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アート思考の核にある『心意気』こそが大切なのかもしれない
みなさんこんにちは、ヘルスケア・フィットネス事業のお仕事や学びを支援している工藤です。
昨今、「アート思考」というワードをよく目にします。
アート思考について複数の情報源を見聞きしても、まだ概念が抽象的で、体系化されていない(できない?)ように思います。
発信者によって解釈の仕方が異なっているため、言葉にするとバラバラです。
・自分だけの答えを見つけるためのもの。
・想像力の鍛え方。
・理想とする信念や哲学を表現するもの。
などなど。上記はアート思考を説明している文章のほんの一例です。
・・・アート思考とは一体何なのでしょうか?
なんとなく、アートっぽい考え方・・・。
論理的思考とは異なるもの・・・。
このような断片的な理解では、実践で使えるものにはならないと思います。
例えば、昨年私が発信したこちらの記事。
こちらもアート思考を題材にした本を基に作成しました。
しかし、時間が経ってから見返してみると、著者・末永幸子氏のバックボーンである「美術教師」の特色が強く出ている解釈のように思えます。
なぜなら、アート思考を説明するために用いられているものが、全て美術作品だからです。
単純な私は、その後美術館に通ったりしましたが、当然のごとくそれだけでアート思考が身に付くことはありませんでした。
私の場合は、美術を何かに置き換えなければならなかったのです。
美術は私にとっては日常からかけ離れていて、『違う何か』を介してアート思考を理解する必要があったのだと思います。
私がそのように考えるきっかけとなったのは、こちらの書籍を読んだことでした。
アート思考のモノづくり/延岡健太郎
なんと、アート思考の本に、絵画は一枚も出てきません。
ものづくりを軸に、全体の雰囲気がマッチョな感じで正に「漢」といった内容です。
乗用車販売会社の「マツダ」。
かつて同社に従業員として所属していた、現経営学者・延岡健太郎氏の著作です。
延岡氏はこのように述べています。
「アート」とは何か、人によって、また使い方によって、様々な意味や解釈がある。
「アート」が様々な意味や解釈を持つならば。
「アート」×「思考」で構成される『アート思考』という言葉は、さらに様々な意味や解釈を持つはずです。
絶対の答えは無い。
混乱してしまいそうですが、それこそがアート思考の持つ答えなのかもしれません。
さて、そうは言っても、ある文脈で『アート思考』がどのような意味や解釈を持つか、定義しなければ、そもそも言葉として機能しません。
本書ではこのように示されています。
本書では一貫して、アートの役割が「自らが理想を描き、その信念や哲学を創造的に表現する」という点に焦点を当てる。
これは非常に明快で、奥深い言葉です。
行動原理として、核に持っている考え方。
本書の文脈ではビジネスが中心になります。
つまり、ビジネスの行動原理として核に持つ考え方。
人の奥底にある、心意気。
強い意志。
それらをビジネスで体現する意思や考え方を、本書では「アート思考」と表現しているのではないか。
私はそのように解釈しました。
強い意志、心意気を核に持ってビジネスに取り組んでいるのか。
私は本書を読みながら自問自答をしました。
と、考えている私の解釈もまた、どこか偏りがあるはずです。
アート思考とは一体何なのか?
人の数だけ、答えはあるのだと思います。