変えられるもの

僕は、哲学として
「世界の構造や他人を変えることはできない。変えられるものは自分自身だけ。」
という考え方を持っています。

「他者を変えられない」という点については、他にも同じようなことを考えてる人たちが世の中にいます。例えば「sonny boy」というアニメで「世界は変えられない」というセリフが強調されていたり、林修先生がテレビ番組で数学者の方と対談をして、「できない人は『定数』をどうにか変えようとしてしまうが、自分に変えられるのは『変数』の部分だけ」というお話をされたりしていました。

そして今年の10月ごろ、映画「きみの色」を見て「ニーバーの祈り」を知りました。

ニーバーの祈り
God, give us grace to accept with serenity the things that cannot be changed, Courage to change the things which should be changed, and the Wisdom to distinguish the one from the other.

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%81%AE%E7%A5%88%E3%82%8A

ー訳ー
「神よ、私たちに変えることの出来ないものを受け入れる心の平穏を、変えるべきものを変えるための勇気を、そして両者を見分ける知恵をください。」


ニーバーの祈りは有名らしく、宇多田ヒカルの歌詞にも出てくるそうです。
ニーバーは、変えられる/変えられないものに対してそれぞれ正しく対処するためには心の平穏と勇気、そして知恵が必要としています。それを神様に求める部分が「祈り」なんですね。

では、ここで言う「変えられるもの」とは何なのか。
僕の考えでは、この世の中で唯一変えられるものは「自分自身」だと思っています。(ニーバーの祈りについて様々調べましたが、他の多くの方も変えられるもの=自分自身だと考えている方が多かったです)

本記事では、変えられるものとは何なのか?について考えていきます。



いろんなケースにおける変えられる/変えられないもの


まず、いくつかの事象を挙げて、変えられるものと変えられないものを書き出していきます。


ケース1:ペットの死

ペットの死は簡単には受け入れられないほど悲しいものです。死という事実は変えられないし、「もっとこうしてあげればよかった」という後悔が残ることも多い。この場合、変えられるものは何でしょうか。

変えられないもの
・ペットが死んだという事実
・「悲しい」という感情
・「もっとこうしてあげれば」という後悔
・周囲の人の感情
など…

変えられるもの
・これからの感情:悲しみや後悔を何かで代替する、もしくは忘れる
・これからの行動:次のペットと後悔しない接し方をする
・今の行動:悲しむばかりではなく、葬儀などの行為に移る
など…


ケース2:薄給

次は多くの人に当てはまりそうな問題です。自分の作業量に比べて給料が低いと感じるとか、知人や他の企業を見ると羽振りがいいのに…とか、今週は他の人の分まで作業したから少し色を付けて欲しい…とか。この場合は何を変えられるのでしょうか。

変えられないもの
・給料を出している側の(今の)構造
・会社から自分に対する(今回の)評価
・他の企業を羨ましいと思う感情

変えられるもの
・行動:経営陣に相談を持ちかける、転職、副業/投資など、節約…
・感情:羨ましいと思う気持ちをやる気に変える


ケース3:就活でお見送りされまくる

最後は精神的に苦しいシーンです。行きたい企業に落ちると落ち込んだり、落ちる企業が多すぎると自分を否定された気分になったりします。これから先の人生を大きく決める企業選び…落選には相当落ち込むものです。

変えられないもの
・落ちた時の悲しさ、落ち込み
・落ちたという事実
・同じ企業を受けられないという仕組み(会社によるが)

変えられるもの
・行動:落ちた要因を分析して次に活かす
・感情:落ち込んでいても仕方ないとやる気を出す


変えられるもの


次に「変えられるものは何か?」を考えます。ここで、具体例の内容を「自分/他人/その他」「過去/現在/未来」という軸で分類していきます。

変えられないもの

  • 事実(=過去/現在の出来事):ペットの死など

  • 自分の過去/今の感情:悲しみなど

  • 他人の過去/今/未来の感情:悲しみなど

  • 他人の過去/今の行動:自分に対する評価など

  • 現在の仕組み:同じ企業を受けられない仕組みなど


変えられるもの

  • 自分の未来の感情:やる気を出すなど

  • 自分の今/未来の行動:副業を始めるなど

  • 他人の未来の行動:評価を高くしてもらう(=結局これは自分行動次第)など

  • 未来の仕組み:会社の仕組みを変える(=自分でそういう行動を起こす必要がある)


まとめると、以下のようになります
「変えられるもの =  自分の今/未来の感情と行動、未来の他人の行動、未来の仕組み」

この中で、「他人の未来の行動」と「未来の仕組み」は結局自分の行動次第でで変えられるものです。そのため、これらを「自分の行動」に分類して再度結果をまとめると、本章の結論は以下のようになります。

変えられるもの =  自分の今/未来の感情と行動」


まとめ


結論、変えることができるのは「自分の行動と感情」です。
一方で、「自分の過去の感情」「他人の感情や行動」「事実」「仕組み」などは無理やり変えることはできません。

もし他者や環境を変えたいのであれば、まずは自分の行動や感情を変える必要があります。例えば、
・他人にやって欲しいことがある→報酬を用意する
・会社の仕組みを変えたい→偉い立場に昇進する
といった具合に。他にも方法は様々ですね。


僕は、「変わる人」と付き合っていきたいです。自分や周囲の相手に対して固定観念を持たず、自分を変えるための努力、謙虚さ、視野の広さなどを兼ね備えているような人と関わりたいですね。

ただ、自分の行動を変えるのはとても難しいように思います。例えば、知識の面では本を読めば新しい知識を得ることはできますが、
自分の行動を変えるためには、自分を客観的に見る力と、変えるべき点を認識する力と、変えるべき点を行動に移す力が必要です。

これらの力を育み、常に自分をいい方へ変える人間になれば、自然と周囲の人や環境も変わっていきそうですね。

2025年は変わることを一つの目標に据えようと思います。皆さん、今年もよろしくお願いします。

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