成年後見人を決める前に
成年後見人とは……。
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成年後見人とは、認知症や知的障害等の精神上の疾患により判断能力が著しく低下した方の財産を保護するために、家庭裁判所から選任されて、ご本人の財産保護や身上監護を行う者のことです。
]]]]]]]]]]]]]]]] 引用終わり。(家庭裁判所云々だけ強調する理由は後でわかります)
認知症などで自己判断ができなくなると、悪い人間が近寄ってきます。金銭をだまし取られたり重要なものを紛失します。本人が一人暮らしだろうが家族と一緒だろうがトラブルになるのは同じ。だから第三者が本人の代理として管理しましょうというもの。その第三者は家庭裁判所から法的に認められた人がなります。家族だって後見人になれますが、それは裁判所に申請して認められてからの話です。勝手には名乗れません。以下は他人を信用する難しさを書きます。
家族以外ならば、裁判所が認めた弁護士や司法書士が多いです。その次に市民後見人たち……。彼らは、一度成年後見人になったらよほどのことがないと解任できません。それほど法的に強い威力を持ちます。だからトラブルが多い。裁判所の介入で成年後見人が入ったのに、その成年後見人が悪さをする……その中に弁護士もいる。私は根本的には性善説を信じたいし、悪さをされること前提で話をすすめるのは、空しいことです。が、それでも注意喚起をしておきます。
まず個人的な事情から。
実父が亡くなったあと、母は一人暮らしになりました。遠く離れた地に住まう私は母の成年後見人になろうとしました。なぜならば母は通帳や金銭の管理がまったくできないから。加えて実妹Zに脅されて金銭も出していました。通帳の残高ほぼゼロ。お金がないので保険も一部解約していた。実家はなぜか扇風機やヒーターと家庭用洗剤が一人暮らしなのにたくさんある。めちゃくちゃです。で、認知症の診断も下りたことだし、成年後見人になろうと思いました。しかし家庭裁判所で申し立てをしようとしたら、長女の私が後見人に指名はされず、裁判所指定の弁護士になるという。理由は私の親戚や姉妹同士が不仲だから。
裁判所指定の弁護士を成年後見人にしてしまったら、拒否権はなくなる。つまり断れない。 ← ← ← ならば、母と私を知る弁護士を指名しようとしたらそれもダメ。母が死ぬまでの長い付き合いになるのに、母や私による弁護士の選任決定権ゼロだなんて信じられぬ。理由を聞いても裁判所の窓口のひとは答えない。ネットで調べたら、今の時期弁護士は儲からないので裁判所と結託して仕事を増やそうとしているという。弁護士会はこの説を認めてはいないが納得だ。
裁判所が命じた人間が後見人になると、母が死ぬまで変えられない。しかもその報酬は弁護士の場合、最低でも月に二万、通常三万、財産家は金額に応じてスライドされ、もっとかかる。母には財産はなく、年金収入しかない。それなのにその年金が入る通帳を管理してもらうだけで、そこから数万取られるのは痛い。結果、私は申立を断念しました。
私が裁判所指定の弁護士を後見人にするのを嫌なのは、高額報酬に加えて弁護士ですら横領事件を起こすから。私は叔母が不正した件で横領アレルギーになっています。
弁護士で法的に一番強い立場なのに、平気で横領するのがいる。弁護士だから頼りになる、安心だといい切れるでしょうか。2010~2014年の過去五年の間に、成年後見制度を悪用した弁護士の着服事件が少なくとも六十二件ある。被害総額は実に約十一億二千万円。おそらく係累が少ないそして金満家の認知症依頼者、もしくは法的知識がない家族を狙ったと思う。最低です。司法書士にも同様の事件が報じられています。だから、私は頼まない。
次に市民後見人の話。
成年後見人は弁護士や司法書士の人以外もなれます。それが市民後見人です。これは法的資格を持たぬ一般人。これは月に数万円の報酬はない。だから純粋なボランティアです。依頼人は弁護士に数万も支払えぬ、生活保護者が多い。もちろん真の依頼者は第三者機関の行政がやる。
そういう講座にかよって面接を受けるだけでなれる。一応都道府県によって有償と無償の二種があり金額も違う。この面接ですがよほどのことがない限り合格します。依頼人はお金がなく、年金収入の管理だけ。それだと横領はないと思いがちだが、やはり横領する人はいる。各種年金の横領です。
さて、私はそういう市民後見人希望者の面接をやっている弁護士と知己を得ました。その人は面接では人格を見るという。そんなの数分で見極められるのか。すると彼はある質問をするという。
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「あなたはCさんの後見人です。買い物に行ってレジで三百円支払います。ところがあなたは財布を忘れました。手元に被後見人のお金があります。あなたはそのお金で使いますか。もちろんあとで返すとしての話です」
使わない、というのが、当たり前。
買い物はやめます、で正解。
それでも以下の返答をする人が何割かいるという。
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「あとで返すなら使っても良い」
「その場で借りてあとで返します」
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不合格です。
ちょっとぐらいなら、という芽をそれで摘みますと彼は言う。市民後見人の講座受講者はいろいろですが、その不誠実な回答者、つまり不合格者の中には現役介護士や教諭もいたという。不誠実な性格は、弁護士や教諭などの職業は関係がない。個人のものです。この話を聞いたとき、私はすぐに例の叔母を連想しました。
農協から横領していた叔母はやはり小さいころから金銭的な感覚が狂っていました。叔母は、幼いころから祖母の仏壇の財布からお金を抜き取って「いちもんや」 という駄菓子屋さんで豪遊していました。不審を感じた「いちもんや」 の店主が祖母に忠告して判明した。それでバレタと。母は認知症ながら小さい頃の話ならよく覚えていて教えてくれる。母の唯一の幼なじみも覚えていてウラも取った。横領者って幼いころからそんなことが平気で、できたのかとわかる逸話です。全国津々浦々にいる横領者の小さい頃の話もぜひ聞いて統計を取ってみたいぐらい興味のある話でした。
自由に使える他人の金を前にした不誠実な人間の芽を摘む……候補者への質問は妥当だが、うわべだけとも言える。今回は成年後見人に限らず、立派な経歴があろうが、他人の金との線引きができない人はどの職業でも、どこにでもいる。なのに
誠実さの度合いを見極める方法はない。困ります。
成年後見人を一度決定されたら、たとえ不正が判明しても本人が死ぬまで解任できません。裁判所の決定待ちです。しかも時間がかかります。この制度自体矛盾しています。新規で依頼する人はそこを見極めてよく考えて行動してください。後見人が弁護士になったらすごく高価ですよ。それに弁護士とトラブルを起こしたら弁護士会に告発しても無駄です。
私は別件ですが過去数人の弁護士との関わりがあり、そのうちの一人とは弁護士会に対して懲戒の申し立てをしました。そこまでいっても懲戒会議の内容は教えてもらえないし、結果は懲戒なし。弁護士の権力はこちらの想像以上に独占的で非常に強い。誠実な弁護士の方が多いと信じたいがこういうのも混じっているので始末が悪い。
下記は関連文書です。表に出てこないトラブルが多いので気をつけてください。親が認知症になったのに成年後見人を決めることでかえって悩みが増えます。