私のたきび
みなさんは「たきび」をご存知だろうか?
そう「たきび」。木を燃やすあれだ。
焚き火(たきび)とは、広義では、火を焚くこと、火を燃やすこと、および、その火を指す[1]。狭義では、木の枝や落ち葉、薪などを地面その他の一箇所に集めて燃やすこと、および、その火を指す。伝統的には焚火(たきび、ふんか[1])と読み書きし、そのほか、たき火とも記す。落ち葉を使った焚き火は落ち葉焚き(おちばたき。季語としては落葉焚)と言う。
基本的に直接に地面で行われるが、キャンプなどでは専用の焚火台(たきびだい、ふんかだい。焚き火台)が用いられることもある。
引用:wikipedia
私はいま大阪に住んでいるが地元は三重県の伊賀市というところだ。いわゆる田舎で、周りは田んぼや山だらけ、最寄駅はチャリで20分。コンビニは車で5分。隣の家は最近まで牛を飼っていた。そんなところで高校卒業まで育った。
私には35歳になったいまでも仲のいい幼馴染が4人いる。3歳からの付き合いなのでかれこれ32年来の友人だ。この期間、数年一切連絡も取らず合わない時期などもあるが、いまではLINEグループがあるのでたまに連絡をとりあったりはしている。そんな僕を含めた幼馴染5人が昔からずっと好きな遊びがある。
そう。それが「たきび」だ。
最初にたきびをしたのはおそらく中学生くらいのころだろう。中学生になり新しい友達ができ、近くのジャスコにいったりしてイキりはじめるころだ。そうゆう遊びも普通にしていたが、ぼくはやはりたきびがすきだった。
適当にそこらへんの木の枝や落ち葉をあつめて、たまには大き目の木を斧でぶったぎって燃やしていた。缶コーヒーを家からもちよってそのまま放りこんで「あち、あち」言いながら飲む。どうでもいいような意味のない話をえんえんとする。そんな感じだ。
日が暮れてくるとオレンジに色に染まった空と炎の色。
もう少し暗くなると、炎の灯りでしか回り見えなくなり、たまに月夜が差し込んで少し明るくなる。
消すときはみんなおしっこで炎を消す。
なんとも中学生がやるようなことではないが僕は好きだった。
いつものメンバーでいつもの場所で同じようなことを延々としていた。
イケてる高校生
それから高校生になり私は部活で忙しくなりあまりそうゆう機会はなかった(ほかの幼馴染はしていたのかもしれないが私は知らない)
高校時代、ぼくはおそらく、いわゆる「イケてるグループ」に属していたと思う。基本的には部活でいそがしかったが、そんななかで「休みの日に何して遊んでる?」といういかにもイケてるグループらしい答えが求められている質問が飛んできた。
皆が求めていた答えはきっとこうだろう。
「アメ村のクラブにオールで行くのが好きかな」
「栄のクラブハウスに好きなバンド見に行ってる」
あとはそうだな
「彼女とキタいって買い物してるな」
とかだろう。
※もっとイケてる答えもあるがいろいろ公にできないこともあるので割愛
しかし、僕の答えはこうだった
「え?たきび。」
即答だ。
だいたいみんなの顔はこんな感じだった?
( ゚Д゚)
そらそうだろう。おまえはおじいちゃんかと。
いわゆるイケてるグループに属する私が好きな遊びが「たきび」だとは
だれも思わなかっただろう。しかし私は一寸の迷いもなく即答する。
「え?たきび。」
自身満々に答える僕に、間をつなぐために質問が重なる?
「だれとしてんの?」
「地元の幼馴染やで」
よかった。一人で。だったらもうだれもフォローできないだろうが、ぼくにはたきびをこよなく愛する(おそらく愛しているはずだ)幼馴染がいた。
これ以来、ぼくはいわゆるイケてるグループからは外れたような気がする(そんな大げさな話ではないが)
と、まあたきびが好きだった。
都会に出た田舎者
そして大学生になり大阪にでるやつや(僕もその一人)、地元に残るやつもいてバラバラになった。
私は大学生時代はまあ遊び惚けていた。
・バイト(バー)
・麻雀
・ゴルフ
・ボウリング
・ビリヤード
・サウナ
・スロット
・ダーツ
都会にでた田舎者はまあこんなもんだ。
23歳くらいまではずっとこんな感じだった。
たまに地元に帰ることもあったがほとんど帰らなかった。
就職して
仕事がはじまってからは大学生時代に遊びまくっていたこともそんなにできなくなり、また仕事も忙しくて、その忙しいなかでも楽しさがあり、それに夢中になっていた。
たまーに地元に帰ることがあったがその時は地元のみんなに声をかけてたきびをしていた。
そして30歳を過ぎて、いまではみんな家族もあり子供もでき、なかなかそうゆう自由な時間があるわけもなく、私も地元に帰ることが少なくなってきた。
たきびとはなんだったのか
最近ふと思うことがあって、なんでそんなたきびが好きだったのかちょっと真面目に考えてみたのだが
私が出した答えはこれだった。
「たきびは好きじゃない。」
そうたきびは好きじゃないのだ。
よくよく考えたら、夏は暑いし冬は寒い、たきびのにおいで服や髪の毛は臭くなるし、すすもつくし、何一ついいことはない。
ただ
「いつもの場所で」
「いつもの仲間で」
「どうでもいいようなことをグダグダしゃべる」
この3つが満たされればそれでよかったのだと。それをするための口実がたきびだったのだと。
大学生のときは、バイトや麻雀をするときもちろん
「いつもの場所で」
「いつもの仲間で」
「どうでもいいようなことをグダグダしゃべる」
この3つを満たしている。
仕事もそうだ。
いつもの場所(会社)でいつもの仲間(同僚)でどうでもいいようなことをグダグダしゃべる(仕事以外のときは)。
結婚して家族になることも同じだ。
世間では、会社員はつらい(脱社畜!)や、結婚したら終わりだ、などいわれることもあるが、私は一切思わない。
仕事も楽しいし、家族も最高だ。
それはきっと
「いつもの場所で」
「いつもの仲間で」
「どうでもいいようなことをグダグダしゃべる」
この条件がすべて満たされているからなんだろう。
そしてこの3つの条件を満たす「たきび」のようなものがたくさんあればあるほど人生が楽しく豊かに暮らせる気がしている。
私はいま3児の父だ。
子供たちには、これからたくさんの「たきび」を見つけていってほしいと願っている。
育児や双子のことを主に書きますが、たまに関係ないことも書きます。サポートいただけるとうれしいです。