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能動的サイバー防御をめぐる議論(その3-①)

 今回は「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」(第3回)の資料について、その構成を確認する。


😎はじめに

 「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」の資料について、第1回第2回と内容を確認してきたが、今回、令和6年8月6日に実施された第3回の有識者会議の内容を確認してゆきたいと思う。
 ただ、有識者会議の資料は、有識者会議本体とは別に、テーマ別に行われている別会合の結果報告等の内容を含んでいることから、回を重ねるごとに資料の量が増えている状況だ。(下図参照。)

「サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議」資料掲載ページ

 初めて見たときはギョッとしてしまった…。1時間の会議の資料の量としておかしいだろうと。しかも、第2回の資料には無かった、「テーマ別会合ごとの議事要旨」も含まれている!
 とても1回の記事では書ききれないので、分割して内容を見ていくことにしたい。(実際には、第2回と第3回で資料同じ資料が使われていたりするので資料数は見た目ほどではないが、中身は濃いので1回では纏められない。)

 第3回の議事次第を見ると、まずテーマ別会合の議論の報告がなされ、それに対して構成員が意見を述べる形式なっている。
 テーマ別会合の議論の中身を知らずに第3回の有識者会議での議事を読んでもピンとこないので、次のように分割して確認していくこととしたい。

・会議の概要・資料の構成(今回)
・テーマ別会合の中身を確認(テーマ別に分けて)
・まとめ

 という訳で、今回は第3回有識者会議の概要(議論の概要ではなく)と資料の構成を確認していく。

👥会議概要

サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議(第3回)
 令和6年8月6日 (火 )
 17時00分~18時00分
 総理大臣官邸2階大ホール

参加者
 河野大臣と有識者会議の構成員はいつも通り参加している。気になったのは、「内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室」のメンバーが、内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室長一人になっていたことだ。第2回の有識者会では、室長以外に室長代理1名、室次長4名がいたのだが…。
 これの意味する所は何なのだろうか。メンバーが6名→1名なので、トーンダウンしたのだとは思う。準備室のお偉方が沢山出ても意味がないと判断したが、河野大臣がいる手前、トップの室長が出ることで体面を保とうとしたのかな、と。
 本会議における「内閣官房サイバー安全保障体制整備準備室」の役回りが分からないが、会議資料をそこで作っているので、事務局をやっているは間違いない。まぁ、別に偉い人たちが出ていることに意味がないと判断したのなら、それはそれで構わないと思う。準備室で本件にガッツリ関わっているメンバーは事務局として参加している筈なので。

📚資料構成

ざっくり分類すると次のようになっている(資料はここ

  • 議事次第

  • これまでの会議開催実績(資料1)

  • これまでの議論の整理(案)(資料2-1、2-2)

  • 官民連携に関するテーマ別会合(資料3-1 ~ 3-5、資料4-1 ~ 4-5)

  • 通信情報の利用に関するテーマ別会合(資料5-1 ~ 5-8、資料6-1 ~ 6-5)

  • アクセス・無害化措置に関するテーマ別会合(資料7-1 ~ 7-8、資料8-1 ~ 8-6)

  • 議事要旨

😐テーマ別会合の出席者

テーマ別会合は次の3種類に分かれている
 ・官民連携
 ・通信情報の利用
 ・アクセス・無害化措置

 上でも書いたが、今回の資料にはテーマ別会合ごとの議事要旨があり、構成員についても記載されている。
 そこで、テーマ別会合ごとにどんなメンバーが参加したのかを表で整理してみた。

サイバー安全保障分野での対応能力の向上に向けた有識者会議 テーマ別会合構成員
※2024/9/20訂正・通信情報の利用第1回2日目が抜けていたので追記

 これだけで何が分かるわけではないが、特定のテーマのみ参加しているい人や、全ての会合に会合に出ている人など、結構差があるようだ。
 本人希望なのか、事務局指定なのか良く分からない。しかし、同じ新聞社である日経新聞と読売新聞の構成員を見比べてみても、本人のスケジュールなのか希望なのか分からないが差があるのが分かる。

 色々な思惑が働いていそうだが、本当のところは分からないのが残念。

🫠感想

 テーマ別会合で深堀してきた議論を本会議に持ちかえり、議論がなされたわけだが、相変わらず中身が濃い。しかも、今回はテーマ別会合の議事要旨もあるので情報量がエライことになっている。

 これテーマ別会合の内容報告も含めて1時間でやるというのはそもそも無理筋なのではないだろうか?

 ちなみに、この会議、議事次第では17時00分~18時00分となっているが、議事要旨を見てみると、終わりが18時18分と書いてある。
 過密スケジュール(だと思われる)な国務大臣を呼んだ会議で18分延長とか、事務局はきっと胃が痛かったんではないのかな、等とどうでもいい事を思ってしまったが、まぁ、それだけ情報量が多いのは間違いないと思う。

 次から、”はじめに”で書いたとおり、有識者会議第3回資料から、テーマ別会合ごとの内容を確認していきたい。

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