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「直感的で早い思考」&「合理的だけど怠け者で遅い思考」
みなさんこんにちは、ヘルスケア&フィットネスのお仕事をサポートしている工藤です。
本日のテーマは「心の成り立ち」です。
先日、こちら記事を発信しました。
テーマは感情と論理です。
両者はどうにも両立が難しい。
感情的になると勢いが出ても、冷静ではなくなってしまう。
正しい論理だけでは人の共感は得られない。
感情と論理には、それぞれメリットとデメリットがあります。
しかし、それを自在にコントロールできる人はそういないと思います。
それはどうしてでしょう?
本日は「心理学」の切り口から感情と論理を対比してみます。
こちらの書籍を基に話を進めていきます。
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか?/ダニエル・カーネマン
著者のダニエル・カーネマンは心理学者にしてノーベル経済学賞を受賞しました。
肩書だけ見ると、たいそう難しい本なのかな?と思いがちですが、本書は大変読みやすい内容です。
人は合理的に正しい判断を行っているか?
これは本書のメインテーマです。
人間は様々な認知バイアスによって合理的な意思決定が歪められてしまう。
それを設問を通じてわかりやすく説明してくれます。
序盤では、二つの思考システムが紹介されています。
システム1・・・速い思考
システム2・・・遅い思考
システム1およびシステム2という名称は心理学で広く使われているそうです。
速い思考を理解するために、次の写真をご覧ください。
このキャラクター、どんな表情をしていますか?
写真を見てすぐわかると思います。
ピンクの象のキャラクターが笑っています。
では、続いてこちらの問題をご覧ください。
17×24
見たまま、掛け算の問題です。
ぱっと見た瞬間に答えは出てこないのではないでしょうか。
電卓でなければ、紙とペンが必要になるでしょうか。
そう、これがシステム1とシステム2の違いです。
「システム1」は自動的に高速で働き、努力は全く不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。
「システム2」は、複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。システム2の動きは、代理、選択、集中などの主観的経験と関連付けられていることが多い。
笑顔だとすぐわかった時に使われたのがシステム1。
考えてから答えを出そうとした掛け算の問題で使われたシステム2。
2つのシステムは日常で無意識に使われています。
それにより思わぬ失敗をすることもあるのです。
まずは、いま自分が使ったのはシステム1?
それともシステム2?と自問してみるだけでも、出てくる答えが変わってくるかもしれません。