私の持っているこのみずがめの水をあなたに差し出すことができるか?
物体としての『みずがめ』と聞いて想像するのは陶磁器でできた甕ではないかと思う。この固体である甕は、液体である水を保存できるのはもちろんだが、現在のように浄水機能が発達していなかった昔は、おそらく汚濁物質を取り除く浄化機能も少なからずあったのではないかと思われる。
一方、ホロスコープでいうところの『みずがめ』はどんなイメージか?
星占いでは有名な石井ゆかりさんがおもしろい表現をしていて、かいつまんで説明すると
水瓶座の人は理知的で合理的、爽やかなイメージがあるけれどそんなことはなくとても感情的。それは、外から甕を叩くとガンガンと固いのだけれど、その中にはじゃぶじゃぶとした水をたたえている水甕のよう。つまり、中で喜怒哀楽がすごく揺れて渦巻いているそんなイメージ
だというのだ。実に言い得て妙。
先月、良いも悪いも含めて感情の揺れ幅が大きく出てくる気がして、でもそれは、特に悪いと感じるものほどしっかり出して味わって、言葉にして表に出した方がいい気がしていた。出方はなんであれ、全ては愛に集約されるのだろうなとぼんやりと感じていたからかもしれない。
人の感覚はそれぞれ。その時の体調や環境によっても大きく左右される。快である、または不快であるという感覚それ自体に良し悪しはないと思っている。それは、水にはいろいろなミネラル分が含まれており、それによって味も微妙に異なること。味を構成しているものの中には、甘い、苦い、辛い、酸っぱいなど様々な要素が絡み合っていて、引き立つ味単体では存在していないということ。構成している味覚には良し悪しはないし、どの水を好むかといった点にも良し悪しは存在しない。
これは人の感情も同じなのではないかと思う。
話を少し戻して、石井ゆかりさんのイメージする「みずがめ」から。
みずがめの水を感情として捉えるなら、その感情を入れている甕はなんであろうか?
水甕に入れた水がまろやかになる過程で微生物が大きな役割を担うという。
感情の水がまろやかに醸成する時に作用するものは一体なんなのか?
私は、私の持っている水をあなたに差し出したいと願っている。
それはあなたを潤すものであって欲しいと願っている。
美味しいと飲んでもらえたら、なおうれしい。
まずは、どんな甕に入れるかだ。