バンド紹介| Ensiferum
noteを始めるにあたり、「絶対これだけは書いてみよう!」と決めていたテーマが、このバンドについて気の済むまで書いてみようということ。
目標はWikipediaよりも幅広く!笑
ということで、まずは自分が世界で一番大好きなバンドであるEnsiferumについて紹介していきます。
Ensiferumのプロフィール
出 身: フィンランド
結 成: 1995年
読 み 方: エンシフェルム
由 来: Ensiferum = ラテン語で「剣を帯びた」
各アルバムのジャケットには、剣を持った
一人の同じ戦士の絵が必ず描かれています
ジャンル: Melodic Folk Metal(本人インタビューより)
※日本ではヴァイキングメタル、フォークメタル、
ペイガンメタルなどいくつか呼ばれています
作 品: スタジオアルバム… 9枚
EP… 2枚
コンピレーションアルバム… 2枚
DVD… 2枚
※2025年1月時点
バンドの特徴
音楽的な特徴の基盤としては、ブラックメタルやデスメタルになりますが、北欧神話からの影響や戦い・戦士(ヴァイキング)のテーマが濃く見られる楽曲が多く、それが方々で「ヴァイキングメタル」と呼ばれる所以です。近年は世界観が広がり「戦いの後(=勝利の美酒)」がテーマの楽曲も増え、アルバム全体として緊張と緩和のバランスも見られるようになりました。
その一方で、フィンランドや北欧に加え、日本人がイメージする「ケルト」という広い言葉のイメージに当てはまるような民族的・民謡的なメロディ(リフ)も随所に見られ、これが理由で「フォークメタル」にカテゴライズされることもあり、メタルヘッズじゃなくても比較的聴きやすいです。
本人たちは「メロディックフォークメタル」と自らを呼んでいる通り、そのメロディーやリフのキャッチーさと聴きやすさはメタル界でも随一だと思います。楽曲によっては聴きながらフォークダンスを踊れるほど(本当に)。加えて、サビや間奏でのクワイアの大合唱、壮大なオーケストラは聴き手の心の中に眠る闘争心やアドレナリンを爆発させ、心がたぎってくる楽曲が多いのもこのバンドの特徴です。勇ましいとか勇壮といった言葉はこのバンドのためにあると言っても過言ではない。
各個人の演奏力・パフォーマンスも確かなもので、バンドとしてのハーモニーも円熟の域に達しています。要するにみんなとてつもなく上手いです。
事実、この手のバンドの中では頭一つも二つも抜き出てると言える存在で、フィンランドをはじめ欧州各国ではアルバムチャート上位も結構獲得しています(日本では信じられないですが)。メタル初心者にもおすすめです。
メンバー(2025年1月現在)
Markus Toivonen (マルクス/guitars, clean/backing vocals)
バンド創設者のひとりであり、現在も残る唯一のオリジナルメンバー。
バンドの魂とも言える最重要人物。ほとんどの作曲を手掛けており、作曲においては一番の中心メンバーです。ギターの他にもクリーン/バックボーカルを務めるだけでなく、色んなマイナー楽器も担当する多才っぷり。
フィンランド人らしく、ちょっとシャイでおとなしめな性格に見えますが、ライブではちょっと悪そうな顔をして舌を出してみたり、左足を激しく踏み鳴らしクルクル回って踊りながら弾いたりと、大好きなおもちゃで遊んでるような姿がとても愛らしいおじさん(超褒め言葉)。
初期からクリーン/バックボーカルを務めていますが、ヘタウマな感じでどこか憎めなく、クセになる歌声はEnsiferumファンだからこそでしょうか。ペッカが加入後もちゃんと歌ってくれているのは嬉しい。
実は2nd "Iron"を買った後にどうしてもグッズが欲しくてフィンランド本国からメールを通じて取り寄せた時に、本人が対応してくれたことがあります。どこか素っ気なくも優しく、めっちゃ良い方だったとても良い思い出。
フォーキッシュでメロディアスなメタルのリフを作らせたら、この方の右に出る人はいません(異論は認めます)。
Petri Lindroos (ペトリ/vocals, guitars)
2代目ボーカルであり、フロントマン(2004年~)。元Norther所属。
2nd "Iron"リリース後に加入、EP "Dragonheads"にてお披露目。
初代のヤリが脱退した際、最初はNortherと兼任する形でサポートメンバーとして加入の後、正式メンバーに。そして気が付けばNorther(そっちでもフロントマンだったのに)を辞めちゃってEnsiferumに専念。
The北欧的で美しいそのイケメンぶりから、加入当初のネットでは「ペトリたん/ペーたん」などのあだ名がつけられていた記憶(懐かしいノリ)。ある時期どっぷりビール腹になりぽっちゃりしてましたが、無事にダイエットして再イケメン化するも、コロナ禍で自宅収録されたMV "Rum, Women, Victory"で衝撃的なメガネ姿を披露。爽やか北欧イケメンに加え実はオタク要素もあるのか?と一部でちょこっと話題に(個人的には萌えポイント)。
ライブでのMCもグロウルで行い、普段の声はインタビューくらいでしか聞けません。ペトリの叫び声はギュッと曲を引き締めてくれ、毎回テンションを上げてくれます。グロウルは基本的に苦手なのに、この人のは大好き。ステージでの佇まいもとてもクール。ネックと手元を見ながらギターに没頭している瞬間が非常にカッコ良くて大好きです。
Sami Hinkka (サミ/bass, clean/backing/harsh vocals)
3代目ベーシスト(2004年~)であり、クリーン/バックボーカルの他にもペトリとは違う声質のグロウル(ペトリよりも低い音域)も時々担当。作曲に加え、多くの曲の作詞も手掛けています。
ペトリと同じく、EP "Dragonheads"にて加入、お披露目。
サミもペトリ同様、一時期凄い"樽"体型でしたが一念発起し、今ではライブ衣装のスカートも非常によく似合う、カッコ良くて立派な戦士体型に。
メディア対応も(多分)バンドで一番多い気がする。SNSもこの人が多い。
僕には自分の言葉で表現できないくらいベースが半端じゃなく上手いです。弾き方も超絶カッコいい。個人的に、ベーシストとしては世界で一番好き。
ライブでは一番の盛り上げ役で、ベースを持ってあちらこちらに走り回り、6弦ベースを左手一本で弾きながら右手でオーディエンスを煽るというのはよく見られる光景。イギリスでライブに行った際、興奮しまくってステージに向かって思いきり手を振り上げていたら同じテンションでハイタッチしてくれ、最高の思い出をくれた心優しき方(最前列でじっくり見れた)。
ライブやMVでは一番好戦的に見えるほどのテンションですが、SNSなどで見る普段の姿はサンタクロースにもなれそうなくらい穏やかで優しいです。
Janne Parviainen (ヤンネ/drums)
3代目ドラマー(2005年~)。
ペトリ、サミと同じく、EP "Dragonheads"にて加入、お披露目。
見た目の通りどっしりと構え、サミとリズム隊を成すバンドの屋台骨。叩き方のせいか全然大変そうに見えないのですが、この方のリズムと手数の多さはEnsiferumの楽曲の幅を広げるのにめちゃくちゃ貢献してると思います。アルバムや曲を通して聴いていると時々見つける"外し"や"遊び"みたいなセンスが本当に自分好みで、ヤンネもドラマーでは個人的好みNo.1。
バンド内では作曲にも携わり当然重要なメンバーの一人であると言えますが、メディアやSNSにもあまり出てこず、とても大人しい人な印象。ライブでもオーディエンスへ掛け合うことや自分に注目が集まるような演出は一切なく、ある意味ではシャイで遠慮がちという一番フィンランド人ぽい性格なのかも(ステレオタイプですが)。ですが、この人のパフォーマンスはめちゃくちゃ圧倒的でカッコいいので本当におススメ。というか、Ensiferumのリズム隊は2人とも本当にバケモノです。
尚、メタルヘッズ(メタラー)らしくずっと長髪でしたが、ついに8th "Thalassic"のツアーの辺りからスキンヘッドになってしまいました。
Pekka Montin (ペッカ/keyboards, clean/backing vocals)
4代目キーボーディスト(2020年~)兼クリーン/バックボーカル。
8th "Thalassic"にて加入、お披露目。
後述しますが、ペッカ加入によりバンドの幅が大きく広がりました。今後のバンドの方向性にすら影響を及ぼしそうな。元々いたバンドではボーカルを担当していたこともあり、マルクスやサミとは比べ物にならない程の圧倒的な歌唱力で、歌声は曲によって色んな有名メタルバンドのボーカルに喩えられています。もはやペトリと並びツインボーカルと言える程の雰囲気。
僕自身あまりメタルヘッズ(メタラー)ではないのでこのジャンルでの知見はあまり豊かではないかもしれないけど、メタルバンドにしては非常に珍しい短髪(スポーツ刈り?)で、演奏中に頭をぐるんぐるんしたりも今のところ見たことない、(見た目的に)ちょっと異色の存在。
ライブでも楽しそうに演奏していて時々オーディエンスを盛り上げたりしてバンドにうまく溶け込んでいるのが垣間見れるので、勝手に「良き良き(うんうん)」と見守っています。このまま長く定着してほしいものです。
ちなみに、ペッカだけ何故か衣装がユニクロのカットソーのようなドシンプルな衣装で、全然ヴァイキング感も戦士感も無いのが個人的にツボ。歌う時は目を閉じてガッツポーズで歌うこと多め。
最近の動向
ボーカルの幅の拡大と縮小
初代Vo.のヤリは一人でグロウルとクリーン/バックボーカルを担っていたので、脱退後はその穴埋めが大きな課題でした。後任として加入したペトリは、グロウルの部分はヤリを圧倒する力強さと迫力で申し分なく個人的には前任以上ですが、クリーンボーカルは全く歌え(歌い)ません。
g.のマルクスとb.のサミの2人でそこを補っていましたが、2人とも正直に言えば歌唱力は「ヘタウマ」な感じなので、アルバムではクワイアによる大合唱にして少し曖昧にする(これが意図ではないかもしれませんが)などの工夫が取られてきました。ライブでは2人が頑張って歌っています。
そこで2020年に4代目のkey.として加入したペッカには十分すぎるほどの歌唱力と声域の幅があり、クリーンボーカルとしてもバックボーカルとしても大きな存在感を示し、上手さだけでなく3人で歌い上げること・分担制にすることで厚みを増すことができ、(特にライブでの)バンドとしての完成度が更に上がるきっかけとなりました。あまりヴァイキングメタル・フォークメタルにはいないタイプの歌唱法なので、今後のバンドの方向性に大きな変化をもたらす可能性もあり、注目していきたいところです。
ただし、曲によっては女性key.がメインボーカルだったりバックボーカルを務めていたものもあるので、そういった曲に関しては今後ライブでのパフォーマンスが変わってしまう・演奏できないことになったのは、個人的に残念でもあります。
キーボードの課題の解消(?)
長年なかなか定着しなかったkey.が、ペッカの加入によりようやくここで落ち着くか?といった感じです。
それまでEnsiferumのキーボードと言えば、戦いとは無縁であるはずの女性が常に担当しており(しかもみんな美人揃い)、ライブでは戦いの衣装とメイクに身を包み、細身の身体で長髪を扇風機のようにぐるんぐるん振り回しながら演奏するというバンドの紅一点でした。そういう意味ではペッカの加入には驚きがありました。
特に一番短期間の在籍期間ではあるものの、ライブでは色気たっぷりに踊りながら(えろすぎるくらい)アコーディオンを弾き、時にはvo.でも歌っていた3代目のネッタの脱退は痛かったです。初代の一番美人で大好きだったメイユや北欧美人の2代目エンミの扇風機のように髪を振り乱しながら演奏するライブも大好きだったので、悲しさは募ります。
が、上述の通りペッカの役割はこの3人に比べても非常に多く、重要度も高そうに見えているのが現在のEnsiferumです。大好きなバンドのメンバーが変わるというのは毎回どのバンドでも結構ショックはあるので、このまま長い間続いてくれたら良いな…そしてたまには前任Key.がゲスト参加してくれたら嬉しいなと思いながらこれからも応援したいと思います。
以上、フィンランドのEnsiferumというバンドの紹介でした。だいぶ個人の思いに偏ってしまっていますが...。出会った時から今も世界で一番好きなバンド。早くまた来日してくれる日を心待ちにする今日です。
今度は各アルバムについて、一曲一曲また書いてみたいと思います。