情報をほぼ毎日更新しているが、TikTokでも何かできないか考えている。
これから
力を入れたいのは、シティプロモーションとマーケティング支援。
シティプロモーションは、診断士仲間と一緒にシティプロモーション研究会(シティケン)を立ち上げ、「自治体にとって効果的なシティプロモーションとは何か?」に取り組んでいる。これまでのプロモーション活動もあり、新しい案件にもつながってきた。これからもトライしていきたい。
最後に
座談会では終始、笑顔で話す仲田さん。
話を聞いているだけで元気をもらえます。
難しい仕事であっても、きっと「ストレスゼロ」と言えるほど、診断士業務にやりがいを感じていることが伝わってきました。
そして、仲田さんの言葉にあった「ありがとう」の感謝の言葉をもらえる仕事。支援者として「役に立ちたい」という想いがあれば、感謝の言葉を一言、もらえるだけで素直にうれしいですね。共感しながら聞いていました。
仲田さんの想いのこもった開業談は、診断士独立の学びだけでなく、診断士の『やりがい』を改めて考える時間にもなったのでは、と思います。
仲田様、本日はありがとうございました!
おわり