Is the world getting better.
https://www.ted.com/talks/steven_pinker_is_the_world_getting_better_or_worse_a_look_at_the_numbers/transcript
最新のデータを使って 同じ尺度で 現在と30年前を 比較してみましょう 昨年のアメリカにおける 殺人件数は 10万人あたり5.3人 貧困層の割合は7% 微小粒子状物質(PM)の放出量は 2100万トン 二酸化硫黄の放出量は 400万トンでした 一方 30年前はと言えば 殺人の犠牲者は10万人あたり8.5人 貧困層の割合は12% PMの放出量は3500万トン 二酸化硫黄の放出量は 2000万トンでした
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世界全体で見たらどうでしょう? 昨年 12か所で戦争が起きていました 独裁国家の数は60 極貧層は全人口の10% 核弾頭の数は1万発以上 30年前はというと 23か所で戦争が起きていて 独裁国家の数は85 極貧層は全人口の37% 核弾頭の数は6万発以上でした 確かに 昨年は テロにより 西欧で238人が犠牲になったという ひどい年でしたが 1988年はもっとひどく 440人もの犠牲者がいました
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データを見てみましょう まずは最も大切なもの 寿命から 人類の歴史のほとんどの期間において 平均寿命は30才程度でした 今では 世界平均で70才以上 先進国では80才を超えています 250年前には 最も豊かな国でも 子供の3人に1人は 5歳の誕生日を迎えられませんでした 死亡リスクが百分の1に 低下する前のことです 今では 最貧国でも 乳幼児死亡率は6%未満です 飢饉はヨハネの黙示録の 四騎士の1人であり 世界中のあらゆる場所に 打撃を与えるものでした 現在では 飢饉は とてもへんぴな場所か 戦争により荒廃した地域に限られます 200年前には 世界人口の90%が 極度の貧困にあえいでいました 今では10%未満です 人類の歴史の大部分において 強国や帝国同士は ほとんどいつも 互いに戦争していて 平和は 戦争の合間の つかの間のものでした 今では 大国同士は 決して戦争などしません 最後の大国同士の戦争は 65年前の 米中間の争いでした その後は いかなるタイプの戦争も 数が減り 死者が減っています 年間の戦死者数は1950年代前半には 10万人当たり22人だったのが 今では1.2人となっています 民主主義は ベネズエラ、ロシア、トルコで 明らかに後退しており 東欧やアメリカでは 権威主義的ポピュリズムの台頭で 危機にさらされています それでも この10年で 民主主義がかつてない広がりを 見せており 世界人口の3分の2が 民主主義国に暮らしています 無政府状態や復讐の掟が 法律に置き換わるとき 殺人の頻度は 急激に減少します これは 欧州が封建主義から 中央集権国家に移行したときに起こり 現在の西欧で 人が殺される確率は 中世に比べ 35分の1に過ぎません 同様の減少は 植民地時代の ニューイングランドや 保安官が街に駐在し始めた 開拓時代のアメリカ西部 それにメキシコでも 起きました
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実際のところ あらゆる面で安全になっています 20世紀を通して 自動車事故で死亡する確率は 96%減少し 歩道にいながらも 車にひかれる確率は88%減少 飛行機の墜落事故で 命を落とす確率は99%減少 仕事中の事故で 命を落とす確率は95%減少 天災によって命を落とす確率も 89%減少しています 干ばつ、洪水、山火事、嵐、噴火 地すべり、地震や隕石の落下といったものですが それは 神の人間への怒りが 納まったからというよりは インフラの耐久力が 高まったおかげです 神の業の中でも代表的な ゼウスが放つものは どうでしょう? 落雷によって命を落とす確率も 97%減少しています
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17世紀以前には 欧州における識字率は 15%未満でした 欧米では20世紀中頃までに 識字率がほぼ100%になり 他の国もこれに追いつきつつあります 現在では 世界全体で 25才未満の人の90%以上が 読み書きできます 19世紀には西洋人は 週に60時間以上働いていましたが 今では40時間未満です 水道や電気が 先進国の至る所で整備され 洗濯機や掃除機 冷蔵庫、食器洗浄機、コンロや 電子レンジが普及したおかげで 家事に追われる時間は 週あたり60時間から 15時間未満になりました
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健康、富、安全、知識、余暇 といったものが改善されたことで 我々はより幸せに なったのでしょうか? 答えはイエスです この数十年の間に 86%の国で 幸福度が高まりました
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何かが起こるからニュースになるのであり 何も起こらなければニュースになりません だからリポーターが 「40年間平和な国から 生中継でお届けします」とか 「テロ攻撃を受けなかった都市から お届けします」と言うのを目にしないのです それに 悪いことは 突然起こるものですが 良いことというのは 「1日にしてならず」です 新聞は 25年間毎日 「昨日 13万7千人が極貧状態から 抜け出しました」という見出しを 載せ続けることだって できたんです 12.5億人が貧困から 抜け出したということですが そんな記事を 目にすることはありません またニュースというのは 悪化するものに対する 我々の関心につけ込むもので それは「流血優先」という 記事選別基準に現れています 認知的なバイアスと ニュースの本質を合わせて考えれば 世界がなぜ長年にわたり 「終焉を迎えつつ」あるのか 理解できます