【ゲーセン】「確率機」って聞いたことある?ぼくがそれにモヤモヤするはなし
これは触れるべきか毎度毎度迷う話題。
そして、ぼくが「雑記を書くゲーセン店員」であるならば、避けては通れ……るし、避けて通った方が賢い気がするんだけど、
通っちゃう話。
先にこの雑記の結論から言うと、
「『確率機』って言葉、めちゃめちゃモヤモヤするのだけど、その理由を書くとともに、このモヤモヤはきっとしばらく解決できないだろうなー」というお話であり、
ただの所感です。解決しません。建設的な意見ありません。
最後まで読むと、たぶんモヤモヤします。
それでもよければ、ぜひ。
いわゆる「確率機」についてのおはなし。
いっしょにモヤモヤしましょうや。
ぼくのおしごとと「確率機」
ゲームセンター界隈で、「確率機」という言葉をよく耳にするようになりました。
一般ユーザーが用いる意味としては、概ね「3本爪クレーンゲーム」のことを指している気がします。
クレーンゲーム(俗称:UFOキャッチャー/これはセガさんの商標ですね)は従来、2本のツメで挟むタイプのものが主流でした。
例えて言うなら、親指と人差し指でものをつかむようなカンジ。
ふだんゲームセンターに行かない40代以上の方が思い浮かべる「UFOキャッチャー」は、それに相当します。
ほんで、10年くらい前かな。いわゆるぼくらが「3本爪」と呼ぶ、親指と人差し指に加えて「中指」が入ったようなタイプのものが出てきました。
やがて多くのメーカーがこのタイプの機械を出すようになり、なんやかんやで世のゲームセンター、アミューズメント界隈に広まって参りました。
ほんで今に至る。
さて。
これら3本爪クレーンのことを、一般的に「確率機」と呼ぶ風潮がある、というのは前述の通り。
さっきから「概ね」とか「風潮」とか煮え切らない言い方してますが、厳密にはいろいろあるので、でも今回そこには触れないつもりなので。
表面的な部分だけ追っかけるつもりなので、「だいたいそう」の話で進めて参ります。
お客様からたまによく訊かれるのが、
「これって確率機ですか?」
「いつ確率入りますか?」
というもの。
正直なところ、ほんとうは
「確率機とは、どのようなものですか?」
と、尋ね返したいくらいではあります。
それはあくまで俗称であるので、その言葉に対する定義が、ぼくには分からないのです。
ほんとは分かるんだけど、
じゃあ、ほんとは分かった上で、嘘偽りなく答えますよ。
「そういったものではございませんよ」
そも「確率」って何ぞや
定義のあいまいな言葉を用いて会話や問答をすると、意思疎通のエラーに繋がります。
「かわいいバッグ買ってきて!」と言われても、普通は心底困ってしまいます。
「かわいい」の定義とは何ぞや。よほど彼ら彼女らに理解が信頼関係がない限り、お互い不幸になる結果しか見えません。
まず、「確率」とは何なのか。
サイコロを振ると、6種類どれかの目が1/6の「確率」で、出る。
コイントスなら、50%の「確率」で裏か表が出る。
アメリカンルーレットの場合、00が出るのは1/38の「確率」らしいですよ。
確率って乱数、ランダムなのですよね。
来るものとか、入るものとかじゃないのです。本来。
「6の目はいつ出ますか?」とか
「次は00にボールが入りますか?」とか聞かれても、そんなんディーラーにも分からんのです。普通。
ここまで読んで頂いて、
「そんな話してない!」「設定で、取れるようになるタイミングあるだろ!アレだよ!!」
みたいなことを考えられる方もおるかも知れませんが
それのどこに「確率」の要素があるのか?
と、ぼくはどうしても思ってしまう。
むしろ「ランダム」とは全く逆の概念ではないのか?
「確率機」という呼称は、あまりにもふわっふわで、定義が不明確に思えるのです。
なんでそれが「確率」なの?
3本爪クレーンゲームに、そういうサイコロみたいな要素ないのに
なんで「確率」なの???
それについては、ぼくはこのように考えてみました。
のです。
スロパチやらないぼく、スロパチに思いを馳せる(馳せない)
この「確率機」という呼称、どこから来たのでしょうね?
明確にご存じな方がいたらご教示ください。少なくとも、ゲームセンター界隈で昔から使われてきた言葉ではござんせん。
以下はぼくの憶測になりますが、
パチスロ・パチンコ界隈の用語が輸入されてきたのかな?と、勝手に思っております。
スロットでは「確率」という言葉がよく用いられています。
これはすごい単純に言うと、「1/200の確率で当たりますよ」「1/250の確率ですよ」といったもの。
確率なので200回プレイすれば必ず当たるわけではなく、50回で当たるときもあれば、250回目に当たる場合もあります。
乱数なので、結果がものすごく偏ることもありますが、長期的に見れば「設定上の確率」に収束していきます。
(ちなみに、その収束に必要な試行回数は5万回だとか10万回だとか、そういう規模の話になってきます)
一方で、パチスロには「天井」というシステムもあります。一定のプレイ回数を超えた場合、当たりを出してあげるね!というものです。(ざっくり)
これは温情による救済措置でしょうか。はたまた、過度なギャンブル性を抑えるためでしょうか。(「当たるまでやめらんねー!」って方もいますもんね……)
パチスロよう打たんぼくにはわかりませんが、こういった独自の用語がありますね。(なので、間違ってたらごめんね!)
この「天井」ってシステム、いわゆる「確率機」の「入った」状態に似てると思いませんか?(唐突なブログ構文)
というか、おそらくコレのこと指してますよね。その言葉を使われるお客様。
これも俗語ですが、いわゆる「ソシャゲのガチャ」にも「確率」と「天井」というシステムがあります。(これもおそらく、もともとはパチスロ用語を引っ張ってきたものじゃないですかね?)
こちらは、たとえばSSRの当たりが0.5%の確率で排出されるよ!
でも、3万円ぶん回しても運が悪いと出ないこともあるよ!だって確率だからね!!
でも、救済措置として(あるいは過度なギャンブル性を抑えるため)天井システムを搭載し、3万円使ってくれた方には、SSRの当たりいっこあげるよ!
というやつ。
ここまでは分かります。
なんか知りませんが、
いつのまにか「3本爪クレーン」が、この「パチスロ」「ソシャゲのガチャ」に並ぶ
「確率と天井」システム搭載のゲーム
にされてしまったの????????????
かな??
というのが、ぼくの
根拠のない、「確率機」に対する見解です。
クレーンゲームはレトロゲー
まず、これは絶対に言っておきたいこと。
3本爪クレーンは「技術介入のあるゲーム」です。
何が言いたいかというと、ソシャゲのガチャのような「運ゲー」ではないということ。
ぼくは日ごろ、クレーンゲームは「知識・スキル・運」の3つを持っていれば、景品獲得につながると考えています。(かけることの試行回数、つまり「ゼニ」やな!)
この3つのうち、どれか一つが欠けると獲得難易度が大幅に上がります。
3つともない方は、残念ですがほぼ景品獲得は無理です。ほんと残念ですが。
せめてメルカリのリンクを張っておきますね。
クレーンゲームって、ゲームなのです。
そして、基本的には「レトロゲー」なのです。
何かというと、クッソ難しいんですよ。ほんとに。
何の知識もない現代のゲームっ子に、ファミコンの「オバケのQ太郎 ワンワンパニック」(※1)やらせてみるようなものですよ。無理でしょ?
無理なんですよ。難しいもん。
昔のゲームって、実際には「覚えゲー」という要素があって、やっていくうちに少しずつ上達する……というのが基本でした。
アホみたいに暇な子供が、アホみたいな回数かけて挑戦して、徐々に技量が上がっていく。友達やゲーム雑誌、攻略本なんかを利用して、知識も整えていく。
とはいえ昔のゲームなんで、理不尽な運ゲー要素も多かった。
クレーンゲームって、もともとそんな時代のゲームなのです。
クレーンゲームもレトロゲーも、簡単なものだと、うまい人はすぐ攻略できちゃうから。
うまい人に合わせて、どんどん難易度インフレしていっちゃったのです。
クレーンゲームは、確かに運による要素はかなり大きい。
とはいえ、機械特性などの基礎知識を身に付けたり、狙う位置の微調整による期待予測など、プレイヤースキルによって差のつく部分もけっこう大きいのです。
そこはソシャゲのガチャとの違いだし、「マインドシーカー」(※2)でもないのですよ。
じゃあ、あの「入ったとき」はなんなの?という話
とはいえ皆様、実際に「パワー強くなるときあるよね」と思ってらっしゃると思います。そこを否定するつもりはありません。
ここは関連業界の方々の意向もあると思うので、申し訳ないけどぼんやりかかせて貰います。すみません。
ここまでの話で十分そこには触れたと思うので、察してください。
ほんとすみません!!
ただ、
そうだな。たとえば、パチスロで言えば
「天井が来ない限り、当たりは引けない」とか、
ソシャゲのガチャでなら
「天井以外でSSR出ない」とか、
そういったものは、「原則」ありません。
仮にあった場合、
・機械の故障、トラブル(基盤不良だ、ツメのゴムが落下しただの)
・設定がドヘタクソ(これがあるから「絶対ない」とは言い切れない……)
・悪意がある、違法である
最後のやつはだいぶ話が逸れちゃうので、軽く触れる程度にとどめますが。
2017年、大阪のゲーセン業者が違法プライズゲームで逮捕されたというニュースがありました。
そのあたりから、いろいろ皆様も業界も敏感になりましたね。
「どこのゲーセンもやってんじゃねーの?」
「詐欺なんじゃねーの?」
という声が多く上がり、それは今でもちらほら。感じますね。たまーに言われます、「詐欺だ!」って。
(個人的には、そのあたりの言葉使うのはやめといた方がいいと思います)
業界もそういうのとても過敏なので、少なくとも大手さんは、そういうの気を付けて営業してると思います。
セガさんやバンナムさんも、いろいろなクレーンゲーム出されておりますが
当然ですが、法に触れる恐れのある機械は作っておりません。
(はずです。そんなんやってたら大変なことになるよ!!)
それでも、
じゃあ、本当の初心者とか、ちっちゃい子なんかは、絶対に景品が取れないのか??
という話になってしまうので、
それに対する一つの回答がそこにあるのではないかな、と
思っています。あの状態については。
ふわっとした着地で、どうぞご勘弁ください。
最初に書いたとおりなのだ。モヤモヤするってな!
というわけで
とりあえず、一番言いたい「確率機って何!?」という部分に関しては
なんとなく言えたので、一旦これでいいや。
あー、全然モヤモヤしっぱなしですね!これは最初から分かっていたことなのだけど!!
「確率機という呼称は正しくないからやめよう!」
という気は毛頭ないですし、あの呼び名どうにもしっくりこないけれども、そこはあきらめています。
せめて、せめて
「まあ言われてみれば、確率って言葉つかうのヘンだよな」
と、一人でも多くの人が思ってくだされば。
ぼくのこの、「確率機」という言葉に対するモヤモヤが共有できたかもしれない、ということで
いっしょにモヤモヤしようぜ!!
※1 有名なクソゲー。難易度高い。ぼくは1面(ハカセ)クリアできない。
※2 有名なクソゲー、運ゲー。理不尽。