「ミルキーウェイ」の13星座パフェ、値段がバラバラなのは何故?
池袋にあるカフェ「ミルキーウェイ」を訪れた。
ミルキーウェイは「星をテーマにしたカフェ」である。
深い夜空を想起させるブルーを基調にした店内。プラネタリウムのように美しくまたたく装飾。
そのコンセプトは徹底されており、お皿やグラスに至るまで★型があふれている。
これほど星にこだわっているからには、星型のヘアスタイルを持つ遊戯王みたいな店員さんがいてもおかしくない。席につくなりデュエルを挑まれたらどうしよう。
…と、ライフポイントの心配をしつつ入店したが、幸か不幸かそんな店員さんはいなかった。
さて、このカフェの最推しともいえるメニューが、星座をモチーフにしたパフェ、その名も「13星座パフェ」である。
星占いで一般的なのは12星座だが、ミルキーウェイでは1995年ごろに話題になった「13星座」を採用している。
メニューによると、13星座のカレンダーは以下の通りだ。
いて座 12月18日~1月18日
やぎ座 1月19日~2月15日
みずがめ座 2月16日~3月10日
うお座 3月11日~4月18日
おひつじ座 4月19日~5月13日
おうし座 5月14日~6月20日
ふたご座 6月21日~7月19日
かに座 7月20日~8月10日
しし座 8月11日~9月15日
おとめ座 9月16日~10月29日
てんびん座 10月30日~11月22日
さそり座 11月23日~11月29日
へびつかい座 11月30日~12月17日
星座によって、期間の長さがまちまちである。
特にさそり座がめっちゃ短く、7日間しかない。1年のうち1週間しか該当しないレアな星座なのだ。「いいえ私はさそり座の女」と主張したくもなるだろう。
「へー、13星座か。普段意識してる星座と変わっちゃうな」と、しばし迷う。
同行者と話しながらパフェを選んでいた私は、あることに気づいてしまった。
星座によってパフェの値段が違う。
800円の星座が一番多いが、てんびん座は780円。おとめ座、みずがめ座は820円…
最も高いしし座、さそり座と、最安値のてんびん座では50円もの開きがある。
この不ぞろいな値段設定はどういうことだ?
経営の素人である私は、値段をそろえた方が売り上げの計算とかしやすいのでは、などと考えてしまう。
なぜ、値段がバラバラなのか…
はっ!もしかして…
「13星座パフェ」と言うぐらいだから、たいていのお客さんは自分の誕生日の星座パフェを選ぶだろう。
そして先述のとおり、星座ごとに日付の期間にはばらつきがある。
つまり、期間が長い星座ほど高値に設定されているのではないか?
そうすれば、高いメニューを注文するお客さんが自然と増え、売り上げはまさしく青天井で伸び続ける。
閉店後の店で、もうかりまくった店長は札束片手に高笑いし、みずがめでワインを飲み干す…
…いかんいかん。私は何を考えているんだ。
地上に降り立った天使のようなロマンを振りまくカフェに、薄汚い商業主義を持ち込むなど、あまりにも失礼じゃないか。
私ももう36歳、分別のある言動をわきまえなければ…
ん?Cドライブに見慣れないExcelファイルがあるぞ?
これは一体…
ああっ!こ、これは!
なんということだ!
無意識のうちに手が勝手に動き、13星座の日数とパフェの値段を完璧に網羅した表を作ってしまった!
何でもかんでもデータにするクセがここまで染みついているとは!
全くもって不本意だが、表ができてしまったものは仕方がない。
ここまできたら、パフェの値段と星座の日数の相関関係をグラフにするしかないだろう。
はたして、日数の長い星座ほどパフェが高いのか?
ミルキーウェイの野望がついに暴かれるのか?
いざ!グラフ作成!
び、微妙…
なーんとなく、日数が長い星座ほど値段が高い傾向にある、気がする。
しかし、
・おとめ座とみずがめ座は、日数が大きく違うのに値段が同じ
・へびつかい座はてんびん座より短いのに、パフェは高い
など、必ずしも比例関係にはなっていない。
何より、さそり座は日数が最短なのにパフェは最高値なのだ。
レアな存在でありながら、一番高いパフェを注文せざるを得ないさそり座。その心中を察すると胸が痛むが、
「ミルキーウェイの店長、値段をうまいこと操作してガッポガッポ儲けてる説」
にトドメが刺された瞬間である。
というわけで結論。
13星座パフェの値段は、星座の日数とは関係ない。
ミルキーウェイさん、疑ってすみませんでした。
あと、パフェおいしかったです。
(誕生日ではなく見た目で選びました)