スター☆トゥインクルプリキュアを見た。

2023年4月14日、スタートゥインクルプリキュアのアニメと劇場版を視聴し終えたので備忘録としてnoteに記す。

スタートゥインクルプリキュアとは?

2019年2月3日から2020年1月26日まで放送されたプリキュアシリーズで、アニメが49話と劇場版1作で構成される。
本作の特徴としては、テーマが「宇宙」となっており、初期プリキュアメンバーの2人目「ララ」も宇宙人というプリキュア初の取り組みとなっている。以下、スタートゥインクルプリキュアをスタプリとする。

なんで今スタプリ?

そもそもなぜスタプリを視聴し始めたかというと、たまたま今期の「ひろがるスカイ プリキュア」を毎週追っていたところ、作品のEDごとに毎週違う今までのプリキュアが映るのだが、4/9のプリキュアにてスタプリの「キュアスター」が紹介され、なぜか妙に気になってしまったからである。
そこで、スタプリでググったところ「キュアミルキー」という2人目のプリキュアの変身バンクの動画を発見した。

ひろプリのキャラ紹介の映像だと「キュアスター」はいかにも不思議ちゃんっぽいキャラだったので、2人目のプリキュア「キュアミルキー」の性格はしっかり者の真面目キャラなのかな?とか思いながらこの動画を見たところ、脳を焼かれてしまった……。
どうやら、こちらも挑戦的な設定として、変身中に歌う設定となっているらしい。謎の神作画変身とキュアミルキーのかわいい声にすっかり魅了されてしまった私は、おもむろに東映チャンネルに加入をはじめ、プリキュアを視聴するマシンに変わり果ててしまったのだった。

アマプラで全話見れるようにしてくれ~

軽いあらすじ

今作の主人公「キュアスター」こと星奈ひかるは、星座・UMA・オカルトなど不思議なものが好きな女の子。ひかるが星空を眺めながら自作の星座を作っていたところ、その星座から謎の生き物「フワ」が現れる。そのフワを探し旅をしていた「ララ」と、かつてスタープリンセスという女神に仕えていた有能な宇宙妖精「プルンス」と出会う。
プルンスによると、宇宙の支配をもくろむ組織「ノットレイダー」により12星座の女神たちは力を失い、宇宙が崩壊しかけている。そして、宇宙を守るための力をフワが持っており、さらに宇宙が危機に陥った時、「プリキュア」という謎の戦士が現れ、宇宙に散った女神の力「プリンセススターカラーペン」を開放することができるため、プリキュアを探し旅をしていたそうだ。
フワと、膨大な力を持った「プリンセススターカラーペン」を奪うために襲い掛かるノットレイダーたちと戦いつつ、宇宙を救うために冒険をする物語。

何が私を惹きつけたのか?

最初は、ララちゃん可愛いな~としか考えずにアニメを視聴していたのだが、たぶん20話くらいから完全にストーリーにドはまりしてしまっていた。
この作品の魅力を洗い出したいがために本記事を記している。

全体を通して感じたこの作品のメッセージ性について

本作では、メインテーマとして「異文化交流」が挙げられている。

  • 不思議なことにしか興味がなく、ほかの人といることより一人で遊ぶのが好きだった主人公 ひかる

  • 12歳から成人とされ、一人で旅をしてきた異星人 ララ

  • 親の言いなりとして今まで生きてきた生徒会長 まどか

  • 日本人の母親と外国人の父親を持つ大家族の長女 えれな

この4人が宇宙のさまざまな星を旅して成長していく物語であり、これが作品紹介にも用いられていた。
だが、私が視聴した中で感じたほかのメッセージは以下であった。

なりたい自分に

本作では、特に主人公のひかると、宇宙人のララに焦点を当てて描かれている。

変身シーンの中の冒頭の歌で「きらめく星の力で 憧れの私描くよ」というセリフがある。最初視聴していたときは「プリキュアの力でかわいく、そして強くなるための変身」の意味合いでこのセリフをとらえていた。
ただ、ストーリー中盤あたりから深堀されてくるキャラごとの背景を知ると、どうも違う意味に聞こえてくるのだ。

母国 惑星サマーンで、優秀な両親と兄を持ちながら一人だけ劣等感の中生きてきたララは、自身が伝説の戦士プリキュアになることで、それを打破しようと旅をしていた。
ただ、惑星サマーンがノットレイダーに襲撃された際に彼女は自分のためでなく、自分を思ってくれた家族を守るためにその力を使い覚醒する。
強い劣等感と責任感の中、ひかるや仲間たちと過ごし、様々な星の生き物と関わり成長する中で、憧れの自分を見つけられるようになったのだった。

キュアミルキー(プリキュア公式ホームページより)

また、主人公の星奈ひかるは、初めて会う存在にも興味深々で友達になりたいと考え行動する人物であった。
そして、一見ハチャメチャな行動を繰り返し、思いもよらぬ行動をするのだが、実際は誰よりもほかの人のことを知ろうとしていて、仲間の異変に真っ先に気づき悩みを聞き出す一面を持つ。
それは仲間内にとどまらず、自分たちに襲い掛かるノットレイダーにも向けられる。
ただ、襲われたからプリキュアの力を使って倒して追い返すのではなく、戦いの中で相手がなぜ自分たちを襲う必要があるのか、どうしてそうなってしまったのかを常に問い続け、そしてノットレイダーとも分かり合いたいと考えて戦い続ける。
さらに、ただノットレイダーたちに対して何の考えもなく「戦いをやめよう」や「友達になろう」のようなお決まりのセリフを言うのではなく、ひかるの体験してきたことや相手の境遇を把握しようと努力し、皆と分かり合えるような憧れの自分を目指して戦い続けていた。

キュアスター(プリキュア公式ホームページより)


このように、各キャラごとに冒険を通してなりたい自分を探す物語なんじゃないか、と私は感じ取っていた。

そして、その物語は20話を境に劇的に加速を遂げる


5人目のプリキュア キュアコスモの追加

※以下、圧倒的にネタバレ要素が増加するので、ネタバレ嫌いな人は避けてください。





冒険の最中、宇宙のあらゆるお宝を盗む「怪盗ブルーキャット」と遭遇し、プリンセススターカラーペンを奪い合うことになる。

怪盗ブルーキャット(プリキュア公式ホームページより)


そこで、ノットレイダーの襲撃を受けるプリキュアだったが、新たにノットレイダーのボス ダークネストにより力を授かったアイワーンにより、フワが奪われてしまう。

すると、アイワーンのお供であった執事のバケニャーンが急にフワを奪い取りプリキュアに加担し始めた。
なんと、バケニャーンの正体は変身したブルーキャットであった。

怪盗ブルーキャットの真意

戦闘後に、ブルーキャットの背景が明かされる。
なんと、ブルーキャットは過去にアイワーンによって石にされた自分の惑星の人々全員を元に戻すために12星座の力をもつペンを求め、その手掛かりのために変身しノットレイダーに潜入をしていた。

ノットレイダーの深堀り

ノットレイダー 天才科学者アイワーン

敵組織であるノットレイダーだが、ひかるとの戦闘中に徐々にその背景が明かされ始める。
ノットレイダーとは、宇宙で居場所を失った人々が集まってできた組織だった。各々が、身体上の理由で差別されたもの、故郷を蹂躙され居場所を失ったものであった。
アイワーンも同様で、居場所をなくし孤独に過ごしていたところ、ノットレイダーに出会い、受け入れてもらい生活をしてきた。
その中で、自分の面倒を見てくれて、常に一緒にいた執事 バケニャーンの存在は大きいものであった。
バケニャーンが裏切ったことでノットレイダー内にも居場所をなくし、そして大きな心の支えだったバケニャーンが自分を騙していたという事実から絶望に苛まれ、何があってもブルーキャットだけは自分の手で片づけることを目的として宇宙を彷徨い始める。

アイワーンによって故郷の仲間が全員石に変えられてしまったブルーキャットと、自分を騙して居場所を奪ったブルーキャットを許せないアイワーンとの戦闘が始まった。
(もう女児向けアニメの内容じゃないんだよこれは…。)

戦闘中、敵同士であったブルーキャットとプリキュアだったが、故郷の仲間を元に戻すため一人で戦ってきたブルーキャットのためにプリキュアが彼女を守り始める。
その心に呼応するように、ブルーキャットも彼女たちを守るべく「キュアコスモ」へと変身を遂げるのであった。

ここの変身シーン、まさかプリキュアになると思ってなくて、更に覚悟が決まりすぎててめちゃくちゃ興奮しました。

キュアコスモ(プリキュア公式ホームページより)

こんな感じで、ノットレイダーをただのヒール扱いせずにそれぞれのキャラを強く印象付け、それを踏まえたうえで勝利するのではなく、ともに歩むために対話をする、それが本作のプリキュアで伝えたいことなんじゃないかと、考えていた。

プリキュアが正しくて、ノットレイダーは悪なのか?

ほかの星を侵略し、宇宙の支配をもくろむノットレイダーは確かに、悪なのだろう。ただ、彼らには彼らの背景、信念、そしてどうしようもなく変えることのできない現実が目の前に存在しており、更にノットレイダーに救われた人々がいたのも事実なのだ。
対して、地球の中でぬくぬく育ってきたひかるやその仲間たちの、宇宙を守る、フワを守るために行われる戦闘の中で、ただ歩み寄りたいという理想論を振りかざすだけの戦闘は、正義といえるのだろうか?(女児向けアニメ…??)

復讐が復讐を生む連鎖のなかで、それを止めるために冒険の中で様々な境遇を知り、戦闘は倒すためではなく、相手を理解し受け入れあうことで争いをなくすことができる、それを行えるような自分 そんな憧れた自分を理解し、それに向かって成長していく。そんな主人公たちの話であった。

最後に

そんなように、敵側のノットレイダーの環境と、プリキュアメンバーたちの心のしがらみを深く描き、更に自分とは違う人々と出会うことで、各キャラの心のイマジネーションを見つけるための物語だった。

劇場版に関しては、プリキュアおじさんからは劇場版の中でもかなり高い評価を受けているらしい。
内容としては、ララに重きを置いて、彼女の成長を描いた物語だったが、もし興味があったらこれはアマプラで無料で見れたので70分かけてみてほしい。
存外、スタプリの前情報がなくても理解できる良い構成なので、初見でこれだけでもいけるかもしれない。

個人的には、やっぱりララがかわいい…のと、プルンスが予想以上に有能(彼がいなかったら話が成り立たない)ので、結構好きなキャラになりました。
続編期待してます。

では、キラやば~っ!


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