『鳥貴族』の魅力をちょっと伝えたい
いまさら鳥貴族の魅力?
「そんなのわかっているよ」
と言われることも承知で、名もなきファンとして、鳥貴族の魅力をちょっと伝えたい。
ちなみに自分はお酒が飲めません(笑)
鳥貴族は
鳥貴族といえば「一番好きなチェーン店の居酒屋」ランキング調査でも1位をとる人気店。(LINEリサーチ 2024年1月)
1位 鳥貴族
2位 串カツ田中
3位 魚民
学生時代を思い出すと、有名どころのチェーン店居酒屋といえば、つぼ八、養老乃瀧、白木屋・・あたりでしょうか。
鳥貴族のホームページをみると、1店舗目は1985年。関東第1号店となる「鳥貴族 中野北口店」は2005年。2000年以降に成長してきたことがわかります。
ちなみにランキング2位の「串カツ田中」の1号店は2008年。
この20~30年で大きく、居酒屋業界の勢力図も大きく変わっていますね。
店舗数の推移
居酒屋チェーンの直近(2024年1月)から5年間の店舗数をみると、鳥貴族は連続1位。直近の3年間は616店⇒624店⇒637店とコロナ禍の落ち込みから回復傾向です。
買収した「やきとり大吉」の店舗数を加えるとすでに1,000店舗を超えますが、「鳥貴族」単体でも2030年までに国内で1,000店舗体制を目指しているようです。
店舗の立地
鳥貴族のホームページ(2024年8月)の店舗検索から地域別の出店状況を確認すると、関東、近畿、東海(三大都市圏)の割合が96.1%と集中しています。
この数字をみると「一番好きなチェーン店の居酒屋ランキング」1位であっても、出店数が少ない地域では「鳥貴族?何それ?」という感じかもしれないですね。全国的にみれば、鳥貴族の人気には地域性がありそうです。
串カツ田中も、三大都市圏への出店割合が多いものの、鳥貴族ほどの偏りではない。このあたりは、各チェーン店の出店戦略の違いですね。
人気の秘密は
人気の秘密は、いろいろあると思いますが、自分が強く感じるのは次の3つ。
・「お得感のある均一価格」
・「国産鶏肉へのこだわり」
・「飲まない人にもやさしい」
①お得感のある均一価格
なんといっても全品370円の均一価格。
大きめの串焼きも、鳥釜めしも370円・・。
だからといって「安かろう、悪かろう」ではなく、安定感あるおいしさと食べごたえ。
1品が「370円」と思うと、思わず「あれも、これも」と頼んでしまう。
頼みすぎたと思ってお会計の金額をみても、満足感のほうが大きくなる。それは「また、来よう」となりますね。
ストアコンセプトである「うまい!を、気がねなく!」をまさに体現しています。
ちなみに、この均一価格は、創業時は250円均一。インパクトありますね。
②国産鶏肉へのこだわり
おいしさの追求として「国産鶏肉」を使用。看板商品の食材だからこその「国産へのこだわり」を感じます。
確かに「串焼き類」は、おいしく、満足感がありますね。
そして、素材の鮮度や味を守るための店内での鶏肉の「くし打ち」。
これだけの規模のチェーン店であれば、セントラルキッチン方式で、工場で一括して調理したほうが生産的。でも、手間をかけても各店舗で行う。
効率よりも、おいしく食べるためのこだわりを感じます。
学生時代、釜めし屋で働いていたとき、昼シフトのバイトさんが、ひたすら大量の「くし打ち」に苦労していた記憶が。。当時「おいしく焼くには、くし打ちが大事」と聞かされたことを思い出します。
③飲まない人にもやさしい
些細なことですが、鳥貴族には「お通し」がない。
酒を飲まない自分は、お通しよりも、自分の食べたいものを選びたいのでとてもありがたい。
ノンアルコールにしても「大人のジンジャーソーダ」など、オリジナルクラフトジュースも充実。
お酒が飲めない人にも、ウーロン茶かコーラ以外の選択肢があるのはいいですね。
先日は、子どももいっしょに家族で行きましたが、キッズドリンクもあって助かりました。
鳥貴族の経営の強さ
手ごろな370円の均一価格でありながら、おいしさを実現できるのはなぜか。
少し古い本ですが、創業者 大倉 忠司氏の著書「鳥貴族「280円均一」の経営哲学も参考にしながら、経営の強さを3つにまとめてみました。
・理念が骨太でシンプル
・チェーンオペレーションの仕組み
・経営のメリハリ
①理念が骨太でシンプル
「たかが焼鳥屋で世の中を明るくしていきたい」
「焼鳥の事業を通じて、世の中を変える。そんな「うぬぼれ」を毎日持ち続けよう」
理念からは「焼鳥屋にこだわる」「世の中に広める≒多店舗展開」というメッセージを感じます。
シンプルな理念だからこそ、創業者の思いは、一緒に働く従業員はもちろん、お客さんも含めて誰にでも伝わりやすい。
飲食店の場合、牛、豚、鳥などの素材のうち1つに頼りすぎると、リスクも大きいですが、専門性の追求は大きな差別化要素。メニュー開発にしても「鳥」をひたすら追求できるのも強みですね。
理念を知ると、店頭の「うぬぼれ中」の看板には、パワフルな意味が込められていることが理解できます。
②チェーンオペレーションの仕組み
創業者は、創業当初から1,000店舗をみすえたオペレーションを想定。
著書では「鉄則」として、次のようなことを掲げています(詳細は省略)
トレードオフになる「お手頃な価格」と「おいしさを追求するサービス」が両立する仕組みを、創業時から意識していたことに驚かされます。
そして「焼鳥屋のマクドナルド」を目指すとしながらも、フランチャイズでどんどん店を増やす、という考えではない。
鳥貴族のチェーン展開は「カムレードチェーン」と言われるそうですが、フランチャイズと違うのは、一般の加盟希望者はお断りしているという点。基本的には社員が独立して加盟する形を取っているようです。
カムレードは「同志」を意味し、鳥貴族の理念や考え方を理解した人が、店を広げていく仕組み。
「理念」がベースにあっての、チェーンオペレーションという考えを強く感じます。
③経営のメリハリ
理念や店舗コンセプトが明確なので、どこに経営のリソースやコストをかけるかのが、わかりやすい。
「焼鳥屋」の専門店なので、提供するメニューには、刺身もなければ、豚や牛も圧倒的に少ない。鶏肉に絞って取扱量が増えれば、ますます調達コストがさがリます。
一方、理念やコンセプトから外れる、次のようなところはこだわらない。
・炭火焼にこだわらない
・東京では、空中階、地下の出店も気にしない
・利益を生まない本社にお金はかけない など
経営の実践から導かれる「何を捨てるか」という問いは、身に沁みます。
最後に
最近のニュースをみると、アメリカや韓国への出店計画も進んでいるようにみえます。
ファンとしては、焼き鳥のグローバル化を応援しつつも「いつまでも庶民の味方でもあってほしい」と思ったり(笑)。
週末にでも焼き鳥、食べに行きますかな。
noteには鳥貴族ファンの方々も多いですね。
参考になります!
おわり。