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かみさまが残した愛と虹色が

封のあいた抜殻と
白濁した欲望とともに
油混じりの水溜まりに捨てられている

色素を落とした空の下には
誰も死なない殺風景な街並みが広がる

蝸牛の夫妻も身を寄せあい
乾いた葉に仕方なく隣合う

私は、

歩きながら目を閉じていた
足裏のなだらかな感触が
知らない世界で埋めつくされるまで

呪われた空が黒く塗りつぶされて
古き良夜の瞳がかがやきを増すまで

靴跡が染み込んだ冷たい光沢は
乾きを知ることもなく 退化し
石と石の隘路に擂りつぶされていく

瞼の裏で懐かしい香りをさがし
青い風を咬み
おまえを抱いた記憶を嗅ぐ

獣であった頃の牙を鳴らして
愛を知ったよるに膝をかかえる

俺は、

いつしか
炯々と眼を光らせて
アッシュグレーに染まった髪越しに
明るい星雲を見上げていた

蕭然とした心の暗闇の中
追憶の月に吠えている

夜のまなじりに
ひとさじの銀河が流れだした

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