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経営学を追求すると、人としての心構えが土台にあることがわかる
みなさんこんにちは、工藤です。
最近、「新規事業」や「起業」に関する書籍を本屋で見かける機会が増えてきました。
ニーズが高まっているということでしょうか。
私の場合、望んでというより、20代からたまたま新規事業に関わる機会が多く、自然とキャリアもそちらの方向に進んでいきました。
そのため独学でスキルを高める必要がありました。
30代で参考にした書籍のひとつがこちらです。
起業の科学 スタートアップサイエンス/田所雅之
ベストセラーなのでご存知の方も多いと思います。
著者の田所雅之さんは、本年さらにボリュームを増したこちらの本も出版されています。
起業大全 スタートアップを科学する9つのフレームワーク/田所雅之
田所雅之さんは「ユニコーンを1,000社創造する」ことをミッションとして、ご自身でも数多くのスタートアップを起業、また、世界中のスタートアップと接してきた経験を持っています。
上記の2冊は共にその経験が集約された書籍です。
さて、その田所さんがTwitterで起業家必見の書として、こちらを紹介していたことがあります。
ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則/ジム・コリンズ
日本ではビジョナリー・カンパニーは1~4のシリーズとなっています。そのため私はどうして『2』のみピックされているのだろう?と不思議に思っていました。(その時点では未読でした)
よく調べると、原題は「ビジョナリー・カンパニー」ではなく、ビジョナリー・カンパニー1が「Built To Last」、2が「Good to Great」であるなど、それぞれ独立した読み物となっていました。
その中でもビジョナリー・カンパニー2は『時代を超えた法則』がまとめられ、シリーズ2作目となっているものの、1よりも先に修得し、実践すべき内容が盛り込まれています。
同書で解説されている『弾み車の法則(概念)』は、後にそのエッセンスがまとめられた本が出版されたことからも、その重要性がわかります。
重い弾み車と同じように、偉大な会社が短期間で成功を収めることは無く、一定期間の歳月を要していることを示す概念です。
本書では様々な観点が述べられていますが、本日はその中のひとつ、『第五水準のリーダーシップ』についてご紹介します。
ビジョナリー・カンパニー2では、調査の過程でリーダーシップを5段階に分類しています。
①有能な個人
②組織に寄与する個人
③有能な管理者
④有能な経営者
⑤第五水準の経営者
第五水準のリーダーシップは、企業で見られる能力の最上位を示しています。
また、第五水準の(リーダーシップを持つ)指導者が持つ心構えについては次のように説明されています。
第五水準の指導者は、自尊心の対象を自分自身にではなく、偉大な企業を作るという大きな目標に向けている。我や欲が無いのではない。それどころか、信じがたいほど大きな野心を持っているのだが、その野心は何よりも組織に向けられていて、自分自身には向けられていない。
謙虚さと意志の強さを併せ持つということですね。
また、第五水準の指導者に共通する特徴のひとつがこちらです。
第五水準の指導者は成功を収めたときは窓の外を見て、成功をもたらした要因を見つけ出す(具体的な人物や出来事が見つからない場合には、幸運を持ち出す)。結果が悪いときは鏡を見て、自分に責任があると考える(運が悪かったからだとは考えない)。
人として基本的なことですが、私はこれを見て反省する部分がありました。
油断するとつい、良い時は自分の実力(内部要因)、悪い時は他のものごとのせい(外部要因)にしてしまいがちだったからです。
結果が良かった時には内部要因、悪かった時には外部要因に目を向けられるような人間を目指していくこと。
それが本書の研究からも、非常に大切であることが分かります。
ビジョナリー・カンパニー2は、経営学だけではなく、人間性の原理原則が述べられているため、田所雅之さんも紹介していたのではないかと思います。