#0129【名参謀の意外な行動力(張良)】
1日1分歴史小話メールマガジン発行人の李です。
今週は古代中国から「高祖劉邦の三英傑」を紹介していますが、トリは張良(ちょうりょう)です。
張良は高祖が天下を取るにあたっての参謀役を務めました。
知恵者として数々の献策を行いました。企業でいえば経営戦略部や企画部担当役員といったところでしょうか。
天下統一後は、第一線を外れて隠退して仙人修行に励みます。これも現代に置き換えるとベンチャー企業を起業してIPO(株式公開)後にアーリーリタイアメントを実践したような感じでしょうか。
引退後も頼られれば助言を行いますが、あくまでも正式な役職にはつかず、名誉顧問的な立場に終始します。
そのため、韓信や蕭何のように疑われることなく余生を全うします。このあたりも知恵者としての面目躍如といったところです。
以上のことから、張良はとてもアタマの切れる賢い人で、現場で汗水をかいているイメージよりも会議室で戦略を立てる涼やかな人物像だと思います。
出身も秦の始皇帝による天下統一の過程で滅ぼされた韓の国の宰相一族でした。滅ぼされたとはいえ、それなりの財産を残していたといいます。
しかし、張良はその財産全てを賭けて実行に移したことがあります。
それは「始皇帝暗殺計画」です。
始皇帝は天下統一前に二度暗殺未遂事件にあいますが、天下統一後は一度だけで、それを計画したのが張良でした。
彼は残された財産を刺客養成に充てています。自分の弟が死んだときには葬式代にも事欠くような有様だったといいます。
そして、天下統一の威光を示すために全土を巡行していた始皇帝の行列に刺客が放った鉄槌が飛びます。
しかし、事は実らず、始皇帝が乗っていた馬車にはあたりませんでした。
張良はテロリストとして追われる身になりました。潜伏中に兵法書を学び、戦略眼を養っていきます。
その後、高祖の陣営に迎え入れられ、秦を滅亡させます。さらに高祖に天下を取らせることにも成功します。
テロリストからの華麗な転身を果たした張良でした。
以上、今週の歴史小話でした!
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