4月4日 マルチ商法の前線
本日は新聞記事ではなく、マルチ商法の仕組み・システムについて貴重なお話を聞けたので記事にしていこうと思う。僕は以前、大声で勧誘するアムウェイ(マルチ商法界2位)のお兄ちゃんに受験勉強を邪魔されたので、正直はらわたが煮えくり返りそうなくらいマルチ商法は嫌いだ。しかし、システム回りは非常に洗練されていて、考察するに足ると感じる。決して商品を勧めるわけではないので安心してほしい。
マルチ商法とねずみ講の違い
まず、軽くおさらいしておく。ねずみ講は勧誘による会員費が直接の収益となるのに対して、マルチ商法はあくまでも商品を購入することで収益を得ようとする。ねずみ講は違法だが、マルチ商法は合法だ。マルチ商法は別名MLMとも言う。
マルチ商法の仕組み・システム
1. 会員の勧誘人数に制限をかける
以前のマルチ商法なら「広めれば広めるほど良い」というのは常識であろう。しかし、現在のシステムでは「バイナリー」と言って2人までしか紹介できない(後に紹介する方法ならば増やせる)。更に紹介した人はどうなるのか?画像右のCさんやDさんのように1世代目の下につくことになる(自分が紹介した人を1世代、紹介した人が紹介した人は2世代と呼ぶ)。勿論、下にいけばいくほど紹介マージンは得にくくなる。
OLD(左)は一般的なマルチ商法のネズミ方式。NOW(右)は新システム(特許取得済み)
2.勧誘人数を増やすためには、更に高額商品の購入が必要
入会時に基本料金+「バイナリー」の人数を増やすプランがある。基本2人のプランは3万程度、5人まで直接勧誘できるプランは15万程度だ。世代が下がるほどマージンが得にくくなるので、自分が直接勧誘できる人数を増やした方が効率は良い。つまり、勧誘で稼ごうと思うならば、必然と直接勧誘人数の多いプランを選択するだろう。
3.一番大きな枝は会社の利益、その他の枝は自分の利益
更に直接勧誘人数のプランを取りたくなる理由がある。契約に「一番大きな枝は会社の利益となります。その代わり、その他の枝は紹介者の利益になります。」とあるため、図のように多くの直接勧誘人数を持っている人はその分、自分のマージンも大きくなる。対照的に、2人しか直接勧誘出来ないとなると、1つの枝からしか収入が入ってこない。
まとめ
1.2.3からわかるように、多くの人は収益を増やしたいがためにより多くの勧誘人数・枝を作れるプランで契約すると思う。ここがミソであるのは、枝を大きくしたい→高いプランを買う→儲けるため多くの人に紹介する→枝を大きくしたい・・・のループに持ち込める点だ。今までのマルチ商法には、儲けたい人はとにかく商品を売り込んで買わせることが出来れば良いので、儲けたい人が高い商品を買うインセンティブは無かった。このシステムは、商品を良いと思って買う人でなく、儲けたいと野心を抱いている人間ほどドツボにハマるように出来ている。故に、昨今インスタなどで見かける金持ち自慢は、その手のアピールなのであろうと予想できる。(マルチ商法がその性質を帯びているというのは置いといて・・・)
感想
僕はマルチ商法を見くびっていた。「どうせ売れない商品を押し付けてくるのだろう」と思っていたが、いい意味で期待を裏切られた。きちんと売れる理由があった。
また、仮想通貨でもMLMのシステムを活かして、ビットコインマイニングの権利を売り、毎月自動で儲けが出るという商品もあるらしい。見せて頂いた結果は、70万投資で3か月運用して2万の儲け。利回り11%で元本を取り戻すのに約10年かかる計算だ。ただ、ビットコインの価格が跳ね上がったら更に利益は大きくなる。(直接70万投機したほうが早くね!?)
ただ、僕の見解としては、マルチ商法はビジネスなどではなくただの勧誘商法だし、言ってしまえば接客業だ。もし本気で何か生業にしたいのであれば、マルチ商法はオススメできない。あくまでも個人事業主であるし、キャリアという点からも全く評価されない。趣味程度の位置づけであろう。