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僕のタイ旅行記 第12回 クロントゥーイ市場

僕が最もタイを旅するにあたって楽しみにしていること、それは市場巡りだ。

市場は大小に関わらず、そこに住んでいる住民の素の表情がはっきりとわかる場所でもある。僕にとって、ありふれた観光地の名所よりも、地元民で溢れている市場を訪れている時のほうが楽しい。

タイの首都バンコクも例外ではない。バンコクには首都だけあって個性的な市場がたくさんあるが、今回はその中でもローカル色が強く溢れていて、強烈な印象が残っているクロントゥーイ市場を紹介しよう。

この記事を読めば、タイの市場がどんなところなのかよくわかるので、興味のある方はぜひ読んでいただきたい。


バンコク クロントゥーイ市場とはどこにあるのか?


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クロントゥーイ市場へのアクセスは簡単だ。MRTのブルーラインの地下鉄で、アソーク地区にあるスクムウィット駅から一駅行った「クイーンシリキットセンター駅」で下車して1番出口から歩いて5分ほどで到着する。

このクロントゥーイ市場、食材に関しては何でもありという感じで、しかも24時間営業という大変エネルギーに溢れた市場である。

なんでもバンコクで屋台を開いているほとんどの人が、ここへ屋台で使用する食材を買い付けに来るらしい。まさに、バンコクの台所と言っても良い場所だ。。


この市場は観光客向けのお店は無くて、当然英語は全く通じない。さらに市場の地面は、肉魚の生臭い匂いと油が染み込んで臭くて滑りやすい。どこかのサイトで、靴に匂いが染み付くといったのを見た僕は、靴を守るために日本からビニール袋を持ってきて靴を覆った。


まあ結果的には余計な心配ではあったのだが。


恐怖の高圧電線


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市場近くの歩道橋を渡ると、目の前に電線がこんな感じでむき出しの状態になっていた。高圧電線が手すりを挟んですぐ真横にあるという日本ではあり得ない光景である。

もう手を出したら完全に触れてしまうくらいの距離。うっかりこれに触ってしまったら、間違いなく感電して命を落としかねない。タイではこのようなことは、全て自己責任という理不尽な状態なのた。うっかり事故にあっても、誰も同情してくれないかもしれない。

ちなみにタイという国は、このように先々のことを考えずに何かを造ってしまうのが当たり前になっている。だから常に周囲に気を配って歩かなければならないことをここで伝えておきたい。


クロントゥーイ市場 雑貨店


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そんな危険な歩道橋を通過して、クロトゥーイ市場に到着。


入口の周辺にはそこまで緊迫した雰囲気というのは無く、主にお菓子や日用品が販売されていた。

上の写真は洗剤の売り場である。あらゆる洗剤が陳列されてあって、品揃えはかなり豊富な様子。もしかしたら、スーパーよりここで購入したほうが安いかもしれない。


お菓子売り場のお菓子は、バラ売りはやっていないがどれもこれも美味しそうで、お土産としてもベストなのではと思った。衣料品のお店も多くあって、街中のショッピングモールのような雰囲気である。

「なんだ、緊張感っていうけどそうでも無いじゃん」

とここにいた時は思っていた。

しかし、奥に入るにつれて、僕はクロトゥーイ市場の真の姿を見ることになるのであった。


クロントゥーイ市場  鮮魚売り場


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最初に訪れたのは、鮮魚市場。

ここでは、見ての通り活きの良い魚がたくさん売られている。ほとんどの魚は、日本の鮮魚店ではほぼ見かけない、東南アジア独特の魚がほとんどであった。


全ての魚は直接板の上に、かなり適当に並べられて販売されていた。


写真に写っている魚は、名前はわからないがかなり大きな魚で、その値段も1匹40バーツ(約160円)と、日本の感覚で考えたら破格の安さである。


さらにこの魚、まだ微かに生きていた。完全に死なすことはタイではやらないのか。最後の悪あがきみたいな感じで、今にも板の上から飛び出してしまいそうな雰囲気の魚も中にはいた。


歩きながら思ったのだが、市場の雰囲気は事前の予想以上に張り詰めていた。店の人は大声をあげて自分の商品をアピールし、対する客は少しでも良い品を購入しようと真剣な目つきで商売していた。

バイクやリヤカーが市場内を行き来し、怒鳴り声をあげながら移動していく。

僕にとってはエキサイティングな場所だが、やはり観光客が安易に行くところではないとも思った。


クロントゥーイ市場 野菜果物売り場


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鮮魚市場で、中々センセーショナルなものを見てしまったので、口直しの意味も込めて青果市場へと足を運ぶことに。鮮魚市場と違い、こちらは平和でのどかな空気が流れていた。

様々な種類の野菜や果物がそこでは売られていて、かつ色鮮やかなので見ていて楽しい。

そして驚くのはその価格である。1個単位なのか1キロ単位なのかよくわからなかったが、写真に写っているパイナップルの値札には「10」または「15」と書かれていた。

10バーツだとしたら、日本円で40円ほどである。もしこれが1個その価格だとしたら、ひっくり返ってしまうくらいの安さだ。日本の感覚からしたらまずあり得ない。


写真の奥に写っている野菜類も、5バーツとか10バーツで販売していた。それにしてもタイを始め東南アジアの市場には、葉物系の野菜が多い。


クロントゥーイ市場 精肉売り場


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色鮮やかな青果市場で心が落ち着いた僕は、続いて精肉市場に足を踏み入れた。

売り場が近づくにつれ、店の人の怒号が響き渡るようになり、緊張感が漂よってきた。改めて気を引き締め、思い切って精肉市場に足を踏み入れた。


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上の写真で見てもわかるが、これ、なんともおぞましい光景だ。

鶏の全ての部位の生肉が、これでもかというくらいに山盛りに積み重ねてあって、かなりグロテスクな絵である。


おそらくだが、ここには鶏の部位と言える場所全てがあるのではないか。


1つ1つの肉をじっくり眺めてみたら、新鮮で美味しそうに見えるのだが、山積みにされていて見た目が悪く、美味しそうに見えなかった。そして時々、肉の上に数匹ほどハエが止まっていた。

足元は肉の脂の影響でとても滑りやすくなっていた。市場に入る際に靴を覆っていたビニール袋が、ここで役に立った。足元に気をつけながら、精肉市場をゆっくりと散策してみる。


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そうしたら、さらに凄い光景に出くわしてしまった。

ここでは、牛や豚の頭や足が丸ごと売られている。一体どんな料理に使うのであろうか?僕はただただ驚くばかりであった。何食わぬ顔で肉を捌いて売っている従業員は、真のプロフェッショナルと言えるだろう。


ふと思ったのだが、よく考えてみるとこの市場で多くの屋台の料理人がここで食材を買い付けている。ということは、旅行中に屋台で食べた食材の中にこの肉も入っていたということになる。

食べている時はもちろんなんとも思わなかったのだが、この光景を見てしまうとなんだか複雑な気持ちになった。いや、全て火は通っているのだから腹を壊したりはしないのだが。


これだけでも、十分強烈だったのだが、精肉売り場の近くにはさらに強烈な光景が待ち受けていた。


クロントゥーイ市場  生きたアヒルとカエルが売ってた


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市場の隅っこでは、生きた状態で売り物にされているアヒルを見てしまった。

薄汚いオリの中を恐る恐る覗いて見ると、1つのオリに10羽適当にアヒルが入れられていた。しかもこのオリ、まったく掃除がされておらず、フンや羽がオリのあちらこちらにくっついている。

汚いままでとても不潔な環境だ。

そしてよく見ると、オリの上には人間の手で捌かれたであろうアヒルの肉が生々しく売られていた。これ、初見で見ると中々ショッキングな光景である。


オリの中にいるアヒル達は、これから自分の身に降りかかる運命を理解しているのであろうか?


そして、こんな過酷な環境でアヒルを捌いて売り続けている人間もすごい。心から称賛したくなってしまった。


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もう少し、オリに近づいて写真を撮って見る。

こちらにいたのは、ニワトリだった。
やはり、汚くて羽にまみれたオリの中で、捌かれるのを待っている状態である。


生きたまま置かれているということだから、生きたまま買っていく人もいるんだろうか?途上国では、ごく当たり前に見る光景ではあるが、日本の感覚からすると中々信じられない光景かもしれない。


この他にも、クロントゥーイ市場では生きたカエルをそのまま売られていたり、カエルを殺して皮をはいで、カエルの形をキープしたまま肉にされた状態で売られている光景を見ることができる。


カエルの肉なんて、日本では中々見ることができないのだが、見た目は気持ち悪かったが鶏肉のような外見をしていて、何も知らずに食べたら鶏肉と確実に間違えそうな感じであった。


とは言え、カエルが苦手な人には直視できないそのグロテスクな姿は、カエル嫌いの人はトラウマとして一生目に焼きつくであろう。


この光景を写真に収めたかったのだが、店の人がなんだか険しい顔をして座ってたので、撮影すると怒鳴られるんじゃ無いか?と不安になってしまったので、結局撮影することはできなかった。

まあ、気軽に撮影するような場所では無いのは確かである。



最後に


今回は、簡単ではあったがバンコク最大の市場の一つであるクロントゥーイ市場を紹介して回ってみた。

活気があり時には怒号が飛び交うという緊張感にあふれた市場であったが、タイの日常に色々触れることができたので、すごく楽しい時間を過ごせたと思う。

普通の観光地に飽きてきたなら、勇気を持って行って欲しい場所としておすすめしたい。

ただし、スリなどのトラブルには気をつけるように!


次回も、タイの旅行に関して書いていく予定。

しつこいかもしれないが、もう少しお付き合い願いたい。

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